「アソート」の意味と使い方とは?分野別の意味や類語も解説

さまざまな種類のクッキーが入ったものを「アソートクッキー」などと呼びますが、「アソート」にはお菓子以外にも物流、ファッション・インテリアなど分野別に異なる意味がありことを知っていますか?

ここでは「アソート」の英語表記や基本的な意味をはじめ、分野別の意味、また類語とあわせて紹介していきます。

「アソート」とは?

「アソート」の意味は”詰め合わせ・盛り合わせ”

「アソート」の意味は、“詰め合わせ・盛り合わせ”のことです。

たとえば、お菓子業界ではお菓子、クッキー、チョコレートなどの詰め合わせ、ギフト業界では調味料、ヘアケア、ベビーグッズなどのセット商品など、同じ部類のもので種類をバラエティ豊かに取り揃えたものを「アソート」と呼んでいます。

「アソート」の語源は英語の”assort”

「アソート」の語源は英語の“assort”です。英語の「assort」には「ものを分類する、種類別に分ける」という意味があり、多種類の素材や商品がある中で、それらを種類ごとに分けるという意味を持ちます。

また、英語では「商品を補充する」「品揃えをする」、「種類が一致する」「他と調和する」という意味でも使われます。

「アソート」は”アソートメント”とも呼ばれる

英語の「アソート(assort)」は動詞形となりますが、名詞形の「アソートメント(assortment)」も同じ意味のカタカナ語として使われます。各種類を詰め合わせたもの、さまざまな盛り合わせという意味がありますが、やや丁寧でフォーマルな響きがあるのが特徴です。

「アソート」はランダムに詰めるという意味ではない

「アソート」はある一つのカテゴリーの中で、多くの種類をバランスよく一つに詰めたものを意味します。そのため、別のカテゴリーに属する関係性のないものを何でもかんでもランダムに詰めるというニュアンスは持ちません。

「アソート」の基本的な意味である「種類が一致する」からも理解できるように、同じカテゴリーで多彩に品揃えをしたものが「アソート」となります。

「アソート」の分野別での意味とは?

物流業界での意味は「商品を仕分ける梱包作業の方法」のこと

「アソート」は物流業界で「商品を仕分ける梱包作業の方法」のことを意味します。たとえば、自社製品や同じブランドの製品を複数集めて、ギフトセットの詰め合わせを作ったり、スペシャルアソートとしておすすめ製品の詰め合わせを作ることを「アソート」と言います。

その他、季節的な詰め合わせとなるお中元やお歳暮などを、指示通りに仕分け梱包していく方法そのものも「アソート」と呼んでいます。

例文
  • 工場ではベルトコンベヤーを使ったアソート作業が行われている。
  • 今年のお歳暮商品で人気のアソートはキッチン用品だ。

ファッション・インテリア業界での意味は「配合色」のこと

ファッション・インテリア業界では「配合色」や「従属色」のことを「アソート」と呼びます。色使いや色の配合などが「色」となる業界では、全体の景観における配色を面積の大きさや角度などから考察することが大切です。最も大きな面積を持つベースカラーを中心に、その次に大きな面積を占める「アソート」で全体のバランスを整えていきます。

逆に「アソート」がアンバランスになってしまったり、配色の割合が崩れてしまうと、全体的な統一感が維持できなくなってしまい、ぎこちないイメージが生まれてしまいます。そのため、洋服や部屋のデザインにおいても「アソート」は重要な役割を占めています。

例文
  • 部屋のアソートをパステルカラーで整える。
  • キラキラ光るアソートを使って、舞台を全体的に派手に演出することにした。

アパレル業界での意味は「商品構成」のこと

アパレル業界で「アソート」は「商品構成」や「品揃え」のことを指します。洋服やバッグなどのブランド、サイズ、デザイン、柄、色合わせ、素材、価格などを中心に、顧客のニーズにあった商品を選んでいきます。

例文
  • ショッピングセンターに出店するブティックのアソートを決める。
  • 高級住宅街に位置する店なので、基本的にアソートも高級ブランド商品でいこう。

スノーボード業界での意味は「複数のソールカラーがある」ということ

冬の人気スポーツ「スノーボード」業界でも、「アソート」という言葉を使います。ネット通販などで「ソールはアソートとなります」という表示を目にすることがありますが、これはスノーボードの板はデッキ部分の一デザインにつき「複数のソールカラーがある」ということを意味しています。

たとえば、見本では青のデッキカラーに対し白のソールだとしましょう。しかし、青のデッキカラーに対し黒、黄色、赤など複数のソールカラーも同時に生産されているため、実際は見本通りの配色や希望の色が手元に届くかどうかはわからない、という意味となります。

ソールカラーを選びたい時はネット通販ではなく、スポーツ専門店に足を運んで欲しい配色を選ぶようにしましょう。

例文
  • スノボのソール部分がアソートであっても少しでも安値で購入できるのは魅力だ。

「アソート」の類語とは?

「アソート」の類語は”一式”や”セット”など

「アソート」の類語は言葉の意味でもある「詰め合わせ」や「盛り合わせ」の他、「一式」や「セット」があります。どちらもさまざまな種類を取り揃え、まとめたものを意味する言葉で、「お試しセット」「ヘアケア商品一式」などのように使われます。

また、一緒に使うことを目的としたモノの集まり「一連」や、同様の種類のものが集まった状態を表す「ひと揃い」「ひとまとまり」も類語の仲間となります。

まとめ

「アソート」は英語の「assort」のことで、一般的な意味はクッキーやチョコレートなどを代表とする「詰め合わせ」や「盛り合わせ」です。「アソートメント」は「アソート」の名詞形となり、カタカナ語でもやや丁寧な表現として「アソート」と同じ意味で使われます。

また、物流、ファッション・インテリア、アパレル、スノボ業界ではそれぞれ意味が異なります。あらゆる業界で意味が通じるように、正しい使い方を心がけましょう。