「小切手」とは?書き方・換金方法や「手形」との違いも解説

「小切手」とは現金の代わりに使用できる有価証券ですが、どのように使い、どうやって換金するのでしょうか。今回は「小切手」の意味と種類、書き方と書き方のポイントに換金方法について解説します。また小切手と似ている「手形」との違いに加えて、日常生活でもよく使われるアメリカでの小切手の使い方も紹介します。

「小切手」とは?

「小切手」とは”銀行口座から支払いを委託する有価証券”のこと

「小切手」とは、“銀行口座から支払いを委託する有価証券”のことです。つまり、銀行により当座預金口座の所有者に発行される用紙で、その用紙にある金額を書き銀行に提示すると、額面通りの金額が預金口座から引き出されるための有価証券です。

他口座へ入金や換金もでき、現金に代わる支払い手段として使われています。特に現金の持ち運びによる盗難などの危険がある多額の支払いに重宝されています。また小切手を使うことで銀行から信用されていることの証明にもなります。

小切手は当座預金口座を持つ銀行で交付される

小切手の発行は当座預金の口座を持っている銀行です。申請をすると有料で、小切手を一枚から、または小切手帳という複数枚が連なった形式で交付されます。

「振出人」は小切手の発行側、「振出日」は小切手発行の日

小切手を発行する側を「振出人」と言います。振出人は小切手に必要事項を記入して相手に渡すことを「小切手を振り出す」と言い表し、小切手を振り出す日を「振出日」と呼びます。

また小切手を受け取り銀行に持参して、換金するか自分の預金口座に預金するため、この人のことを「持参人」と呼びます。

小切手の種類

「持参人払小切手(じさんにんばらいこぎって)」

小切手を持ってきた人ならだれでも換金できる小切手です。

「線引小切手(せんびきこぎって)」

受取人の銀行口座に入金されるタイプの小切手です。受取人が特定できます。

「先日付小切手(さきひづけこぎって)」

振出日に将来の日付が記載された小切手です。小切手を振り出すときに十分な資金がなく、将来の日付までには資金の手当てが見込まれる場合などに振り出されます。

「小切手」の書き方とは?

小切手には金額・振出日・振出人を記入

小切手には取引金額として、手書きなら「金」と書き、続けて漢数字で金額を記入し、最後に「円也」と書きます。小切手等の用紙に印字するための「チェックライター」を用いる場合には、「¥」+「算用数字による金額」+「※」または「☆」を記入します。

振出日は小切手を発行する日が一般的ですが、先日付小切手のように将来の日付を記入することもあります。

振出人は個人の場合は自著と捺印、企業の場合は企業名と代表者の資格と名前を記載し捺印します。

「銀行渡り」と書くと受取人を特定できる

小切手の表書きの右肩などに「銀行渡り」と書き入れることで、銀行が受け取る相手を特定して事務手続きを進めるため不正防止になります。

支払い手続きを行う銀行を特に指定しない「一般線引小切手」では、「銀行渡り」または「Bank」と書きその上下を二本の横線を引きます。銀行を特定する「特定線引小切手」では銀行名とその上下を二本の横線を引きます。どちらも必ず横線を引くことから「横線小切手(おうせんこぎって)」とも呼ばれます。

裏書きで譲渡相手を確認する

小切手の表に譲渡相手を記載できない場合には、裏書きにより譲渡相手を指定することができます。

小切手の裏に、裏書した日の日付と譲渡相手の住所と氏名を書きます。裏書に証明された人は不渡りが出た場合には責任を負うことがあるので、小切手での取引は慎重に行います。

小切手に印紙はいらない

小切手は現金としての扱いになるため、印紙税がかかりません。そのため収入印紙を貼る必要はありません。

「小切手」の換金方法とは?

持参人が銀行で支払いを受ける

小切手を受け取った人は、小切手を銀行に持参すると、換金か自分の預金口座に預け入れることができます。その際の口座の種類は問いませんが、特定線引小切手では銀行が指定されている場合には特定の銀行の実で手続きが行えます。

小切手以外に印鑑と、取扱金額が10万円を超える場合には本人確認書類も必要です。

換金期間は振出日から10日間

小切手の換金期間は振出日を0日としてその翌日から10日間です。この期間を「呈示期間」と言います。

小切手の有効期限は振出日から6ヶ月間あるのですが、10日を過ぎると振出人が小切手を決済しないように銀行に要求でき、支払い委託の取り消しをされると小切手は換金できなくなります。そのため小切手の換金は早めに行いましょう。

同銀行でも支店が違うと換金に手数料がかかる

小切手に記載されている振出人の銀行の同支店なら無料で換金できるのですが、それ以外の支店、または他銀行の場合は取立手数料がかかります。

「小切手」と「手形」の違いとは?

「小切手」と「手形」の違いは支払う期日の違い

「小切手」と「手形」は、銀行から交付される専用の用紙に取引金額などの必要事項を記入して相手に手渡すことで支払いができるという点で同じですが、支払われる期日が異なります。

「小切手」は小切手が振り出されたその日から支払いができますが、「手形」は手形に記載された期日後に支払いを約束するものなので、手形を受け取ってすぐに換金はできません。

アメリカでの小切手とは?

小切手は主流の支払い方法で、ATMでも換金可能

アメリカでは、小切手による支払いは現金やクレジットカードによる支払いと同様に、主流の支払い方法のひとつです。小切手は銀行で口座を開設すると交付されます。家賃や光熱費などの生活費の支払いなどに活用されています。

またアメリカでは、小切手は銀行の窓口だけでなくATMでも読み取ることができるので、特定の口座に振り込みや換金に便利です。小切手はお釣りなどが必要なく額面通りに支払いが行えて、すべての取引は履歴に残るのでオンラインバンキングでも参照できます。

小切手は英語で「check

小切手はアメリカ英語では「check」、イギリス英語では「cheque」です。

例文
  • “I pay the rent by check.
    「小切手で家賃を払う」
  • “He issued the check to pay the insurance fee.”
    「保険料を支払うために、彼は小切手を切った」

まとめ

「小切手」とは現金の代わりとして使用できる有価証券で、振出人が金額などの必要事項を記入した小切手を相手に渡して支払います。多額の現金を持ち運ばないため安全に取引を行えます。受け取った人は、小切手を銀行で換金または自分の銀行口座に預入できます。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。