「確信」とは「強く信じること」を意味する言葉。また「確信犯」という熟語で、「悪いと認識しつついたずらや犯罪行為を行うこと」を指す場合もありますが、実は本来の意味は別にあります。
この記事では、「確信」の意味や例文、類語・対義語を紹介。「確信犯」の本来の意味や、現代の使い方についても解説しましょう。
「確信」の意味や読み方とは?
「確信」の意味は”強く信じること”
「確信」の意味は、“疑うことがなく、強く信じること”です。単に「信じる」ことを表すのではなく、一切疑うことがなく強く信じられる状況で使用します。また、「強く信じること」という意味の他に、「かたい信念」という意味でも使います。
たとえば、「敵との得点差がひらき、自分たちの勝利を確信する」というと、「疑うことなく勝利を信じた」という意味になります。
「確信」の読み方は”かくしん”
「確信」の読み方は“かくしん”です。「かくしん」と読む熟語はほかにも「革新」や「核心」などありますが、「かたく信じること」「信念」の意味を持つものは「確信」です。意味をヒントに当てはまる漢字を覚えておきましょう。
「確信犯」が誤用されている?正しい使い方とは?
「確信犯」の本来の意味は”悪意のない犯罪行為”
「確信」を使った「確信犯(かくしんはん)」という言葉。「確信犯」とは「悪意のない犯罪行為」を意味する言葉で、自分の行いが正しいと信じ込み、悪いことをしているという認識なく犯罪行為を行うことを指します。
本来は上記の意味で使われる「確信犯」ですが、よくある間違いとして「悪いと認識しているにも関わらず、行為にいたること」という意味で「確信犯」が使われています。正しくは「悪意のない行為」という意味だと、覚えておきましょう。
「確信犯」は新しい使い方が広まりつつある
「確信犯」とは「悪意のない犯罪」を意味する言葉だと説明しました。「悪いと認識しつつ行為にいたること」という意味は本来であれば誤用なのですが、現代では新しい使い方として広がりつつあります。
「悪いと認識しつつ行為にいたること」という意味で「確信犯」を使う場合、「行為」に当てはまるのは犯罪だけではありません。「いたずら」のようなことも、悪いと思って行っていることであれば「確信犯」が用いられます。
ただ、「悪いと認識しつつ行為にいたること」という使い方が広がりつつあるものの、本来は誤用であることを覚えておきましょう。
「確信」の使い方と例文とは?
「確信する」は”強く信じる”を表す
「確信」の使い方の1つが「確信する」です。「強く信じる」を意味し、疑うことなく強く信じる状況で使用しましょう。たとえば、「彼女は嘘をついていないと確信する」という例文だと、「彼女は嘘をついていないと、強く信じる」という意味になります。
「確信できない」は”強く信じられない”を表す
「確信」を使った「確信できない」という言葉。「確信できない」とは「強く信じられないこと」を意味し、確信するまでに至らない不安要素がある状況で使用できます。
「身の安全を確信できない状態で、日々不安と戦っている」という例文だと、「自身の安全を保障するのに不安が残る状態で、日々不安と戦っている」という意味になります。
「確信に変わる」は”かたい信念に変わる”を表す
「確信」を使った「確信に変わる」という言葉。「確信に変わる」とは「かたい信念に変わる」を意味する言葉で、なにかの理由から疑いが一切なくなり、「かならず間違いない」という固い信念に変わった状況で使われます。
「彼女が嘘をついていたことにより、浮気の疑惑が確信に変わった」という例文では、「彼女の嘘により、浮気をしていることは間違いないと思った」という意味になります。
「確信している」「確信できる」のような使い方もする
「確信する」「確信できない」以外にも、「確信している」や「確信できる」などの使い方もあります。「強く信じている」または「強く信じられる」状況で使いましょう。
- わたしはビジネスで成功すると確信している
- 明日の試合には必ず勝てると確信できるのは、今までの練習があったからだ
「確信」を使った例文
「確信」を使った例文をご紹介しましょう。
- 今回のプロジェクトが上手くいくという確信がない
- 若者をみていると、この国の未来は明るいと確信できる
- 彼は間違っていると確信しているのに、それを指摘できない自分がいる
「確信」の類語や対義語とは?
「確信」の類語は”信念”
「確信」の類語に当てはまるのが「信念」です。「信念」とは「正しいと強く信じている心」を意味する言葉で、「疑わずに強く信じる」という意味が似ているため、「確信」の類語となります。
ただ、類語ではあるものの「確信」を使った文章を、「信念」で言い換えることはできません。「確信がある」と「信念がある」では意味が違うため、「疑わずに強く信じる」状況では「確信」を、「正しいと信じる心がある」状況では「信念」を、使い分けましょう。
「確信」の対義語は”疑念”
「確信」の対義語には「疑念」が当てはまります。「疑念」とは「疑う気持ち」を意味する言葉で、「確信」の「強く信じること」という意味と反対になります。たとえば、「疑念が残る」という例文。上記の例文だと、「疑いの気持ちが残ること」を意味しています。
「確信」の英語表現とは?
「確信」は英語で”Conviction”
「確信」は英語で“Conviction”です。「Conviction」とは「確信」「信念」を意味する単語で、「With conviction」だと「確信をもつ」になります。たとえば、「I am convinced that hi is the murderer」という例文。上記の例文だと、「わたしは彼が殺人犯だと確信した」という意味になります。
まとめ
「確信」とは「全く疑わずに強く信じること」を意味し、「確信犯」や「確信する」などの使い方をします。「確信犯」は本来「悪意のない犯罪」を意味する言葉なのですが、現代では誤用である「悪いと思っていながら行為にいたること」という意味が広がりつつあります。
「確信」の類語には「信念」が当てはまるため、「正しいと信じる心」がある状況で使用しましょう。