「しかし」の意味とは?「しかしながら」の使い方と類語を解説

「しかし」とは、前後が反対の関係であるときに使われる接続詞で、文頭におくことで「それにしても」という意味でも使われます。「しかし」の意味や類語、「しかし」とよく似た「しかしながら」について解説します。

「しかし」の意味とは?

「しかし」の意味は”逆接をあらわす接続詞”

「しかし」の意味は、前後の文をつなぐ「接続詞」の1つ”です。接続詞のなかでも「しかし」は「逆接」を表しているため、「しかし」の前後が反対の関係であったり、前後が成り立たなかったりする状況で使用します。

例文
「Aさんは野菜が嫌いだ。しかし、最近は食べるようにしている」

「Aさんは野菜が嫌い」なのに「最近は食べている」という、本来は成り立たない事を繋げて表しています。

「しかし」を文頭におく場合”それにしても”を意味する

「しかし」は文頭におくことで、強調をあらわす言葉としても使用できます。文頭に置く場合、「しかし」は「それにしても」「なんとまあ」を意味し、感情をこめる状況で使用できます。

例文
「しかし、こんな暑い日によく来たね」

「それにしても、こんな暑い日によく来たね」という意味になり、「暑い日に来た」ことを強調する文章になります。

「しかし」は漢字で”然し”

「しかし」の漢字表現は「然し」または「併し」です。漢字表現があるものの、一般的に接続詞は平仮名で表記されることが多くなっています。漢字表記を使うことで文の体裁が悪くなったり、読み方が分からない人もいたりするため、平仮名での表記を意識しましょう。

「しかし」の使い方とは?

「しかし」は書き言葉、話し言葉どちらでも使える

「しかし」は、「書き言葉」でも「話し言葉」でも使えます。どちらの使い方もできる「しかし」ですが、話し言葉として使用すると、相手に堅苦しい印象を与えることがあります。ビジネスシーンや目上の人へは適していますが、日常会話では仰々しく感じられることがあるため、使用には注意しましょう。

「しかし」の後ろに読点をつけて使う

「しかし」の後ろには読点(とうてん)をつけることで、読みやすい文章に仕上がります。読点とは句読点(くとうてん)のなかの1つで、「、」を指しています。必ず「しかし」の後ろに読点をつけるという規則はありませんが、つけることにより「しかし」のあとに続く文章が強調され、読みやすい文章になるのです。

例文

今日はあいにくの雨だ。しかし、大会が無事行われて安心した

1カ月ぶりにまとまった休みが取れた。しかし、仕事のメールが次々に送られてくる

目上へは敬語を加えて使用

「しかし」は目上・目下関係なく誰にでも使用できます。「しかし」という言葉自体は敬語ではないため、目上へ使用するときは前後に敬語を加えましょう。

例文

あまりに金額が高く驚きました。しかし、それほどの価値があるということですよね

御社が経営難なのは存じております。しかし、こちらの状況も配慮していただきたい

「しかしながら」は作文で使える

「しかし」と同じく、逆接をあらわす接続詞の「しかしながら」という言葉。逆接をあらわす接続詞は他にもありますが、「しかしながら」と「しかし」は作文やビジネスシーンで使用される、かたい表現です。

「しかし」と比べて「しかしながら」の方が、逆接であることを強く印象づけるという違いがあるため、強調したい状況で「しかしながら」を使用してみましょう。

「しかし」の類語表現とは?

「しかし」の類語は「でも」

「しかし」の類語には「でも」が当てはまります。「でも」は逆接を表す接続詞で、前後が反対の関係であったり、前後の関係が成り立たなかったりする状況で使用されます。

類語ではあるものの「しかし」と「でも」には違いがあります。「しかし」は書き言葉と話し言葉両方の使い方があるのに対し、「でも」は話し言葉としてのみ使用されます。かたい表現が適しているビジネスシーンや作文などでは、「でも」は不適切とされるため、使用に注意しましょう。

また、「しかし」は文頭に使用することで「それにしても」という意味をもちますが、「でも」には「それにしても」という強調の意味合いは含まれません。

「しかして」は類語ではないため注意

「しかし」と似た言葉に「しかして」がありますが、類語ではないため注意しましょう。「しかして」とは「そうして」を意味する接続詞です。「しかし」のように逆接をあらわす言葉ではなく、前の文章になにかを加えることを意味する接続詞です。「しかし」が含まれていますが、意味が異なるため混同しないようにしましょう。

「しかし」の英語表現とは?

「しかし」は英語で”But”

「しかし」の英語表現には“But”が当てはまります。たとえば、「It was hard but fun」という例文だと、「大変だったが楽しかった」という意味になります。

日本語と同じように英語の接続詞はいくつも存在し、なかでも「But」は幅広い状況で使われる接続詞です。ビジネスなどのかしこまったシーンでの使用は、相手に失礼と捉えられる可能性があるため、避けましょう。

「しかしながら」は英語で”However”

「However」も逆接をあらわす接続詞です。日本語にすると「しかしながら」を意味し、「But」よりもかしこまった状況で使用されます。ビジネスシーンや、重要な会話をするシーンで使用しましょう。

まとめ

「しかし」とは逆接をあらわす接続詞で、「しかし」の前後が反対の内容であったり、前後が成立しなかったりする状況で使用されます。他の接続詞と比較して「しかし」や「しかしながら」はかたい表現であるため、敬語とあわせて目上の人へ使用してみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。