「カウンターパート」とは、コンサルティングやIT業界などのビジネスシーンによく使われる言葉です。とくに海外との取引などで用いられることが多く、外資系で働く人にとっては覚えておくべき用語でもあります。今回はこの「カウンターパート」の意味や使い方の例文などを解説していきます。似た表現の言葉や関連語、また類語や英語表現もあわせて紹介します。
「カウンターパート」とは?
「カウンターパート」の意味は”片われ・対等の相手”
「カウンターパート」の意味は、“2つあるものの片方・対等の立場にいる相手”のことです。一般的には“対等の相手”の意味で用いられることが多く、主にビジネスシーンで使われます。
ビジネスシーンでの意味は「協力してくれる相手」
「カウンターパート」は、“協力してくれる相手”という意味でよくビジネスシーンで用いられます。その場合、以下のように“何に対して協力してくれる相手なのか”より明確になった意味で使われます。
ビジネスシーンで使う「カウンターパート」は、主に海外取引や国際的な活動の中でやりとりする相手や機関を指します。その分野はコンサルティングからIT、投資や医療関係と多岐にわたり、事業やプロジェクトの明暗を分ける重要人物・機関であるとされています。
「カウンターパート」と「パートナー」の違い
「カウンターパート」とよく似た言葉に「パートナー」があります。「パートナー」は“仕事などを共同でする相手”と、「カウンターパート」とほぼ同じ意味を表します。しかし、「パートナー」には“対等な相手”といったニュアンスは含まれていないため、以下のように使う相手に違いがあります。
→対等な相手・同格の相手を意味するため、立場が上の人や機関には使えない
→対等であるといった意味は含まれていないため、立場が上の相手にも使える
「カウンターパートナー」という言葉を見かけることがありますが、この言葉は「カウンターパート」と「パートナー」を混同した言葉なので誤用です。注意しましょう。
「カウンターパート」の使い方と例文とは?
「カウンターパート」は同格の相手に使う
「カウンターパート」は“対等な相手”という意味から、お互いの立場や果たす役割が同じ相手、または機関に対して使います。格上の相手や機関に使うと失礼にあたるため、その場合は先ほど説明した「パートナー」を使いましょう。
「カウンターパート」を使った例文
「カウンターパート」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- 「〇〇社のAさんは僕たちのカウンターパートです」
- 「この事業がうまくいっているのはカウンターパートのおかげだ」
- 「新プロジェクトの成功には、有能なカウンターパートが必要である」
- 「カウンターパートの的確なアドバイスにより、新商品が売れ始めた」
- 「海外進出のため、現在カウンターパートを探しているところだ」
「カウンターパート」の類義語とは?
類義語①「対等者」は“互いに差がないこと”を表す
「対等者(たいとうしゃ)」は、“上下関係や優劣がない関係の相手”という意味を持つ言葉です。「カウンターパート」の“同等”という意味ととても似ていますが、「対等者」の方がより幅広い場面で使われています。
類義語②「同格の相手」は“同等の階級を持つ相手”を指す
「同格(どうかく)の相手」とは、地位や格式、資格などが同じである相手を指す言葉です。「カウンターパート」のように力関係が同じである相手を指しますが、「同格の相手」にはビジネスパートナーのようなニュアンスは含まれていません。
「カウンターパート」の関連語とは?
「カウンターパート方式」とは災害支援システム
「カウンターパート方式」とは、災害により被災した自治体に対し、警察や医療、また避難者の受け入れなどの活動を行う自治体を割り当て、継続的に支援していく方式のことを言います。災害時において「カウンターパート」とは、被災している自治体と、それを支援する自治体の関係性を指します。
「カウンターパートリスク」とは経営悪化などで生じる危険
「カウンターパートリスク」とは、カウンターパートである取引先の経営悪化や破綻によって生じる危険を指します。「カウンターパート」は互いに協力して合っている関係性があるため、“どちらかに問題が生じることで片方も影響を受ける”ということを表しています。
「カウンターパート」の英語表現とは?
「カウンターパート」の英語表現は”counterpart”
カタカナ語の「カウンターパート」の英語表現は“counterpart”です。基本的に、意味も使い方も日本語のときと変わりません。「counterpart」は可算名詞なので、冠詞や所有格を忘れないように注意しましょう。
【名】同等の人または物、片割れ、(映画などの)相手役、謄本
英語「カウンターパート」を使った例文
英語「カウンターパート」を使った例文をご紹介しましょう。
- 「ABC company became our counterpart from today.」
→今日からABC社は我が社のカウンターパートになった - 「He is my counterpart in this business.」
→彼はこの取引のカウンターパートです - 「We have to find a counterpart for overseas expansion as soon as possible.」
→私たちは早急に海外進出のためのカウンターパートを探さなければならない
まとめ
「カウンターパート」とは、ビジネスシーンでよく使われる「対等な相手」を意味する言葉です。主に海外企業や機関とのやりとりで用いられることが多く、その分野はコンサルティングからIT、投資や医療関係と多岐にわたります。
「カウンターパート」は対等な立場であることから、格上の相手に使うと失礼な印象を与えてしまいます。そのため立場が上の相手に対しては、類語である「パートナー」という言葉を使うようにしましょう。