音楽やダンス、インテリアのジャンルで使われる言葉に「コンテンポラリー」があります。とくにダンスやバレエの分野では、モダンで一風変わったポーズや構成が多く盛り込まれているのが特徴ですが、「コンテンポラリー」には一体どのような意味があるのでしょうか?
ここでは「コンテンポラリー」の英語表記と基本的な意味、音楽・ダンス・インテリアにおける意味、また類語・対義語について解説をしていきましょう。
「コンテンポラリー」の意味や英語表記とは?
「コンテンポラリー」の意味は”現代の・今風の”
「コンテンポラリー」の意味は、“現代の・今風の”です。また「その頃の」「この時代の」という意味もあります。「コンテンポラリー」にはいくつかの意味がありますが、現代の表現で言い換えれば「カッコいい」「モダンな」「いけてる」というようなニュアンスになります。
「コンテンポラリー」の英語表記は”contemporary”
「コンテンポラリー」の英語表記は“contemporary”です。もともと英語の「contemporary」は「同時期に起こる」「同時代に存在した」また「今まさに起こっている」という意味があり、「contemporary」の「con」は「一緒、共に」、「tempo」は時間を表す言葉となります。英語では同時期に生まれた人や同年齢の人を指す言葉としても使われています。
「コンテンポラリー」音楽・ダンス・インテリアでの意味とは?
音楽の「コンテンポラリー」とは”現代音楽”の意味
音楽分野での「コンテンポラリー」とは「コンテンポラリーミュージック」のことで、いわゆる「現代音楽」を意味します。「コンテンポラリーミュージック」のルーツは西洋クラシックにあると言われ、20世紀の終わりから現代までの音楽全般を指しています。
英語では「コンテンポラリーミュージック」を「20世紀クラシック音楽(20th century classic music)」などと表しますが、音楽の定義は非常に抽象的で曖昧です。どちらかと言えば従来存在する形式的・様式的な音楽のあり方を嫌味の無い程度に否定し、先端的な感覚で作り上げた音楽が「コンテンポラリーミュージック」となります。
その他、耳から感じ取れるコンテンポラリーミュージックの特徴を下記で挙げてみます。
- 調整がない(テンポや曲調が整っていない)
- 不協和音を多く使っている(全体的に不安定な感じのする和音)
- 自由な感覚を与える(音楽全体が与える印象が自由で新しい)
ダンスやバレエの「コンテンポラリー」とは”多彩なパフォーマンスが満載”の意味
ダンスの「コンテンポラリー」とは「コンテンポラリーダンス」のことで、発祥は1980年代初旬のフランスと言われています。コンテンポラリーミュージックの特徴は国やスタイルを問わず、多彩なパフォーマンスをふんだんに取り込んでいることです。
日本の暗黒舞踏、現代サーカス、エスニックダンスからストリートダンス、フォークダンス、レゲエまで、想像できうる様々なパフォーマンススタイルを取り入れ、形を変え、進化させるのが特徴となります。
コンテンポラリーダンスもスタイルや曲調に定義づけがありません。映像やコンピューター技術を自由に使い、あらゆるダンススタイルをミックスさせたのがコンテンポラリーダンスです。
また、バレエにおいても同じ概念です。ベーシックなスタイルを進化させ、自由にアレンジしたものを指します。
インテリアの「コンテンポラリー」とは”今風のインテリア”の意味
インテリアの「コンテンポラリー」とは「今風のインテリア」を指します。コンテンポラリーインテリアにおいても、軸となる意味は他と同じで「現代の、今風の」となり、しっかりと定義づけがありません。言ってみれば、現代の感覚にマッチしたテイストのあるインテリアが「コンテンポラリーインテリア」です。
その時代の特色や背景、人が抱く興味や関心の中心をインテリアを通して表現する、といったニュアンスを持ち、時代や時期によって進化するインテリアの形がコンテンポラリーインテリアの特徴でしょう。自由度が高く、居心地が良い、またその時代のライフスタイルにマッチしたものを指します。
たとえば、バブル期のコンテンポラリーインテリアであれば、派手で元気な色合いを強調した家具や、高級ブランド、高級志向を打ち出したものが該当すると言えます。
「コンテンポラリー」の類語と対義語とは?
「コンテンポラリー」の類語は”モダン”や”アバンギャルド”など
「コンテンポラリー」と言い換えのできる類語には「モダン」や「アバンギャルド」などが挙げられます。「モダン(modern)」はカタカナ語としても頻繁に使われる言葉で、考えやスタイル・手法などが「現代の、最新の」という意味があります。
「アバンギャルド(avant-garde)」はフランス語で軍隊の「前衛」を意味し、革新的、未来的な芸術一般を表す言葉です。転じて、時代にあわせて変わっていくのが「アバンギャルド」の意味となります。自由度や抽象性が非常に高いと点では、「コンテンポラリー」のニュアンスにより近いです。
「コンテンポラリー」の対義語は”パーマネント”や”クラシック”
一方「コンテンポラリー」の対義語となるのは「パーマネント」や「クラシック」です。「パーマネント(permnent)」は「永久の」という意味があり、ずっと変化がない様子を表す時に使われます。
また、「クラシック(classic)」は「古典的な」という意味があり、時代を超えて広く認められる「西洋の伝統的なアート全般」のことです。どちらも時代によって変わることがなく、自由な発想や考えを含まないのが特徴です。
まとめ
「コンテンポラリー」の基本的な意味は「現代の、今風の」となり、時代に合わせた流行りのもの、ライフスタイルを反映させたものなど、音楽やダンス、インテリアの分野を中心に自由度の高いスタイルを指す言葉として使われます。
「コンテンポラリー」は「コンテンポラリーミュージック」や「コンテンポラリーバレエ」のように「コンテンポラリー+名詞」の形で使われることが多いです。しかし「コンテンポラリー的な要素のある」「コンテンポラリー感あふれる」などのように、あらゆる分野において先端的で新しい感覚を曖昧に表す時にも便利な言葉となります。ぜひ積極的に文章に取り入れてみましょう。