「素面」の意味や語源は?使い方の例文や類語・対義語なども解説

「素面」は、お酒の席で使われる若い世代が使う印象の強い言葉です。意外と知られていない意味もあり、使い方によっては誤解を生む可能性がある要注意な言葉でもあります。今回はそんな「素面」の意味や語源、そして使い方の例文などを詳しく解説していきます。類語や対義語、英語表現もあわせて紹介します。

「素面」とは?

「素面」の意味は”酔に酔っていない状態”

「素面」の意味は、“酒によっていない普段の状態・お酒を飲んでいない状態”です。「素面」は”すめん”と別の読み方もあり、その場合「化粧をしていない顔」や「(能や剣道で)面をつけていないこと」という意味も加わります。

  • 素面(しらふ)
    →酒によっていない普段の状態、酒を飲んでいない状態
  • 素面(すめん)
    →酒によっていない普段の状態、酒を飲んでいない状態、化粧していない顔、(能や剣道で)面をつけていないこと

「素面」の読み方は”しらふ”

「素面」の読み方は“しらふ”です。

「素面」の語源は”手を加えていない素顔”

「素面」の語源は、この言葉を構成している2つの漢字の意味にあると言われています。

「素面」を構成する2つの漢字の意味

  • 素(す)
    →手を加えていない本質
  • 面(めん・つら)
    →顔、顔つき、顔面

「素面」はもともと「手を加えていない素顔」を意味し、それがいつ間にか「酒を飲んでいない顔(赤くなっていない顔)」、そして現在の意味「酒に酔っていない状態」として使われうようになったとされています。

「素面」は”シラフ”や”白面”とも表記される

「素面」は、カタカナで「シラフ」、また異なる漢字を用いた「白面(しらふ)」と表記されることもあります。3つの表記の中で一般的なのは「シラフ」で、漢字表記は書籍などのフォーマルな場面に使われることが多いです。

「白面」の由来

飲酒によって顔が赤くなることから、肌の色に変化がない状態、つまり酒を飲んでいない状態を“白い”と漢字で表し「白面」と表記され始めたとも言われている

※「はくめん」と読む場合、「素顔」や「色白の顔」、また「経験の浅い若者」を意味する

「素面」の使い方と例文とは?

「素面」は酒に酔っていない状態を説明する時に使う

「素面」は、酒に酔ってない「普段の状態」や「正常時の自分」を説明する時に使います。また状態を説明するだけではなく、「大丈夫?」と相手を気づかったり、酔っ払っていることをからかったりする時にも使います。

「素面」は薬物利用に関する表現にも使われる

「素面」は、薬物が抜けた普通の状態を表す言葉として使われることがあります。しかし隠語なため、特定の人しかわかりません。

「素面」を使った例文

「素面」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「僕には、素面では話せない恥ずかしい失敗談がある」
  • 「彼女が綺麗すぎて素面では話せない」
  • 「君、もしかして素面のふりしてる?」
  • 「素面に戻ったら、彼女にさっきのことを謝ってね」
  • 「彼はお酒をどれだけ飲んでも素面のときと変わらない」

「素面」の類語とは?

類語①「素顔」は”ありのまま”の様子

「素顔(すがお)」の意味は、「化粧をしていない顔」や「飾らないそのままの姿」です。「素面」のような“酒に酔っていない”という意味はありませんが、“普段の様子”を表す言葉という点で似ています。

類語②「正気」は”正常で普段通りの精神”

「正気(しょうき)」の意味は、「正常で普段通りの精神」や「しっかりとした意識」です。「正気」には、“酒に酔っていない”という意味は含まれていません。しかし、精神の安定や意識が朦朧(もうろう)としていない様子は「素面」の“普段通り”という意味と似ています。

「素面」の対義語とは?

対義語①「酔顔」は”酒に酔った顔そのもの”

「酔顔(すいがん)」の意味は「酒に酔っている人の顔」です。「素面」の酔っていない状態に対し真逆の意味を表します。「素面」は状態を指しますが、「酔顔」の場合は顔そのものを指します。

対義語②「泥酔・酩酊」は”ひどく酒に酔うこと”

「泥酔(でいすい)」の意味は「姿をなくすほど酒に酔う」です。「泥酔」も「酔顔」と同じく「素面」と真逆の意味を表します。

「酩酊(めいてい)」は、「泥酔」とほぼ同じ意味「ひどく酒に酔うこと」を意味します。そのため「泥酔」と同じ理由で対義語と言えます。

「素面」の英語表現とは?

「素面」の英語表現は”sober”

「素面」を英語にする場合、“素面の”を意味する形容詞“sober”で表現します。「sober」には、“お酒を飲んでいない”や“冷静な”という意味もあります。

  • 「sober」・・・【形】素面の、お酒を飲んでいない、冷静な

例文
「You have to stay sober for driving tonight.」
→今夜、あなたは運転のために素面でいなければならない

「素面」は”not drunk”でも表現できる

“酔っていない“を意味する「not drunk」でも日本語の「素面」に近い意味を表現できます。

  • 「not drunk」・・・酔っていない、素面である

例文
「She is not drunk.」
→彼女は素面である(酔っていない)

まとめ

「素面」は、お酒の席でよく使われる「酒に酔っていない状態」を表す言葉です。「シラフ」とカタカナ表記で用いられることが多く、比較的若い世代の言葉という印象があります。

「素面」はある特定の人たちの中では、「薬物が抜けた状態」を表すこともあります。この意味は映画や書籍などの中で使われることもあるので、あわせて覚えておくとスムーズに物語を理解できるでしょう。