「アフォリズム」の意味とは?使い方の例文や類語・英語表現も解説

「アフォリズム」とは、教訓や真理をついていることなどに対して使われるカタカナ語です。「アフォリズム」は歴史に残るような偉人や有名人が残した言葉であることが多く、今もなお何かしらの形で後世に伝えられています。

今回はこの「アフォリズム」の意味や使い方の例文を解説していきます。類語や英語表現もあわせて紹介します。

「アフォリズム」の意味や語源とは?

「アフォリズム」の意味は”金言・警句・箴言”

「アフォリズム」の意味は、“金言・警句・箴言”です。人生や日々の生活において尊重し模範すべきことや、真理を鋭くついたことを短くまとめた言葉を言います。基本的に歴史に残るような有名な人物や偉人などの言葉が対象で、本などによって後世に伝承されています。

  • 金言(きんげん)
    →人生や生活において模範すべき内容の言葉、仏の口からでた尊い教え
  • 警句(けいく)
    →奇抜な表現で巧みに鋭く真理をついた短い言葉
  • 箴言(しんげん
    →戒めや教訓となる短い言葉や句、旧約聖書の中の一書

「アフォリズム」の語源はギリシャ語

「アフォリズム」の語源は、もともと“定義”という意味で使われていたギリシャ語の「aphorismos」です。大昔、古代ギリシャの医学者であったヒポクラテスは、病気の治療法や診断を簡潔に述べたものを「aphorismos(アフォリズム)」と呼び始めました。ヒポクラテスの有名なアフォリズムが以下の文章です。

「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」

もともとこれだけの長さがあった文章は、最初の部分だけ普遍的な警句に変化し、「芸術は長く、人生は短し」という言葉として残りました。「アフォリズム」はもともと“医療に関して簡潔に述べた言葉”という意味で使われていましたが、こういった経緯を経て現在のような意味として使われるようになったと言われています。

「アフォリズム」の使い方と例文とは?

「アフォリズム」は偉人や有名人の短い言葉に使う

「アフォリズム」は一般の人ではなく、偉人や有名人といった歴史的に残るような特別な人の言葉に対して使います。また「アフォリズム」は短くまとめた言葉という定義があるため、何フレーズにもわたる文章には使いません。

「アフォリズム」を使った例文

「アフォリズム」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「私もアフォリズムを残せるような偉人になりたい」
  • 「ロバートハリスのアフォリズム集をついに購入した」
  • 「あの教授の授業には、必ずアフォリズムが紹介される」
  • 「あなたはアフォリズムめいたことを言うのが好きだね」
  • 「僕はシェイクスピアのアフォリズムについて研究している」

「アフォリズム」の類語とは?

類語①「格言」とは“戒めや教訓”

「格言(かくげん)」とは、人生の真理や表面からはわかりにくい心の動き・物事の様子を、万人への戒めや教訓となるよう短くまとめた言葉を言います。「アフォリズム」とほぼ同じ意味ですが、その言葉を残す人物は認知度の高い偉人や有名人とは限りません。

類語②「名言」とは“本質を捉えた言葉”

「名言(めいげん)」とは、物事の内容やその様子の本質をうまく捉えた言葉を言います。「アフォリズム」の“真理を鋭くついた言葉”とよく似ています。「名言」も「格言」のように、その言葉を残す人は偉人や有名人と限定されていません。

類語③「ことわざ」とは“古くからの言い伝え”

「ことわざ」は、昔から人々の間で言い伝えられてきた教訓や風刺を含んだ短い言葉を言います。「アフォリズム」には“教訓”といった意味合いもあるため、類語としてあげられます。「ことわざ」は「アフォリズム」と違い、1人の人物が述べたことではなく、複数の人が関わっているニュアンスがあります。

【名言】歴史的に有名な「アフォリズム」

哲学者「ニーチェ」のアフォリズム

ドイツの哲学者であった「フリードリヒ・ニーチェ」は、いくつかのアフォリズムを残しています。以下は代表的なアフォリズムです。

「多くのことを中途半端に知るよりは何も知らないほうがいい。他人の見解に便乗して賢者になるくらいなら、むしろ自力だけに頼る愚者であるほうがましだ」

※ニーチェの著作「ツァラトゥストラはこう語った」の一節

この一節の解釈は、「自分自身で考え得た知見はより自分の力となる」や「他の人の意見を聞き、知ったような気でいるのは身の程知らずである」とさまざまです。

小説家「芥川龍之介」のアフォリズム

日本を代表する小説家「芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)」もアフォリズムを残しています。

「どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え」

※芥川龍之介の著作「仙人」の一節

この一節は、「人生には苦しいことも辛いこと必ず起こる。それでも人は生きていかなければいけないことを受け入れる」といった解釈があります。

「アフォリズム」の英語表記とは?

「アフォリズム」は英語で”aphorism”

「アフォリズム」は英語で“aphorism”と表現します。意味はカタカナ表記とほぼ同じです。

「aphorism」の意味

【名】金言、警句、格言

英語「aphorism」を使った例文

英語「aphorism」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 「There are many aphorisms in this book.」
    →この本には多くのアフォリズムがありますよ
  • 「This is an aphorism what I was looking for!」
    →これこそが私が探していたアフィリズムだ!
  • 「I’m studying his aphorism.」
    →私は彼のアフィリズムを研究している

まとめ

「アフォリズム」とは、歴史的な偉人や世界的に有名な人物が述べた金言や警句を意味します。人生などにおいて模範すべきことや真理を鋭くついた内容を、ユーモアをまじえて述べている表現がとても特徴的です。

「アフォリズム」は簡潔にまとめた言葉であるため、長い文章には使いません。使用頻度が高い言葉ではありませんが、知識の幅を広げるためにも覚えておくといいでしょう。