「敬意を表する」の意味とは?目上に使う場合の例文や類語も解説

「敬意を表する」とは、目上の人など自分より立場が上の人に対して使うことが多い言葉です。日常的というよりビジネスシーンでの使用頻度が高いため、社会人にとって覚えておくべき必須ビジネス用語とも言えるかもしれません。今回はこの「敬意を表する」の意味や使い方の例文を詳しく解説していきます。類語や英語表現などもあわせて紹介します。

「敬意を表する」とは?

「敬意を表する」の意味は”相手を尊敬すること”

「敬意を表する」の意味は、“相手に尊敬している気持ちを表すこと”です。「表する」には”態度や言葉によって表す”という意味があるため、心の中で思っているだけではなく、相手に伝わるよう何かしらの動きがあることも表現しています。

「敬意を表する」を構成する言葉の意味
・敬意:相手を敬う心、相手を尊敬する気持ち

・表する:態度や言葉によって表す

「敬意を表する」の読み方は”けいいをひょうする”

「敬意を表する」の読み方は、“けいいをひょうする”です。

「敬意を表する」は”敬意を表す”とも表記される

「敬意を表する」は「敬意を表す」と表記されることもあります。この場合の読み方は「けいいをあらわす」です。「あらわす」にも「ひょうする」のように態度や言葉で示すという意味があるため、どちらの表記を使っても同じ内容が伝わります。「表す」よりも「表する」の方がかしこまった表現なため、フォーマルな場面では「敬意を表する」を使う方がいいでしょう。

「敬意を表する」と「敬意を払う」の違い

「敬意を表する」と似た慣用句に「敬意を払う(けいいをはらう)」があります。「敬意を払う」は「敬意を表する」と同じように、相手に対する尊敬の気持ちを態度や行動で示すという意味があります。そのため、どちらの表現を使っても大きな違いはありません。しかし細かいニュアンスでいうと、「払う」より「表する」の方が知覚的に相手に気持ちを示している印象が強いです。

「表する」と「払う」の意味
・表する:態度や言葉によって表す

・払う:心を向けたり注いだりする、1つのことに力や精神を集中する

「敬意を表する」の使い方と例文とは?

「敬意を表する」は目上や立場が上の人に対して使う

「敬意を表する」は、基本的に自分よりも目下の人というより目上、または立場が上の人に対して使います。かしこまった表現なため日常生活で使うことはあまりなく、ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく使われています。

「敬意を表する」の敬語表現

「敬意を表する」をそのまま言葉にして相手に伝える場合、「敬意を表する」では敬語にならないため失礼になります。実際に口に出す場合は、以下のように敬語の形をとりましょう。

「敬意を表する」の敬語表現
・敬意を表します
・敬意を表しております

「敬意を表する」を使った例文

「敬意を表する」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「上司の演説に感動し、私は心から敬意を表した」
  • 「両親の偉大さに気づき、改めて二人に敬意を表した」
  • 「私が敬意を表していることは伝わっているのだろうか」
  • 「長きにわたり私どもを支えてくださったことに、心から尊敬と敬意を表します」
  • 「遭難した息子に対する皆様のご尽力に敬意を表します」

「敬意を表する」の類語とは?

類語①「心服する」は“尊敬し従うこと”を表す

「心服する(しんぷくする)」の意味は「心から相手を尊敬し従うこと」です。 “相手を尊敬している”という部分が「敬意を表する」と似ています。慕っている先生や指導者のような恩師などに対してよく使われている言葉です。

類語②「一目置く」は“優れていることを認め一歩譲ること”を表す

「一目置く(いちもくおく)」の意味は、「相手が自分よりも優れていると認め妥協する」です。この場合の“認める”には相手への敬意が含まれているため、「敬意を表する」の類語と言えます。

類語③「リスペクトする」は“尊敬すること”を表す

「リスペクトする」の意味は「相手を尊敬すること」です。「敬意を表する」のように相手に気持ちを示すようなニュアンスはありませんが、尊敬している気持ちを持っている点は似ています。

よりフォーマルな「敬意を表する」の類語とは?

「畏敬」は“心から畏れ敬うこと”を表す

「畏敬(いけい)」の意味は「偉大な人や権力を持っている人を畏れ敬う」です。「敬意を表する」と同じように、人に対して尊敬の気持ちを持っている点は似ています。異なる点は、「畏敬」には“相手に対し恐怖感を持っている”というニュアンスがあることです。そのため、相手に屈服しているといった印象を与えます。

「敬仰」は“敬い仰ぐこと”を表す

「敬仰(けいぎょう)」の意味は「尊敬すべきものとして見る」です。「敬仰」も対象となるものに対し尊敬の気持ちがあることを表しています。「敬意を表する」と異なる点は、その尊敬の気持ちを態度や言葉にしているわけではないことです。

「敬意を表する」の英語表現とは?

「敬意を表する」の英語表現は”show respect for”

「敬意を表する」を英語にする場合は、”示す“を意味する動詞「show」と、”敬意“や”尊敬“を意味する名詞「respect」を組み合わせて“show respect for”と表現します。

  • 「show respect for」・・・〜に敬意を表する

例文
「I showed respect for my great mother.」
→私は偉大な母に敬意を表した

「敬意を表する」は”pay homage to”でも表現できる

「敬意を表する」は、“(敬意などを)払う”という意味を持つ動詞「pay」と、“敬意”や“尊敬”を意味する名詞「homage」を組み合わせても表現できます。類語である「敬意を払う」に近い表現ですが、伝えたい内容は同じです。

  • 「pay homage to」・・・〜へ敬意を表する、〜へ敬意を払う

例文
「They paid homage to their manager.」
→彼らは監督に敬意を表した

まとめ

「敬意を表する」は、尊敬の気持ちを相手に態度や言葉で伝えることを意味します。その対象となる人は目上や自分よりも立場が上の人であることが多く、相手に言葉にして伝える場合は「敬意を表します」など敬語の形をとります。

かしこまった表現なため、基本的に日常生活にはあまり登場しません。その反面、ビジネスシーンやフォーマルな場面には頻繁に使われます。社会人の方は使う機会が多いので、意味だけではなく使い方もあわせて覚えておきましょう。