「晒す」という言葉にはもともと「そのままにしておく」「人目に触れるようにする」という意味があります。現代ではインターネット上に個人情報を無断で流すことを「晒しあげ」「晒し行為」と呼ぶようにもなり、新しい使い方も出てきました。
ここでは「晒す」の読み方や意味、使い方・例文を解説します。類語と対義語、英語表現もあわせて確認してみましょう。
「晒す」の意味や読み方とは?
「晒す」の意味①人目に触れるようにする
「晒す」の意味は、“人目に触れるようにする”ことです。この意味での例文も合わせてご紹介しましょう。
「晒す」の意味②危険な状態に身を置く
「晒す」の2つ目の意味は、“危険な状態に身を置く”ことです。この意味での例文も合わせてご紹介しましょう。
家族を台風の危機にさらさないように、家屋を万全に補強した。
「晒す」の意味③ 日光や雨風に当たる状態でそのままにしておく、干す
犬小屋は暴風雨に晒され壊れてしまった。
天気がいいから、日光に布団を晒しておこう。
「そのままにしておく」という意味では「放っておく」「見世物にする」というような解釈もできます。
「晒す」の意味④薬品処理で白くする、漂白する
しばらくの間、タオルを漂白剤に晒しておくように。
「晒す」の意味⑤苦み・辛み、色を取り除くために水に浸す
水に晒して、布巾の色をぬくことにした。
「晒す」の読み方は”さらす”
「晒す」の読み方は“さらす”です。同じ読み方で別の漢字表記「曝す」がありますが、意味はほぼ同じとなります。
インターネットの「晒す」の意味とは?
意味は「インターネット上で個人情報を無断開示すること」
現代においては「晒す」という言葉には、“ネット上で名前やメールアドレスなどの個人情報を無断で開示すること”を意味することがあります。
「晒す」がもともと意味する「人目に触れるようにする」から転じ、ネットで勝手に他人の情報を掲載することを意味する言葉として使われるようになりました。そのため、ネット上における「晒し」という言葉は、良い意味では使われることはほとんどありません。
「晒す」の類語と対義語とは?
「晒す」の類語は”暴露”や”暴く”など
「晒す」の類語は、「晒す」が示すそれぞれの意味合いによって異なります。
- 「日光や雨風にそのままにしておく」:「当てる」「暴露」「露出」「吹きさらし」
- 「薬品で白くする」:「漂白」「褪せる(あせる)」
- 「辛みや色を取り除く」:「除去」「そぎ取る」「取り去る」
- 「人目に触れるようにする」:「丸見え」「暴く」「むき出し」「露出」
- 「また危険な状態に身を置く」:「むき出し」
「晒す」の意味により類語は異なるため、適切な言葉を選んで使うようにしましょう。
「晒す」の対義語は”隠匿”や”隠蔽”など
「晒す」の「人の目に触れるようにする」という意味での対義語にあたるのは、こっそりと人に見つからないように包み隠すことを意味する「隠匿(いんとく)」や、ものごとを他のものを故意に覆い隠すことを意味する「隠蔽(いんぺい)」などがあります。
ことに「隠蔽」においては、人に見られては不都合なものごとや悪事を隠す行為を表す四字熟語「隠蔽工作」は、社会時事に関するニュースで頻繁に見聞きする表現でしょう。
「晒す」の英語表現とは?
「晒す」の英語はさまざま
日本語の「晒す」にいくつか意味があるように、英語も意味や使い方によって適切な表現が異なります。一般的には「危険に身をさらす」か「人の目に触れる」という意味で使うのが最も多いですが、下記で挙げるフレーズを覚えておくと、英語でコミュニケーションをする際に役立つでしょう。
危険に身を置く:lay open, jeopardize, endanger, risk
人目に触れるようにする:expose, show
「晒す」の英語例文
「晒す」を使った英語例文をご紹介しましょう。
- You should not jeopardize your career as a consultant for nothing.
コンサルタントとしてのキャリアを危険にさらしてはいけない。 - I feel nothing but embarrassed after I exposed myself in an abusive manner.
悪態をさらし、恥ずかしい思いでいっぱいだ。
まとめ
「晒す」は「曝し」とも表記することができ、意味は「日光や雨風に当て、そのままの状態にしておく」「薬品で白くする」「苦みや色を取り除く」「人目に触れるようにする」「危険な状態に身を置く」などの意味を持ちます。現代においては「ネット上で個人情報を無断掲載すること」を意味する言葉としても使われ、大きな社会問題ともなっています。
また、ビジネスでは「経営危機にさらされる」「キャリアを危険にさらす」「会社の機密情報を他人にさらす」などのように使うこともあるでしょう。「晒す」は想像以上に使用頻度が高い言葉です。意味と使い方を把握して、会話に上手に取り入れていきましょう。
宴会ではしゃぎすぎて、またしても酔態(悪態)を晒してしまった。