「セグメント」とは?ITなど分野別の意味と使い方を詳しく解説

「セグメント」とは、「部分」や「分割した一部」「区別」などの意味を持つ言葉。ビジネスの場面においては、ITやマーケティングなどのさまざまな分野において、それぞれ異なる意味合いの言葉として使います。今回は、「セグメント」の基本の意味に加えて、各分野における使い方を解説。用語と英語での表現もお伝えします。

「セグメント」の意味とは?

「セグメント」の意味は”区分・区間・分割した一部”

「セグメント」の意味は、“区分・区間・分割した一部”です。英語の「segment」が元になったカタカナ語です。

ビジネスの場面において「セグメント」の言葉を使う場合には、分野や業界などによって意味合いが異なります。自分が携わる分野や業界における「セグメント」の意味合いを、それぞれ理解しておくことが必要です。

ビジネス分野別「セグメント」の意味と使い方とは?

IT分野では「ネットワークにおける一部」

「セグメント」とは、IT分野においては「ネットワークにおける一部」や「範囲」をさして使う言葉です。たとえば企業全体のネットワークの中において、部署ごと・フロアごとなどそれぞれに分かれたネットワークが「セグメント」となります。

マーケティング分野では「ターゲットとなる顧客」

マーケティングの分野における「セグメント」とは、ターゲットとなる「顧客の属性ごとのグループ」のこと。年代や性別・職業・住所などさまざまな属性ごとのグループで「セグメント分け」を行います。商品の購入意向があるか・購入経験があるか・使用経験があるかなどを、属性として設定する場合もあります。

マーケティングにおいて「セグメント」を用いるのは、商品やサービスのターゲットとなる顧客を絞り込むことで、アプローチを行うためです。たとえば広告を配信する場合、セグメントによって、配信する広告の内容を変えて最大限の効果をはかります。

自動車業界では「車のカテゴリー」

自動車業界において「セグメント」と言う言葉は、「車のカテゴリー」の意味となります。車の「セグメント」は軽自動車やワンボックス、高級車など分類を行います。排気量を基準にした「セグメント」と、車体サイズを基準にした「セグメント」の2種類があり、マーケティングの目的に応じて使われています。

土木分野では「シールド工法で用いる部材」

土木分野における「セグメント」とは、コンクリートや金属などでつくられたトンネルの壁面を構成するブロックを意味しています。トンネルを構築する際の「シールド工法」において使われる部材です。

医療では輸血に関連する用品名に使われる

医療においては、「セグメントチューブ」「セグメントカッター」など輸血に関連する用品に「セグメント」の言葉が使われています。「セグメントチューブ」とは輸血用のバッグに付属された細長いチューブで、「セグメントカッター」はセグメントチューブの中の血液を取り出すためのカッターです。

「セグメント」を使った用語とは?

「セグメント利益」

「セグメント利益」とは、企業における事業部門それぞれにおいて計算した利益を意味する言葉です。「営業利益」は、部門ごとの「セグメント利益」の合計した結果が、企業全体の利益となります。

「セグメント分析」

「セグメント分析」とは、企業の売り上げや利益を分析する手法のひとつ。事業別や地域別別などに切り分けを行い、会計における課題を洗い出します。

「セグメント方式」

「セグメント方式」とは、メモリを管理する方式のひとつ。メモリ上で、プログラムやデータなどの情報を属性ごとに分類した「セグメント」を、それぞれ管理する方式です

「セグメントコイル」

「コイル」とは、モーターやバッテリーなどを構成する部品のひとつです。「セグメントコイル」とは、コイルの形状を表す言葉となります。

「セグメント」の類語とは?

「グルーピング」は近い意味を持つ類語

「グルーピング」とは、対象を「属性や条件に応じて1つのグループに分けること」を意味する言葉。したがって、マーケティング分野や自動車分野における「セグメント」とは近い意味を持ちます。たとえば、「セグメントごとに広告を配信する」と言う文章は、「グループごとに広告を配信する」と置き換えることができます。

「パート」「セクション」「クラスタ」との使い分け

「パート」は、「部分」や「区分」を意味する言葉です。「パート」は単なる「部分」を意味するにとどまる言葉であるため、全体の中の一部分であることを強調したい場合には使うことに適していません。

「セクション」は「部分」を意味する言葉で、「○○セクション」など部門名を表す場合にも使います。「パート」同様に、単に「部分」であることを表す意味合いとして使います。

「クラスタ」(クラスター)は、「集団」や「かたまり」を意味する言葉です。「クラスタ」は、属性や条件に応じた「集団」であるという点では「セグメント」と共通しています。「全体のうちの同じ属性」ではなく、「同じ属性のまとまり」ということを表す場合に使います。

「セグメント」の英語表現とは?

「セグメント」は英語で”segment”

日本語の「セグメント」は、英語の「segment」を元にした言葉。IT分野やマーケティング分野においても「segment」と「セグメント」は同じ意味合いとして使うことができます。

なお、「segment」には、「生物の体の節」や「切片」など、日本語の「セグメント」が持たない意味も含まれています。

まとめ

「セグメント」とは「部分」や「分割した一部」を意味する言葉。ITをはじめ、自動車や医療・建設などの分野ごとに、より具体的な意味合いを持つ言葉として使うため、それぞれの意味を理解しておくことが必要です。また、「セグメント利益」「セグメント分析」など「セグメント」を使った用語も数多く見受けられます。