「満何歳」とは生まれた時を0歳として数える数え方ですが、他の年齢の数え方である「数え年」とどのように使い分けたらいいのでしょうか。今回は「満何歳」の意味と、数え方と計算方法、履歴書やエントリーシートでの満何歳の書き方に加えて、数え年との違いを解説します。
「満何歳」とは?
「満何歳」とは”現時点での年齢”
「満何歳」とは、“現時点での年齢のこと”です。「実年齢」とも呼ばれます。生まれた日を0歳として、誕生日ごとに1歳ずつ加算する年齢の数え方です。
日常的に年齢を聞かれた時に答えている年齢が実年齢であり、「満何歳」と数えるときの年齢になります。
年齢を問われたら「満年齢」を使う
履歴書や運転免許書、保険証など公的書類はすべて「満年齢」が使われます。「満年齢」は1950年(昭和24年)に制定された「年齢のとなえ方に関する法律」により公共機関での満年齢の使用は義務化されています。
「満何歳」の数え方とは?
満何歳の計算方法は「誕生日前と後」で違う
「満何歳」とは、生まれた時を0歳と数えて誕生日ごとに年を重ねる年齢の数え方です。したがってその計算方法は、誕生日を迎える前と後では違います。
誕生日を迎えていたら、現在の西暦から生まれた年の西暦を引きます。まだ誕生日を迎えていなければ、現在の西暦から生まれた年を引いて、更に1を引きます。
現在が2019年で、生まれた年が2000年の場合は、次のような計算式が成り立ちます。
- 誕生日前:2019-2000-1=18歳
- 誕生日後:2019-2000=19歳
前日の24時に年を取る
「満何歳」の数え方で一つ年を取る正確な時間は、誕生日の前日の24時です。早生まれが1月1日から3月31日生まれまでではなく、4月1日生まれも含まれているのは、この前日で一歳年を取るという規則のためです。
エクセルの「Datedi関数」を使って計算する
エクセルの「Datedi関数」を用いれば、自動的に満年齢を計算することができます。「Datedi関数」とは「経過した日数を計算する数式」です。
満年齢の欄に、生年月日には「“2000/2/16”」のように入力方式を使った「=DATEDIF(生年月日,TODAY,“Y”)」という関数式を入れると、満年齢が自動的に計算され更新もされます。
ただし「Datedi関数」では、何歳までが計算されて、何歳と何か月のような詳細までは調べられません。
履歴書の「満何歳」の書き方とは?
履歴書の満何歳は「提出時の実年齢」を書く
履歴書やエントリーシートで「満何歳」と記入する欄では、生まれた年を0歳として、誕生日ごとに年を重ねる年齢の数え方、つまり実年齢を記入します。
またその実年齢は履歴書を書いている時の実年齢ではなくて、履歴書を提出する時点での実年齢になります。履歴書提出時期に誕生日を迎える人は誕生日の後か前のどちらに履歴書を提出するのかを見極めて実年齢を記入しましょう。
和暦か西暦に統一
生年月日の記入形式は、特に指定がない場合は和暦と西暦のどちらでも構いません。ただし、学歴や職歴など、履歴書に記載するすべての年数を和暦か西暦のどちらかに統一します。
和暦を使用する場合は、「平成」を「H」のように略式ではなく元号を正しく書くことも大切です。
早生まれも現時点での年齢を書く
早生まれは1月1日から4月1日に生まれた人のことですが、履歴書には自分の実年齢を記入します。
履歴書で書かれる満何歳とは実年齢を聞かれているので、同学年にいる他の人の年齢に合わせて書くようなことはしません。
「満何歳」と「数え年」の違いとは?
「数え年」とは”生まれた年を1歳とする数え方”
「数え年(かぞえどし)」とは生まれた時を1歳として、新年を迎えるごとに年を重ねる年齢の数え方です。
「満何歳」の数え方と違い、「数え年」は生まれた年を1年と数え、また年齢が1歳増えるのは、誕生日ではなくて新年の1月1日であることがポイントです。
数え年から満何歳の使用へ移行
なぜ年齢の数え方に数え年と満何歳という数え方があるかというと、日本で古くからある年齢の数え方として「数え年」があったものの、近年になり西洋での年齢の数え方である「満何歳」が取り入れられたことによります。
明治時代以前は「数え年」によって年齢は数えられていましたが、数え年では戦後の配給制度で年齢に相応しい食事配給ができないことを理由に、1902年(明治35年)に「年齢計算ニ関スル法律」が制定されて満年齢を使用するようになりました。
その後「満何歳」の数え方が義務化されたものの、古くからの日本の伝統には数え年を基準としている者もあるため、「満何歳」と「数え年」の2つの年齢の数え方があります。
厄年や長寿の祝いには数え年を使う
数え年は古くからの風習や伝統行事に使用されています。厄年、還暦や古稀などの長寿の祝い、子供の成長を祝う七五三では、数え年を使うのが習わしです。そのため日本人は、伝統行事には数え年、履歴書などの公式な書類には満何歳と、状況によって年齢の数え方を使い分けます。
まとめ
「満何歳」とは生まれた時を0歳として、誕生日ごとに1歳、年が増える数え方です。一般的に年齢を聞かれるときや公式の書類では、「満何歳」による年齢の数え方を使います。一方、厄年や古稀の祝いなどの古くからある伝統行事などには「数え年」が使われます。