「鷹の目」の意味とは?ことわざ「鵜の目鷹の目」や例文・類語も

「鷹の目」は、“何一つ見落さない“のようにじっと対象となるものを観察する場面に使う言葉です。ことわざとしては「鵜の目鷹の目」という表現でよく使いますが、なぜこのような言葉が生まれたのでしょうか。

今回は「鷹の目」の意味や使い方の例文、類語や英語表現などを解説していきます。

「鷹の目」の意味とは?

「鷹の目」の意味は”熱心に何かを狙う鋭い目つき”

「鷹の目」の意味は、“獲物を見つけようとする鋭い目つき”です。この言葉には、鷹が獲物を探すように“どんな些細なことも見落とさない”といった熱心な様子が含まれています。

熱心に探しているものは、対象となる物事の欠点や欠陥であることが多いです。そのため、粗探しのようなネガティブなニュアンスで使われることもあります。ただ何かに熱心になっている様子を表すには適さない言葉です。

「鵜の目鷹の目」は「鷹の目」と同じ意味を持つことわざ

「鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)」は「鷹の目」と同じ意味を持つことわざです。

『鵜』の餌となる魚を探そうする様子は、『鷹』が獲物を狙う様子と似ています。「鵜の目鷹の目」はその2種の鳥を用いて、「鷹の目」と同じ意味「熱心に何か狙っている目つき・様子」を表しています。

■参考記事:
「鵜の目鷹の目」の意味とは?由来や類義語とあわせて例文も紹介

「鷹の目」の使い方と例文とは?

「鷹の目」はことわざ「鵜の目鷹の目」で使うことが多い

「鷹の目」は単体で使うこともありますが、ほとんどが先ほど紹介したことわざ「鵜の目鷹の目」の形で使います。文章や会話には名詞的・副詞的に取り入れます。

「鷹の目」を使った例文

「鷹の目」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  •  「彼女は鷹の目でバーゲン商品をチェックし始めた」
  • 「母は初めて連れてきた僕の彼女を鷹の目で見ていた」
  •  「上司は、新人である私が提出した書類を鷹の目でチェックしている」
  •  「面接官が鵜の目鷹の目で僕の履歴書を見ている」
  •  「綺麗に掃除した部屋を鵜の目鷹の目で見回るのはやめてほしい」

「鷹の目」の類語とは?

類語①「凝視」は”ジッと見つめること”

「凝視(ぎょうし)」の意味は”じっと目を凝らして見つめること”です。「鷹の目」のように、狙いを定めたものに対し集中している様子を表しています。

ただし、「凝視」は「鷹の目」にある“どんな些細なことも見落とさない”といったニュアンスはないため、狙いを定めた対象をただ集中的に見つめている様子を表現したいときに使います。

類語②「蚤取眼」は”何も見落とさない真剣な目つき”

「蚤取眼(のみとりまなこ)」の意味は”どんな些細なことでも見逃さない真剣な目つき”です。小さなノミを探す注意深さや真剣さがたとえになっています。「蚤取眼」は「鷹の目」とほとんど同じ意味を持つため、言い換え表現として使うこともできます。

類語③「注視」は”注意深く見ること”

「注視(ちゅうし)」の意味は”よく注意して見ること”です。対象物に注目している様子が「鷹の目」と似ています。「注視」にはネガティブなニュアンスはありません。

「鷹の目」のように『動物の目』を使った言葉とは?

「鳥の目」は”全体像を把握すること”

「鳥の目(とりのめ)」の意味は、鳥が高い所から見渡すように”物事全体を把握すること”です。細かいことからではなく全体像を把握することで、どのような状況か、また何をすればいいかが見えてくることを表しています。「鷹の目」のような、狙いを定める意味としては使いません。

「虫の目」は”細部に注目すること”

「虫の目(むしのめ)」の意味は、虫が物事を身近に見ているように”細かい部分に注目する”、または”掘り下げる”です。問題や目標を明らかにする、絞っていくという点で「鷹の目」に似ている部分があります。

「魚の目」は”物事の動きを捉えること”

「魚の目(うおのめ)」の意味は、魚が水の流れや変化を捉えるように”物事の動き・状態を捉えること”です。常に目の前に起きている出来事、またその動きを観察し見逃さないことを説明しています。“どんな些細なことも見落とさない”というニュアンスを持つ「鷹の目」と似た部分のある言葉です。

「鷹の目」の英語表現とは?

「鷹の目」の英語表現は”hawk-like eye”

「鷹の目」を英語にする場合、“鷹のような”を意味する”hawk-like”を使って「hawk-like eye」と表現します。『eye』と単数形で使うことで観察眼や観察力という意味として使えます。『eyes』と複数形にすると、「顔にある2つの目」を表すので気をつけましょう。

  • 「hawk-like eye」・・・鷹の目、鵜の目鷹の目、鷹のような目
例文
「He is seeing me with a hawk-like eye.」
→彼は鷹の目で私を見ている

「eager eye」でも表現できる

「鷹の目」は、鷹と同じように鋭い目つきで獲物を狙う“鷲(ワシ)”を意味する「eagle」を使っても表現できます。鳥の種類は違いますが、表現したいことは伝えられます。

  • 「eager eye」・・・鷹の目、鵜の目鷹の目、鷲の目
例文
「He had an eager eye like his father.」
→彼は父親のように鷹の目を持っていた

まとめ

「鷹の目」は、ことわざ「鵜の目鷹の目」と同じ意味を持つ言葉です。“どんな些細なことも見落とさない”という熱心な様子を表していて、相手の欠点や物事の欠陥などを見つけようとする粗探しのような場面でよく使われます。

日本には同じように『目』を使った言葉が他にもあります。ビジネスシーンで使う言葉でもあるので、あわせて覚えておくといいでしょう。