「フリーアドレス」とは?メリット・デメリットと導入ポイント

自席を持たずに自由に席を選べる「フリーアドレス」というオフィス形態は、活発に仕事ができるイメージがあります。しかしその一方で、デメリットはないのかと気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は「フリーアドレス」の意味から「フリーアドレス」に適した部署、「フリーアドレス」のメリットとデメリットに加えて、導入する際のポイントを解説します。

 「フリーアドレス」の意味

「フリーアドレス」とは「自由に席を使えるオフィス」

「フリーアドレス」とは、社員は個別に割り当てられた自席を持たずに空いている共有スペースを自由に使うことができるオフィス形態のことです。

IT企業やベンチャー企業で導入事例が多く、在席率が少ない部署に適していて省スペース化が図れます。

 「フリーアドレス」は在籍率が低い部署に最適

「フリーアドレス」が適している部署とは、営業など、社員が社内で時間を過ごす時間が短い部署で、目安としては在席率が40%未満の部署です。または時間的に短いプロジェクトを遂行しているような部署でも有効的です。

一方、落ち着いた環境が必要な経理、法務、総務部門には不向きであり、また電話対応の多い事務職やデスクトップが必要なクリエイターが主な部署でも適してはいないでしょう。

 「フリーアドレス」が導入された80年代は失敗例が多い

コスト削減と省スペース化のため、「フリーアドレス」は1980年代後半から1990年代に、一部の大手企業において在籍率が低い部署で導入されました。しかし携帯電話や持ち運びしやすいノートパソコンが普及していないなどIT技術面が追い付いていないこと、またセキュリティ面での不安から廃止した例も多かったのですが、2000年代に入りIT企業やベンチャー企業、大手企業でも導入事例が増えてきました。

フリーアドレスの普及は、IT技術の進化とスマートデバイスの発展、また働き方改革への注目が要因として挙げられます。

「フリーアドレス」のメリットとは

組織や立場を超えたコミュニケーション

固定席がなく自由に席を選べることで、これまでかかわりのなかった社員同士のコミュニケーションが増えます。知識の共有ができ、新しいアイディアを発想するヒントにもなるでしょう。

 業務内容から席を確保

自由に席を選べるメリットは、業務内容に応じて席を決めることができるため、最適な行動様式を社員自らが決められます。その結果、ミーティングのスピードが高まるなどの生産性が向上し、業務の効率化が図れます。

 セキュリティ対策が向上してペーパーレス化ができる

IT環境が整ったフリーアドレスでは、資料の電子化によりペーパーレス化が促進します。その結果、印刷コストの削減や省スペース化につながります。

データの電子化にはセキュリティ対策は必須で、アクセス権の設定といったセキュリティ面を向上することで安心して事業を進められるでしょう。

 省スペース化でコスト削減

ペーパーレスも省スペース化につながるのですが、デスクの数自体も出社してくる社員のためのデスクを設置するという発想になり、オフィスの省スペース化が図れます。

 バッグはロッカー、事務用品を共有してオフィスが片付く

フリーアドレスではオフィスが片付くというメリットもあります。バッグなどの私物は個人用のロッカーに預け、仕事に必要なパソコンなどをデスクに持ってきます。事務用品は共有され、終業後にはパソコンなどをロッカーに片付けるという習慣になり、フリーアドレスではオフィスがクリーンに保たれます。

「フリーアドレス」のデメリットとは

導入コストがかかる

フリーアドレスを実現するためには、Wi- fiの導入やクラウド環境を整備しなくてはなりません。社員の私物や仕事に必要なものを入れる個人用ロッカーを設置する必要もあります。またオフィスのレイアウトを変更することになるので、導入コストがかかります。

電話で行っていた従来のマネジメントが通用しない

フリーアドレスは事務職などの電話の取次ぎが多い部署には向かないように、社員がどこに座っているのかわからないので、電話の取次ぎがうまくいかないというデメリットがあります。

勤怠管理が難しい

社員がどこにいるのかわからないため勤怠管理が難しくなるケースもあります。その解決策として、ビジネスチャットなどを利用して仕事内容を管理します。

また固定席がなくなることで、会社や部署への所属意識が低下する社員も見られます。

面倒くさい、集中できないという声も

フリーアドレスでは退社時には、仕事に必要なものは個人ロッカーに片づけなくてはならないことから、面倒くさいという声も聞かれます。また毎回の席移動で環境に馴染みにくい、仲のいい人同士が集まりその会話の声が気になる等で、集中しにくくなる社員もいます。

「フリーアドレス」の導入のポイント

フリーアドレスの導入目的を明確にする

社員同士のコミュニケーションが活性化を図り業務効率が上げるなど、フリーアドレス導入目的を明確にします。

導入目的を明確にすることで、フリーアドレスのシステムを導入した時点で終わりではなく、その目的を果たしているかどうかをチェックすることができます。社員によっては新しいオフィス環境に動揺することも考えられるので、会社の上層部も積極的に参加して社員に声掛けなどを行い現場の声を拾い、常に動向を見定めるようにしましょう。それにより、フリーアドレス導入後の改善点も見えてきます。

社員のニーズに合った環境づくり

フリーアドレス導入前には、必要となる設備の分析と導入計画を練り、ネットワーク上の共有フォルダやクラウド環境を整えます。その際に、セキュリティの堅牢性やバッテリーライフの確認など、運用後に起こりそうな問題を想定しながらオフィス環境を整えましょう。

まとめ

「フリーアドレス」とは自席を持たないオフィスのことで、社員は空いている席を自由に席として選ぶことができます。在席率が低く、働き方改革に関心のある社員の多い部署では、オフィスのフリーアドレス化が進めやすいでしょう。