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「助長」の意味とは?使い方の例文と「冗長」との違いを解説

「助長」とは「成長を助けること」を意味し、「助長させる」「助長する」などの使い方をします。「類語と対義語を知りたい」「簡単な例文を知りたい」という方に向けて、「助長」の本来の意味や使い方、類語・対義語を紹介します。

「助長」の意味と由来とは?

「助長」の意味は”成長を助けること”

「助長」の意味は、“力添えをして成長や発展の助けをおこなうこと”です。「じょちょう」と読み、力添えをすることにより物事が成長・発展する状況で使用されます。「成長」「発展」とは、いい方向へ傾くことだけでなく、ネガティブな方向へ傾くことも含まれます。

たとえば、「戦争を助長させる発言」という例文。上記の例文だと、「戦争へと発展する発言」という意味になり、ネガティブな表現として「助長」が使われています。

「助長」の本来の意味は”余計は力添え”

「力添えをして成長を助けること」を意味する「助長」という言葉。「助長」は本来「余計は力添え」という意味で使われており、転じて現代の「力添えをして成長を助ける」という意味で使われるようになりました。

「余計な力添え」という意味で「助長」を使う場合、よかれと思って行ったことが裏目にでて、悪い結果になる状況で使用できます。たとえば、「起業の注意点を教えたのはいいが、それにより不安を助長させたようだ」という例文。

上記の例文は、「よかれと思って起業の注意点を教えたが、それにより不安にさせてしまった」という意味になります。

故事「助長」の由来は”孟子”にある

「助長」とは「故事成語」の1つで、昔あった出来事が由来してできた言葉です。「助長」の由来となった出来事は、中国戦国時代の儒学者(じゅがくしゃ)である孟子(もうし)の話にあります。

孟子は弟子に「ゆとりのある精神を育成するためには、心の成長にそって育てるべき」だと説き、例として「苗を成長させたいがために、力ずくで引きのばした農夫は全ての苗をだめにしてしまった」という話をします。

上記のたとえから、「助長」が「余計の力添え」という意味をもち、現代では転じて「成長を助ける」という意味でも使われるようになったのです。

「助長」の使い方と例文とは?

「助長させる」や「助長する」のように使う

「助長」は「助長させる」または「助長する」のように使われます。いい意味で「成長を助ける」として使われることもありますが、多くの場合がマイナスな意味合いで使われます。

例文

A氏の行いは犯罪を助長させるとして、厳重注意された

わたしは自由を説いているのであって、戦争を助長するわけではありません

上記の例文は、悪い意味として「助長」が使われています。

「助長される」は他者から影響をうける状況で使う

「助長」の使い方の1つが、「助長される」です。「○○される」は受け身の表現であり、他からの動作を受けていることを表します。たとえば、「情報不足により、市民の不安が助長される」という例文。

上記の例文だと、「(誰かが)情報を発信しないこと」により、「市民の不安が助長される」という受け身の文章となります。

「助長」を使った例文

「助長」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 不況をあおる記事により、国民の不安が助長された
  • 善悪のつく大人が違法行為を助長するなど、言語道断だ

「助長」と「冗長」との違いとは?

「助長」と「冗長」は意味が異なる

「助長」と似た読みをする「冗長(じょうちょう)」という言葉。両方とも「長」という漢字が入っていますが、意味が異なるため注意が必要です。

「冗長」とは「文章や話の内容が、長く無駄が多いこと」を意味します。「助長」の「成長を助ける」「余計な力添え」という意味とは異なるため、混同しないようにしましょう。

「助長」の類語と対義語とは?

「助長」の類語は”助成”

「助長」の類語に当てはまるのが「助成」です。「助成」とは「事業や研究を援助し、完成を助けること」を意味します。「助長」は悪い意味で使われることが多くありますが、「助成」は「求められている援助」を意味しポジティブな意味で使われます。

「助長」の対義語は”妨害”

「助長」の対義語には「妨害(ぼうがい)」が当てはまります。「妨害」とは「邪魔をすること」を意味し、「助長」の「成長を助ける」という意味と反対の言葉になります。また、「妨げること」を意味する「阻害(そがい)」も「助長」の対義語になるため、邪魔をする状況で使用してみましょう。

「助長」の英語表現とは?

「助長」は英語で”Promote”

「助長」は英語で“Promote”と表します。「Promote」とは「促進する」を意味する単語で、「Promote world peace(世界平和の促進)」などの使い方をします。また、「助長」を悪い意味で使用する場合、英語表現として適しているのが「Abet」です。

「Abet」とは「扇動」を意味し、「他者をあおって、行動をおこさせる」状況で使われます。たとえば、「Their remarked were shown to abet war」という例文だと、「彼らの発言は戦争を助長した」という意味になります。

まとめ

「助長」とは「成長を助けること」「余計な力添え」を意味する言葉で、使い方によっていい意味にも悪い意味にもなります。使い方や状況によって「助長」の意味が異なりますが、一般的には悪い意味で使用されることが多く、「助長する」「助長させる」のように使います。

「助長」とよく似た言葉に「冗長」がありますが、「冗長」と「助長」は意味が異なるため混同しないようにしましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。