「専売特許」とは、物や方法を発明した人が申請し認められて交付されたもので、物や方法以外でも使用される場合があります。また、その人の「おはこ」である芸などにも使用されている言葉です。今回は「専売特許」の意味や使い方、英語表現を例文も含めて紹介していきます。
「専売特許」とは?
「専売特許」の意味は”その人だけが得意としている技術や方法”
「専売特許」の意味は、“その人だけが得意としている技術や方法のこと”です。
「専売」とは、その人だけが独占して販売することを言います。また国が財政上の目的で特定の物品の販売を独占することも「専売」です。
「特許」とは、その人だけが特別に物や方法を使えることができるように許可されたものになります。
つまり「専売特許」とは「特許」の旧称で、その人だけが得意としている技術や方法を表している言葉で、1885年に制定された「専売特許条例」が前身です。「専売特許」を受けた物は、他の人が無断で使用や販売をすることが禁止されています。
「専売」と「独占」の違い
「専売」も「独占」も、どちらもその人だけのものという意味では同じです。
しかし「専売」は「特定の人だけが独占して販売をすること」という意味がありますが、「独占」は「販売に限らず独り占めにする」という意味になるので、少し意味が違ってきます。
「専売特許」と「著作権」との違い
「専売特許」に似た言葉に「著作権」という言葉が有ります。「専売特許」も「著作権」もどちらもその人だけに独占的な権利を与えるという意味では同じですが、対象となっているものに違いがあります。
「専売特許」は物の発明や方法を独占する事ができる権利ですが、「著作権」は文芸や美術などの人の感情や思想を表現したものを独占できる権利を表す言葉です。
「専売特許」の使い方と例文とは?
「専売特許」は物や方法を発明した際、独占する時に使われる
「専売特許」は特定の人や会社が、物や方法を発明した際にそれを独占して使用する事を国が認めることを指しています。
たとえば1898年に、当時の大蔵省の直営事業としてタバコの専売が実施されました。後に日本専売公社が創設され事業を担当していましたが、その後民営化されタバコの輸入が自由化されています。その他に塩やアルコールなども専売されていました。
一般的には、お店であれば独自の料理や調理方法、会社であれば工事方法や独自の案で製作された商品などが挙げられます。
その他の意味で使用されることは、その人自身がよく行う仕草や発する言葉なども「専売特許」として例えられる場合もあるでしょう。
「専売特許」を使った例文
「専売特許」には、物の開発や方法を独占できる場合に使用する以外に、個人の良く話す言葉や行動などを表現する場合にも使用されます。
「専売特許」の類語と反対語とは?
「専売特許」の類語は”特権・独自性・おはこ”
「専売特許」の類語には「特権」「独自性」「おはこ」などがあります。
「特権」とは特定の人が持つ特別の権利や利益を表現する言葉です。「独自性」とは他と違って自分特有のもの、「おはこ」は最も得意とする芸や技を言います。
「専売特許」の反対語は”不得手”
「専売特許」の反対語は「不得手」です。
「不得手」とは「ふえて」と読みます。得意ではない、好きではないという意味に使用される言葉です。一般的には、同じ意味の言葉の「不得意」が使用されることが多いでしょう。
「専売特許条例」の意味とは?
特許制度の始まりは4月18日
日本の特許制度の始まりは、明治18年(1885年)4月18日です。以前は特許制度が無かった為、数々の発明をしても報われない日々を送っていました。
その為特許制度の創設を望む世論が高まり、特許法の前身である「専売特許条例」が公布されたのです。
これを記念して昭和29年(1954年)1月28日、通商産業省(現在の経済産業省)は毎年4月18日を「発明の日」とすることを決定しました。
「専売特許」の英語表現とは?
「専売特許」の英語表現は”patent”
「専売特許」の一般的な英語表現には「patent」を使用します。「patent」は「特許」「特許権」「特許品」などの意味に多く使用されますが、「明白な」という意味で使用されることもあるでしょう。
「専売特許」の英語例文
「専売特許」を使った英語例文をご紹介しましょう。
・新商品の特許を申請した
I applied for a patent on the new product
・彼女の口癖は専売特許だ
Her favorite phrase is a patent
・明白な間違い
a patent mistake
まとめ
「専売特許」は特定の人や会社が物や方法を発明した時に、国に申請をして交付されたものです。またその人だけの特技や芸にも使用される場合もあります。私達の周りにも「おはこ」と言われる特技や芸をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。もしかすると、私達も自分では気づいてはいなくとも「専売特許」を持っているかもしれませんね。
・彼はどんな新しい技術も瞬く間に習得してしまうので、その技は彼の専売特許だね。
・何年もかけて開発してきたプログラムがようやく専売特許が取れたよ。
・自分のミスをすぐに他人のせいにする行動は彼女の専売特許だ。