「ボトルネック」の意味と使い方とは?由来や熟語・類語表現も解説

「ボトルネック」は製造業に関わらず、あらゆるビジネスにおいて使われる言葉です。主にネガティブな状況に陥る原因を指す場合に使われますが、正しい言葉の意味や使い方を把握している人は少ないかもしれません。

ここでは「ボトルネック」の意味をはじめ、由来や英語表記、使い方と例文、類語について解説していきましょう。

「ボトルネック」の意味と由来とは?

「ボトルネック」の意味は”作業やシステムにおける効率低下の原因や部分”

「ボトルネック」の意味は“作業やシステムにおける効率低下の原因や部分”です。ビジネスシーンではこの意味でよく使われます。一般的な作業や使用しているシステムの速度が低下し、効率が悪くなっていること、また広義では、ものごとのスムーズな進行を妨げ、困難な状態にさせている原因やその部分のことを指します。

カタカナ語でも頻繁に使われる「ネック」は「どうしてもネックになる」「ネックになる部分」というように、ものごとが悪くなる原因や悪い結果をもたらす要因などを表す時に使われます。また「ボトルネック」は「ネック」と同じような意味で用いることが多いです。

「ボトルネック」は「上手くいかない原因」「非効率の要因」「ネガティブな結果となる理由」などのように解釈しておきましょう。

ファッション業界でボトルネックは「首元」の意味

「ボトルネック」は洋服の“首元”のラインを表す言葉です。体の中心で極端に細くなっている首部分にフィットするハイネックのシャツやセーターに「ボトルネック」のデザインがよく使われています。

「ボトルネック」の由来は”瓶の形”

「ボトルネック」はビールやワインなどの飲み物の瓶の形が由来となっています。これらの瓶は半分から上の部分が細くなっているのが特徴ですが、飲み物が一気に出てこないように工夫されたデザインです。つまり、一般的な瓶はボトム部分にはたくさんの飲み物が入りますが、瓶の首の部分は細くなっているため量が少なくなります。

このような状況から、ものごや作業全般、システムを防御してしまう原因や、効率が低下する部分を「ボトルネック」と呼んでいます。

「ボトルネック」の使い方と例文とは?

「ボトルネック」は問題や要因を指摘する場で使われる

「ボトルネック」はビジネスのみならず、経営、政治の世界など、広く一般的に使われています。作業やシステム以外でも、経営状況の乱れ、生産力の衰え、社内のモラル低下など「効率低下の原因部分」となるものに対して「障害」「支障」という意味で使われることが多いです。

たとえば、企業において収益や売上にマイナスの影響を与えている部分があれば、それは「ボトルネック」と呼ばれます。

「ボトルネック」を使った例文

「ボトルネック」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 年功序列の考え方が、仕事へのモチベーション低下のボトルネックになっている
  • 生産関係のシステム処理が低下しているため、早速ボトルネックを探すことにした。
  • ボトルネックシャツが今秋の流行りである。

「ボトルネック」を使った熟語表現とは?

ボトルネック効果

「ボトルネック効果」とは、隔離された生物集団が、病気の蔓延や環境の変化が原因で、その個体数が減少してしまった場合、その他の生き残った生物の遺伝的浮動(未来に伝わる遺伝子の頻度が変わること)が促されることを指します。また「ボトルネックエフェクト」とも呼ばれます。

ボトルネックインフラ

人材や能力など生産性に関係する要素が欠けてしまうと、生産が追いつかなくなり、需要と供給のバランスが崩れてしまいます。そして消費者が求める数が高いのも関わらず、生産数が低いと必然的に価格の上昇が生まれてしまいます。この状況から生じる物価上昇のことを「ボトルネックインフラ(またはボトルネックインフレ)」と呼んでいます。

交通ボトルネック

高速道路や一般道路で交通渋滞の原因となる要因を「交通ボトルネック」と呼びます。たとえば、交通事故や土砂崩れ、火災などが発生し、その周辺での交通の流れが悪くなれば、これらが交通ボトルネックとなります。

「ボトルネック」の類語とは?

「ボトルネック」の類語は”律速”

「ボトルネック」の類語は「律速(りっそく)」です。工学分野においては「反応速度を制限する原因・要素」、また一般的には意味が転じて「ものごとや作業の進み具合を決定する要素」という意味で使われています。

「ボトルネック」のその他の類語表現

システム分野においては「高速化の妨げ」、作業一般においては「遅延要因」などが類語表現として挙げられます。たとえば、一般的にシステムを導入する目的は作業を効率的に簡単に、かつ早く行うことですが、システムを遅延させてしまう症状が見られれば、それはボトルネックであり、「高速化の妨げ」とも言い換えることができます。

また、作業や日々のルーチンワークにおいて時間的な遅れが目立つような場合は、遅延を引き起こす原因、つまり「遅延要因」となります。

「ボトルネック」の英語表現とは?

ボトルネックは英語で「bottleneck」

「ボトルネック」は英語で“bottleneck”と表記します。英語での意味は言葉そのものを表す「瓶の首」、「進行を遮るもの」「障害」「邪魔」、また「道が細くなり、交通渋滞が生まれてしまう場所やスポット」などになります。

「ボトルネック」の英語での意味も、カタカナ語での解釈とほぼ同じと考えて良いでしょう。英語では「障害」や「邪魔」などの意味で使われることが多く、ビジネスにおける作業全般、経営や販売促進において「効率が下がり、良い結果が得られない要因」を表す時に使われています。海外でも、改善に向けての話し合いやミーティングの場所で「ボトルネック」という言葉がよく使われています。

まとめ

「ボトルネック」の由来はワインやビールなどの瓶の形です。途中から細くなっていることから、底の部分に比べて量が少なくなるため「ものごとや作業・システムにおいて効率低下となる原因や部分」という意味で使われます。

ビジネスでは作業効率の悪化、経営では売り上げや利益の減少などに対し、原因となる部分や支障となる箇所を「ボトルネック」と呼びます。

「ボトルネック」は「効率向上」や「問題解決」に向けての話し合いの場でよく使われます。正しい使い方を理解し、改善に向けて力を入れていきましょう。