「お気をつけて」はビジネスや上司に使える?英語も紹介!

上司が出かける際に「お気をつけていってらっしゃいませ」とすらっと言えたら素敵ですね。実際は言いにくいことばのため「お気をつけて!」だけになっている人はいませんか?自信がないので何も言わない、という人もいるかもしれません。気持ちのいい挨拶ができるよう、ビジネスメールでの使い方もあわせて紹介します。

「お気をつけて」の意味とは?

「気をつける」の意味

「気をつける」とは「注意や留意、用心をすること」という意味です。「気を付ける」と書く場合もあります。相手に対して使う場合は、相手のことを案じて言うことばになりますが、自分に対して使う場合は「失礼のないように気をつける」というように「注意を払う」ことを意味します。

「気をつけて」の意味

「気をつけて」は「気をつける」に助詞の「て」がついた形です。「注意、留意してことにあたる」よう、次にくる動作を形容することばです。

「お気をつけて」のビジネスでの敬語表現

「お気をつけて」の正しい敬語表現

「気をつけて」に「お」をつけることで相手への敬意を表すことができます。しかしそれ単独だけで使用することは表現として間違いになります。「気をつけて」の意味で説明したように、動作を形容することばであるため、「お気をつけていってらっしゃいませ」「お気をつけてお越しください」などと丁寧な動詞とともに用い、あいさつの敬語表現とします。ビジネスシーンでも積極的に使いたいていねいな表現です。

また、「お気をつけてお越しください」には「お」が二回使われていますが、二重敬語ではありません。「お」が続いて気になる場合は「気をつけてお越しください」「どうぞ気をつけてお越しください」としても問題ありません。なお、「お気をつけてお越しになられてください」が二重敬語となり、誤りです。

相手のからだを気遣う言葉

「お気をつけて」はもうひとつの意味で使われることがあります。相手の体を気遣う気持ちを表したい時に「お体にお気をつけてお過ごしください」というように用います。「お体にご自愛ください」と同じ意味になります。

「お気をつけて」は目上の人や上司にも使える

目上の人や上司に対して「お気をつけて」を使っても問題ありません。

「お気をつけてください」ではなく「お気をつけください」

雨の日などに足元に注意してください、と伝えたい場合の敬語表現は「お足元にお気をつけください」になります。「お足元にお気をつけてください」と言ってしまいがちですが、「お気をつけてください」は誤った言い方です。『お~ください』と動詞一つで言い切る場合は、二つの動詞をつなげる「て」は不要なため省くことになります。

「お気をつけて」の注意点

また、相手への気遣いを表したい時に使う「お気をつけて」ですが、状況によっては嫌味ととられてしまったり、余計なお世話と思われてしまったりする場合があります。例えば会議で険悪な状態になってしまった時に、「くれぐれもお気をつけてお帰りください」と言われたら、脅しや嫌味を言われたような気持ちになる人がいるかもしれません。特別な状況にある場合は、ことばの選択に注意を払う必要があります。

あるいは、相手が「気をつける」ということばに敏感な場合があります。事故に気をつける、病気に気をつける、などネガティブな状況を連想してしまうことばでもあるため、なんらかの困難な状況にある人にたいしては配慮が必要な場合もあります。例えば自動車事故を起こした人に対して、「お気をつけてお越しください」と言うと、また事故を起こさないでくださいね、と言われたと嫌味のようにとられてしまうかもしれないということです。

「道中お気をつけて」は正しいことば?

「道中」は「旅行の途中」という意味

出張に行く上司に対して「道中お気をつけていってらっしゃいませ」と言っている先輩をみたことがあるかもしれません。「道中」は「旅行の途中」という意味のことばなので、出張や旅行に行く人に対して使うのは正しい使い方です。

しかし「道中」はやや古めかしい表現でもあるため、違う表現に言い換えたい場合は次のような言い方もあります。

  • 「遠方へのご出張、どうぞお気をつけていってらっしゃいませ」

ビジネスメールでの使い方

ビジネスメールで「お気をつけて」と使いたい場面はたくさんあります。例文を紹介します。

  • 当日はA会議室でお待ちしております。どうぞお気をつけてお越しください。
  • 研修会場は2階となりますので、お気をつけください。
  • 長いご出張お疲れさまでございました。道中はどうぞお気をつけてお帰りくださいませ。
  • 寒い季節となりました。くれぐれもお体にはお気をつけてお過ごしください。

「お気をつけて」を英語で言うと?

「お気をつけて」には上述したようにいろいろな意味が含まれています。そのため、使用される英語表現は状況によって異なります。例文で紹介します。

「be careful」を使う表現

お気をつけください。 ⇒ Please be careful.

「take care of」を使う表現

お体にはお気をつけください。 ⇒ Please take care of yourself.

「Have a safe」を使う表現

お気をつけて日本にいらしてください。⇒ Have a safe journey (trip) to Japan.

注意して!と促す場合

足元にお気をつけください。 ⇒ Watch your step.

まとめ

「お気をつけて」は相手を思いやる気持ちを表現する素敵なことばです。注意すべき点に留意した上で、自信を持って使ってみてください。思いやりのことばが無くても仕事を進めることがはきますが、一言添えるだけで相手との距離をぐっと縮めることができます。小さなことですが大切なことと覚えておきましょう。