クラスタ・クラスターとは?ネットでの意味やクラスター分析も解説

インターネットサイトで「クラスタ」という言葉を見かけたことはありませんか?「アニメクラスタ」や「園芸クラスタ」のように使われますが、「クラスタ」は分野によって意味や使い方が異なります。

ここでは「クラスタ」また「クラスター」また、マーケティング用語「クラスター分析」について、意味を中心に解説していきましょう。

「クラスタ(クラスター)」とは?

「クラスタ」の意味は”集団・群れ”

「クラスタ(クラスター)」の意味は、“あるものの集団・群れ・一群”のことです。

たとえば、趣味や思考などが同じ集団、グループのことを「クラスタ」と呼んでいます。最近使われている「クラスタ」とは、言ってみれば「仲間」や「ファン」という意味合いで使われます。

「クラスタ」は英語の”cluster”が語源

「クラスタ」は英語の「cluster」が語源です。英語での意味は「果実や花などの房・塊」「生き物や同種類のものの一団・塊」となります。英語での発音は「クラスター」と語尾が伸びるので気をつけましょう。

「クラスター」の2つの種類

「クラスター」には”HAクラスターシステム”と”負荷分散クラスター”の2種類のシステムがあります。

「HAクラスターシステム」の「HA」は「High Ability=ハイ・アベイラビリティ」のことで、障害からいち早く復旧させるために、高可用性を高めたクラスターを指します。

「負荷分散クラスター」は複数のコンピューターに処理を分散し、コンピューター一台に対しての処理負荷を低くするのが特徴です。加えて、コンピューターの処理における拡張性を高め、同時にクラスター全体での処理能力も高めることもできます。

「クラスタ」の使い方と例文とは?

「クラスタ」はネットでよく使われる表現

「クラスタ」は同じものごとに対し興味を持ったり、同じ考え方を持つもの同士が集まる集団やファンなどを指します。そのため、ネットを中心とした会話型のコミュニケーションツールでよく使われます。

たとえば「ダイエットクラスタ」なら、「ダイエットに興味のある集団」、アイドルグループや歌手など特定のファンを指す場合は、それぞれの名前を入れた「〇〇クラスタ」となります。その他「手芸クラスタ」「電車クラスタ」「生け花クラスタ」「アニメクラスタ」など、数えればきりがないでしょう。

ITの「クラスター」は”複数のコンピューターを連携させ統合すること”

IT業界では「クラスタ」ではなく「クラスター」という言葉を使います。「クラスター」とは複数のコンピューターを連携させ、一つのシステムに統合することを指します。

「クラスター」を活用する目的は、コンピューター上の処理や運用を効率化することです。それぞれのコンピューターディスク装置に保存されている情報やデータは物理的に共有することになりますが、メモリー上の情報やデータは共有しないのが特徴です。

「クラスタ」を使った例文

「クラスタ」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 毎月第三土曜日にアニメクラスタで食事会を行っている。
  • 何のクラスタかわからないけど、参加者は皆、赤色の服を来ている。
  • このウェブはオーガニッククラスタに最も人気のあるサイトである。

マーケティング用語「クラスター分析」とは?

「クラスター分析」の意味は”対象を分ける統計的な分析手段”

「クラスター分析」とは、商品やサービスなどを提供する企業にとって欠かせないマーケティングツールです。

「クラスター分析」とは、異なる種類のものが混ざりあっている一つの大きな集団の中から、ある程度似たもの同士を集め「クラスター(集落、集団)」を形成し、対象を分ける統計的な分析手段を意味します。

「クラスター分析」でできること

「クラスター分析」を採用することで、マーケティングで重要な「ブランドの分類」や「階層別における生活者が求める商品やサービスの分類」などを発見することができます。

「クラスター分析」における「対象」とは企業が提供する商品やサービスの他、地域やエリア、人の階層や生活様式などさまざまです。ちなみにクラスター分析を採用する場合、対象となる対象の外的基準がはっきりしないデータを用いることがほとんどです。

「クラスター分析」は感覚的な部分がある

「クラスター分析」では、アンケート調査や購買データなどの情報をもとに、生活者や商品をクラスター分けしていきます。それぞれのデータに対し数字をはじき出すのではなく、「似ているか」「似ていないか」を基準とし、やや「感覚的」に分類をしていくのが特徴です。

「クラスター分析」の2つの種類

「クラスター分析」には「階層的手法」と「非階層的手法」の2つの種類があります。「階層的手法」は「似ているか」「似ていないか」という点で「類似度」を計算し、似たもの同士をまとめクラスターを形成するものです。最もよく使われるのはデータの平方和を最小にする「ウォード法」です。

一方「非階層手法」は似たデータを持つ同士が同じクラスターに分類されるように、全体を分割していきます。最も使われる「k平均法」は、クラスターの平均を使って、決められたクラスターの数「k」個に分類するものです。

「クラスター分析」のファイリング例

複数の異なるものが混ざりあった市場と言えば、スーパーマーケットや量販店などが代表的でしょう。たとえば、スーパーマーケットでは、生活者を以下のように5つのクラスターに分けることができます。

  • オーガニック・ヘルシー購入層
  • 大きなモノ・重いモノ購入層
  • 高カロリー・炭酸飲料購入層
  • ベーカリー・お惣菜購入層
  • 乳製品・精肉・生魚購入層

これらのクラスターから、それぞれに合ったキャンペーンの実践やおすすめ商品の提案などを効果的にすすめていきます。つまり、「クラスター分析」によってターゲット層が絞られるため、販促内容や手段にも迷いが生じにくくなるのです。「クラスター分析」は他のマーケティング手法と並行して、有効的に採用される手法でもあります。

まとめ

「クラスタ」は英語の「cluster」のことで、もともと「果実や花などの房や塊」を表す言葉ですが、カタカナ語の「クラスタ」は「集団」や「ファン」という意味で使われています。

「盆栽クラスタ」なら「盆栽好きの人達、盆栽ファン」、「ハードロッククラスタ」なら「ハードロック好きの集団」と訳すことができます。

このように、日本でも多くのカタカナ語が日常的に使われるようになりました。周囲の会話に自身をもって参加できるように、「クラスタ」についても意味を深めてきましょう。