「鋭気(えいき)を養う」の意味は?「英気」との違いや例文も紹介

「鋭気を養う(えいきをやしなう)」という慣用句を知っていますか?人によっては趣味の息抜きを楽しむことだったり、社会人であれば打ち上げや忘年会などの席で司会者のあいさつとして耳にすることもあるでしょう。ところが、いざメール文などで使おうとすると迷ってしまうことがあります。ここでは、例文などを通して正しい意味と使い方を確認しましょう。

「鋭気を養う」とは?

意味は「体力・活力を蓄える」

「鋭気を養う」とは「体力・活力を蓄える」という意味です。

仕事終わりに飲むよく冷えた生ビールや焼き肉など、その日の疲れを癒して気分をリフレッシュすることを「鋭気を養う」と言ったりします。大切な日に備えて養生する場合や、ハードワークで消耗した体力や気力を取り戻し、心機一転を図ろうとするときなどに使われる表現で、「養う」には「育成する」のほかに「精神力や気力を充実させる」という意味があることから、「気力を養う」「体力を養う」のような表現も一般的です。

漢字は「英気を養う」

辞書で調べると「鋭気」に似た意味をもつ言葉に「英気」があり、「気力の充実」を意味する慣用句の場合は「英気を養う」と表記するのが正しいとされています。「英気」が知性を感じさせるのに対し、同じくビジネスでよく用いられる「鋭意(えいい)」には「心をはげます」という意味があることから、なんとなく「鋭意」のほうが気力を養ってくれそうな気がしますが、ここはしっかりと正しい表記をチェックしておきましょう。

「鋭気を養う」も間違いではない

では、「鋭気を養う」という表記が間違いかといえば、そうとも言い切れないのが日本語の奥深いところです。日本SFの父とも称される昭和初期の作家も小説の中で「鋭気をやしなう」という表現を使っており、ここではモチベーションの維持といった意味で使用されているようです。とはいえ「英気」との意味の違いや、誤用と判断されるリスクも考えて使いこなす必要があります。

「鋭気」と「英気」読み方による違いは?

「英」の意味は「エクセレント」

かつての日本人は、すぐれた文化をもつ当時のイギリスをリスペクトして「英(Excellent)」の字を当てたといわれています。「英(エイ・はなぶさ)」は一文字で「ひいでた・すぐれた」という意味をもつ漢字で、「英気」はもともと「すぐれた気性・才気」をあらわした言葉です。「気性」とは性質のことで、「才気」は優れた頭脳の働きを指し、情報処理能力の高さや鋭い思考力を意味します。つまり、気力がみなぎって最高のパフォーマンスを発揮するためにコンディションを整えるのが「英気を養う」ということです。

「鋭」は「勢い」

「鋭気」は読んで字のごとく「するどい性質」や「意気込み・勢い(Momentum)」をあらわす言葉です。すぐれた判断力や直感のことを「するどい」と表現することもあることから、「鋭気」と「英気」が混同されるのも無理からぬことと言えそうですが、「鋭気」といった場合はものごとに向かっていくときの勢いや激しさといったニュアンスを多く含みます。

「鋭気」「鋭気」の類語

「英気」には、「リフレッシュする」と「気力を蓄える」という2つの意味合いがあり、似た言葉には「休息・休養・リカバーする」などがあります。一方、「鋭気」の類語は「熱情・熱意・血気・篤志(とくし)」などです。

「鋭気」を使った例文

  • 帰還した兵士たちの眼には、恐怖と鋭気が残っていた。
  • 物資の不足ですっかり疲弊し、鋭気はくじかれてしまった。
  • リタイヤした後はひと月ほど高野山に入って、鋭気を養ってみたいものです。

「英気養う」の例文

  • 目前に迫った開幕戦に備え、選手たちは英気を養っている段階です。
  • 来年に向けての英気を養うべく、今夜は大いに飲んで食べて盛り上がりましょう。
  • たまには贅沢にうなぎでも食べて英気を養おう。

「英気を養う」の英語表現

英語表現はretreatなど

  • retreat(リトリート:世の中から身を引いて休む)
  • R&R(Rest and recuperation:休息と回復)
  • refresh(リフレッシュ:再び元気になる)

鋭気を養う方法とは

コーヒーやアルコールなど

気分をリフレッシュして効率を上げたいときやストレス対策には、コーヒーやアルコール、スイーツなどの嗜好品で自分を元気づけましょう。適度な運動でスッキリすることもあります。消耗した英気を取り戻したいときには、十分な睡眠とバランスの良い食生活を心がけると効果的です。

「方便」としても便利

ちょっと疲れが溜まってきたかなというときや、ここ一番という場面に備えて英気を養いたいとき、自分なりの方法を決めているという人も多いのではないでしょうか。せっかくの休日をパジャマ姿でゴロゴロして過ごしても、「明日への英気」のためといえばウソも方便です。ただし「頑張った自分へのご褒美」と称した衝動買いは後悔することが多く、却ってストレスになるという説もあるようです。買い物は計画的に、無駄遣いはほどほどにしましょう。

まとめ

「鋭気を養う」という表現も古くから使われていますが、大切な場面で最高のパフォーマンスを上げるために気力や体力を蓄えるという場合は「英気を養う」が一般的です。それぞれの意味の違いを理解して、大切な日のためにスタミナをつけたり、気分をリフレッシュするときは「英気」を、みなぎる情熱や勢いを蓄えたいなら「鋭気」を使いましょう。疲れたなと感じたら小まめに英気を養い、鋭気をもって日々を楽しみたいものですね。