「一端を担う」はビジネスシーンでよく用いられる言葉です。いつもの仕事というよりも、大きなプロジェクトで何かしら自分にも責任が発生するポジションに就いた時などに使われます。今回はこの「一端を担う」の意味や使い方の例文、類語や反対語、英語表現までを詳しく解説していきます。似た意味を持つ言葉「一翼を担う」との違いもあわせて紹介します。
「一端を担う」とは?
「一端を担う」の意味は”部分的に責任などを持っている”
「一端を担う」の意味は、“ある物事において部分的に責任、または役割などを持っていること”です。「物事全体ではないが部分的に関与している・サポートしている状態」を表しています。
「一端を担う」の読み方は、“いったんをになう”です。 「一端を担う」は、単に”部分的に責任などを持っている”という意味を説明しているため、言葉が与える印象にマイナスもプラスも含まれていません。しかし「一端を担う」には、部分的と言えども“無くなっては困るパート”というニュアンスがあるため、場合によってプレッシャーを感じる人はいるでしょう。 「一端」を使ったフレーズに”一端に触れる(いったんにふれる)”があります。この「一端に触れる」の意味は「一端を担う」とは異なり、“ある人の秘密や解明されていない謎などを部分的に知ること”を表しています。 「一端を担う」は、「〇〇の一端を担う」といった形で使われることがほとんどです。「〇〇」には、“一端を担う物事”を入れて使います。 「一端を担う」は、「君はこの企画の一端を担っている」など、会社組織やプロジェクトチームの1人として数えられる時や紹介される時によく使われます。集団の中で、ある特定の役割や責任のある部門を任されているというイメージです。 「一端を担う」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。 「一端を担う」と似た意味を持つ言葉に「一翼を担う(いちよくをになう)」という言葉があります。この2つ言葉の違いは、「一端」と「一翼」が持つそれぞれの意味を見ることでわかります。 「一翼」の場合は、“なくてはならない重要なパート”と「一端」よりも必要性が高いことを表します。これは、“2つあるうちの1つの翼が無くなっては鳥は飛べない”ということをイメージするとわかりやすいでしょう。 就職活動などで問われる志望動機の答えには、「一端を担う」よりも自分の必要性をより強くアピールできる「一翼を担う」を用いる方がおすすめです。企業や組織は消極的な人よりも、積極的で前向きな人間性を持つ人材を求めています。担当者にポジティブな印象を与えるためにも、アピール力のある言葉を選んで使いましょう。 意味は「計画に加わって協力する」「荷担する」です。 “部分的に関与している・サポートしている状態”を表している点が「一端を担う」と似ています。しかし「片棒を担ぐ」にはマイナスなニュアンスが含まれているため、悪事などの悪い物事に対して使われることが多いです。 意味は「全体の中のある部分になること」です。「一端を担う」と似た意味を持ちますが、“責任や役割を持っている”というニュアンスまでは含まれていません。 意味は「物事の結果に伴い、そこに生じた苦労や厄介ごとを全部引き受けること」です。部分的な責任や役割を持つ「一端を担う」に対し、全体的な責任を表している点が反対語と言えます。 意味は「集団の上に立ち人を指示すること」、または「多くの人をまとめること」です。「指揮をとる」も「一端を担う」の部分的に対し、全体的な役割を表している点で反対語と言えます。 「一端を担う」を英語にする場合は、“参加する”や協力する“を意味する「play」と、”役割“や”任務“を意味をする「role」を組み合わせて“play a role”と表現します。こちらは口語的表現です。 「責任の一端を担う」を英語にする場合は、“責任の一部”を意味する「part of the responsibility」使って「〇〇 part of the responsibility」と表現します。 〇〇には以下のような動詞が入ります。伝えたい内容に近い動詞を使いましょう。 「一端を担う」は、「部分的に責任などを持っていること」を表すビジネスシーンでよく登場する言葉です。とくにマイナス・プラスどちらかに偏った印象は含まれていません。しかし、“無くなっては困るパート”とプレッシャーのようなニュアンスがあることは覚えておきましょう。 志望動機を答える際は、「一端を担う」よりも意欲が伝わる「一翼を担う」を使うことをおすすめします。適切な言葉を使うことは自分の気持ちを正確に伝え、相手に与える印象も良いものにしてくれます。「一端を担う」の読みは”いったんをになう”
「一端を担う」の印象はマイナスでもプラスでもない
「一端に触れる」は意味が異なる
「一端を担う」の使い方や例文とは?
「〇〇の一端を担う」と使う
「一端を担う」はビジネスシーンでよく使う
「一端を担う」を使った例文
「一端を担う」と「一翼を担う」の違いとは?
違いは「必要性の高さ」
※「一端」の意味:「一部分」「片はし」「一方のはし」
※「一翼」の意味:「全体の中の1つの任務や役割など」「1つの翼」志望動機の答えには「一端を担う」よりも「一翼を担う」
「一端を担う」の類語とは?
類語①「片棒を担ぐ(かたぼうをかつぐ)」
類語②「一部になる(いちぶになる)」
「一端を担う」の反対語とは?
反対語①「全責任を負う(ぜんせきにんをおう)」
反対語②「指揮をとる(しきをとる)」
「一端を担う」の英語表現とは?
「一端を担う」の英語表現は”play a role”
動詞を変えて「責任の一端を担う」のニュアンスが調整できる
「assume」には、「(役割などを)担う」や「(責任などを)負う」「(義務などを)引き受ける」という意味以外に、「(債務を)肩代わりする」という意味もあります。
「bear」には、「(義務を)負う」や「(責任を)持つ」という意味以外に「(費用を)負担する」という意味もあります。
「shoulder」には、「(責任などを)肩代わりする・引き受ける」という意味があります。まとめ
注)「一端」を「いっぱし」と読む場合の意味は、「一人前」や「人並みに」です。