「アテンダント」とは、特定の人の世話係や接客に関わる仕事に就いている人に対して使うことが多い言葉です。「アテンダント」の関連語の中には和製英語があり、英語と勘違いして使っているケースもあります。
今回はこの「アテンダント」について詳しく解説していきます。意味や語源以外にも、似た言葉「アテンド」との違いや、「アテンダント」を使った具体的な職業もあわせて紹介します。
「アテンダント」とは?
「アテンダント」の意味は”付添人・接客係”
「アテンダント」の意味は、“付添人・接客係”です。主役となるような重要人物のサポート役や、特定のお客様に対してサービスを行うスタッフなどを表しています。使う場所によっては「世話人」や「介添人」、「介助人」とカタカナ語ではなく日本語で表現されることもあります。
「アテンダント」の語源は”attendant”
「アテンダント」の語源は、以下の英単語だと言われています。カタカナ語「アテンダント」は、英語「attendant」の意味だけではなく発音も影響を受けています。
「アテンド」との違い
「アテンダント」と似た言葉に「アテンド」があります。「アテンド」はサポート役やサービススタッフを表す「アテンダント」と違い、「付き添う」や「世話をする」、また「出席する」などの動作を表しています。つまり「アテンダント」は名詞、「アテンド」は動詞です。
「アテンド」も「アテンダント」と同じく英語「attend」が語源となり、現在カタカナ語として日本で使われています。
→【動】付き添う、世話をする、出席する、参列する
「アテンダント プリーズ」は誤用
機内アナウンスで有名なフレーズ「Attention, please(アテンション プリーズ)」を「Attendant, please(アテンダント プリーズ)」と間違えて使っているケースがあります。このフレーズは人が多いシーンで注目を集めたいときなどに使うため、それぞれの意味を見ると「Attendant, please(アテンダント プリーズ)」が誤用であるとすぐにわかります。
→【名】注意、注目、関心
→【名】付添人、(ホテルなどの)案内係、(美術館などの)サービス係、(駐車場などの)接客係、出席者、参列者
余談ですが、実は「Attention please(アテンション プリーズ)」は命令形なのでお客様に使うことは失礼にあたります。正しくは「May I have your attention, please?(こちらに注目してください)」です。気をつけましょう。
「アテンダント」の関連語とは?
「アテンダントペイ」とはゲーム用語
「アテンダントペイ」は、ゲームセンターである一定以上の払い出し(大当たり)が発生したときに、スタッフがその払い戻しをメダルで手渡しすることを意味します。一般的な言葉ではなく、業界用語として特定の人のみが使っています。
「アテンダントナース」とは付き添い看護師
「アテンダントナース」は修学旅行やツアー旅行、また企業医務室に介護施設など、看護師を必要としているイベントや場所に出向く「付き添い看護師」、または「そのサービス」のことを指します。
「アテンダント」が活躍する仕事とは?
機内サービスを行う「キャビンアテンダント」
「キャビンアテンダント(略して”CA”)」とは、旅客機内で乗客者の世話をする「客室乗務員」のことです。英語表現をカタカナ語にした「フライトアテンダント(略して”FA”)」ということもあります。
新幹線などの電車内でワゴンサービスを行う「列車アテンダント」
「列車アテンダント」とは、新幹線や特急などの電車内でワゴンサービスを行うスタッフのことを言います。「鉄道アテンダント」と表現されることもあります。
接客業務を行う「ホテルアテンダント」
「ホテルアテンダント」とは、宿泊者に対する接客業務を行うスタッフのことを言います。出迎えや部屋までの案内、また館内説明や食事の提供と業務は多岐に渡ります。
花嫁のサポート業務を行う「ブライダルアテンダント」
「ブライダルアテンダント」とは、結婚式を挙げる花嫁の面倒を見るスタッフのことを言います。挙式や披露宴当日に花嫁に付き添い、身の回りの手伝いやスケジュール管理などもサポートします。日本語では「介添人」と言います。
「アテンダント」の英語表現とは?
「アテンダント」の英語表現は”attendant”
「アテンダント」の英語表現は語源で紹介した通りです。英語の場合、カタカナ語の「付添人」などの意味のほかに、「結果として伴う」や「付随する」など形容詞として使うこともあります。
- 「attendant」
→【名】付添人、(ホテルなどの)案内係、(美術館などの)サービス係、(駐車場などの)接客係、出席者
→【形】付き添いの、(その場に)居合わせる、付随して
→私の姉はホテルアテンダントです
「キャビンアテンダント」は”cabin attendant”と訳さない
機内サービスを行う客室乗務員「キャビンアテンダント」は和製英語なため、正しくは「cabin attendant」ではなく「flight attendant」、もしくは「FA」や「cabin crew」と表現します。「cabin」の意味を知ることで、「cabin attendant」が不自然な表現だということがわかります。
- 「cabin」・・・【名】(航空機などの)機室、(客船の)客室、(木造などの)小山
まとめ
「アテンダント」とは、日本語の「付添人」や「接客係」のことを意味します。あるイベントの主役をサポートしたり、ホテルの宿泊者など特定のお客様に対してサービスを行う人を表しています。職業名に使われることがほとんどです。
「アテンダント」を使った職業に「キャビンアテンダント」がありますが、これは和製英語なため英語としては使えません。海外旅行なので使う際は、「flight attendant(フライトアテンダント)」や「cabin crew(キャビンクルー)」という表現を使いましょう。
→【名】付添人、(ホテルなどの)案内係、(美術館などの)サービス係、(駐車場などの)接客係、出席者、参列者
→【形】付き添いの、(その場に)居合わせる、付随して