「分かる」「解る」「判る」の違いとは?意味と使い方を例文で解説

「わかる」を表す漢字には「分かる」「解る」「判る」がありますが、違いがあることを知っていますか?「使い方の違いを知りたい」「『答えがわかる』や『気持ちがわかる』にはどれを使うのか?」という方に向けて、「分かる」「解る」「判る」の使い方や例文、英語表現を解説します。

「分かる」「解る」「判る」の違いと意味とは?

「分かる」「解る」「判る」の違いは”何がはっきりするのか”

「分かる」「解る」「判る」はどれも”物事がはっきりすること”を意味する言葉ですが、「何がはっきりするのか」という点で違いがあります。

「分かる」は”物事の道筋や相手の事情”がはっきりする状況で使われます。一方で「解る」は”物事の内容や意味、価値”がはっきりする状況で、「判る」は”事実”がはっきりする状況で使用しましょう。

  • 分かる:物事の道筋や相手の事情がはっきりする(例:気持ちが分かる)
  • 解る:物事の内容や意味、価値がはっきりする(例:答えが解る)
  • 判る:事実がはっきりする(例:真実が判る)

「分かる」の意味は”事情や道筋を理解する”

「分かる」の意味は“物事の事情や道筋を理解する”ことです。また、相手の状態を理解したり、同情したりする意味も含まれます。たとえば、「今日は寒いね」という問いかけに対して「分かる」と返事をしたとしましょう。

上記の「分かる」には”相手の状態を理解する”という意味が込められています。また、「物事の事情や道筋を理解する」という意味だけでなく、「解る」「判る」も含めた幅広い「わかる」を表すのが「分かる」になります。

「解る」の意味は”内容や意味、価値を理解する”

「解る」の意味は、“物事の内容や意味、価値を理解する”ことです。「解る」の「解」という字が「理解」「読解」という使われ方をするように、自分の頭で考えた結果「物事の内容や意味、価値がわかった」という状況で使用しましょう。

たとえば、「新任教師の授業はよく解る」という例文。上記の例文だと、「授業の内容を理解する」という意味であるため「解る」が使用されています。

「判る」の意味は”事実が明らかになる”

「判る」の意味は、“事実が明らかになること”です。「嘘をつかれていたことがわかった」や「彼の家がわかった」など、「理解する」ではなく「判明する」を意味する状況で使用しましょう。

たとえば、「2人の間になにが起こったのか判った」という例文。上記の例文だと、「起きた出来事を理解した」ではなく「何が起きたのか判明した」という意味になります。

「分かる」「解る」「判る」の使い方・例文とは?

迷ったら「分かる」を使用する

「わかる」と表す漢字は「分かる」「解る」「判る」の3つがありますが、どれを使用すればいいか迷う状況では「分かる」を使用しましょう。「分かる」は「解る」「判る」の意味も兼ね備えています。また、「解る」「判る」が常用漢字ではないのに対し、「分かる」は常用漢字に当てはまります。

新聞や公用文では「分かる」のみが使用されるため、迷う状況では「分かる」を使用しましょう。

「気持ちがわかる」には”分かる”が使える

「気持ちがわかる」には”分かる”が適しています。「分かる」の意味は”物事の道筋や相手の事情がはっきりすること”だと説明しましたが、他にも「相手に同情する」という意味でも使われます。

「気持ちがわかる」は”相手の気持ちに同情したり、気持ちを理解したりすること”を表しているため「分かる」が適しているのです。

「予定がわかる」には”判る”が使える

「予定がわかる」には”判る”が適しています。「判る」の意味は”事実が明らかになること”であり、「予定がわかる」は”今までわかっていなかった予定(事実)が明らかになること”を表しています。

上記の理由から、「予定が判る」と表記されるのです。

「答えがわかる」には”解る・判る”どちらも使える

「答えがわかる」という文には”解る・判る”の両方が当てはまります。「答えが解る」の場合、「自分の頭で考えぬいた結果として答えがわかったこと」を意味しています。一方で、「『答え』が事実として判明したこと」を意味しているのが「答えが判る」です。

上記の使い分けに迷う場合は「分かる」を使って、「答えが分かる」と表記しましょう。

「分かる」「解る」「判る」を使った例文

「分かる」「解る」「判る」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 物を失くした悲しみが分かる
  • 誰だか一瞬分からなかったよ
  • やっと君の言っていることが解ったよ
  • 政治に関して前よりも解るようになった
  • 保護した犬の家が判った
  • この写真を見れば真犯人が判るだろう

「分かる」「解る」の英語表現とは?

「わかる」は英語で”Know”や”Understand”

「わかる」の表記に「分かる」「解る」「判る」があるように、英語にも「わかる」を表す単語がいくつか存在します。よく使用される単語として“Know”“Understand”があげられます。

「Know」は”物事の状況を自分の経験や知識によって理解する”を意味する単語です。対して、「Understand」は”相手の感情や状況、物事の意味や仕組みを理解する”という意味で使われます。

「経験や知識によって物事の状況を理解する」状況では”Know”を、「物事の意味や仕組み、相手の感情を理解する」状況では”Understand”を使い分けましょう。

まとめ

「わかる」は「分かる」「解る」「判る」の3つの表記がありますが、「何がわかるのか」によって使い分けられます。「分かる」は「物事の道筋や相手の事情」がはっきりする状況で、「解る」は「物事の内容や意味、価値」がはっきりする状況で使われます。

また、「判る」は「事実」がはっきりする状況で使用しましょう。「分かる」「解る」「判る」どれを使うか迷う場合は、幅広く「わかる」を表している「分かる」が適しています。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。