// 「シナジー」の意味と使い方とは?例文や類語・対義語・英語も | TRANS.Biz

「シナジー」の意味と使い方とは?例文や類語・対義語・英語も

ビジネスにおける相乗効果を「シナジー効果」や「シナジーを生む」などと表現します。「シナジー」は英語が語源の言葉ですが、そもそもどのような意味を持つのでしょうか?

この記事では、「シナジー」の意味を語源の英語の意味とともに解説します。あわせて「シナジー」を使うさまざまな例文や、類語・対義語も紹介しています。

「シナジー」とは?

「シナジー」の意味は”相乗効果”

「シナジー」の意味は、“相乗効果”です。「相乗(そうじょう)」とは、二つ以上の要因が同時に、あるいは累積して働き、総和以上の大きな力が生じることをいいます。

複数の会社が協力することによって生まれる相乗効果や、各部門が相互に連携してプラスアルファの利益を生み出す意味のビジネス用語として「シナジー」の語はおもに使われます。

生物学用語から転じて一般用語となった

シナジーとは元来は、全体の効果に寄与するために行われる共同作用を指す生物学用語でしたが、転じて「1+1」を「3」にするような作用、つまり総和にプラスアルファをもたらす意味の経営学用語として20世紀後半から使われるようになりました。

現在は、相乗効果や共同効果という意味で、一般的な用語としても使われています。「シナジーを生み出す」「シナジーを期待する」「シナジーが得られる」など、ポジティブな意味合いで使われます。

例えば、「発がん物質の相乗作用で危険に陥る」といった累積によるマイナスの作用について、「発がん物質のシナジーで危険に陥る」などとは用いません。

企業の統合や買収の目的となるのが「シナジー」

ビジネスにおいては、特に企業合併・買収(M&A)の際の目的としてシナジーが挙げられます。企業は相互に補完的な関係や相乗効果が得られることを考慮して企業合併や買収などを行います。

M&A(エムアンドエー)とは、「Mergers(合併)と Acquisitions(買収)」という意味で、企業の合併や買収の総称として使われる言葉です。

また、企業内においても販売チャネルや技術、人材などのシナジーを最大限に得られるよう、経営管理を行います。

「シナジー」の語源は英語の”synergy”

「シナジー」の語源は英語の“synergy”で、「相乗作用」という意味です。「相乗効果」という意味では、「synergy effect」の表現が用いられます。「effect」とは効果という意味です。

英語の「synergy」とカタカナ語の「シナジー」はどちらも同じ意味で使われています。ビジネスにおいて、複数の要素が組み合わさる事により、それぞれの総和以上に結果を得ることができる理論を指すときは、「synergy effect」が使われます。

ビジネスにおける「シナジー」の使い方と例文とは?

ビジネスにおいてシナジーの語が使われるのは先に説明したように、M&Aの場面が特に多いです。「M&Aによるシナジー効果」と同じ意味で「M&A効果」と表現されることもあります。

ビジネスにおけるシナジーの語の使い方を例文で紹介します。

「シナジーを生む」「シナジー効果」を使った例文

「シナジーを生む」や「シナジー効果」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 一見かけ離れた業界の接点にシナジーが生まれる
  • 「シナジーも生まれないし信頼関係もない」として、提携の提案を断った
  • A社は、シナジー効果も見込んでB社を買収することを決定した
  • 今回のM&Aの目的の一つはシナジー効果である
  • 両者は提携後から、シナジー効果の発現をすべく、数々の取り組みを行っている。

「シナジー創出」「シナジーを積み上げる」を使った例文

「シナジー創出」や「シナジーを積み上げる」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 事業シナジーを創出し、企業の成長を実現するのがM&Aである。
  • 社内部門の連携により、シナジー創出に成功した
  • 企業価値を最大化するために、さまざまなシナジーを積み上げる戦略だ

「シナジーを追求する」「シナジーの効いた」を使った例文

「シナジーを追求する」や「シナジーの効いた」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 新たな客を取り込むという面でシナジーを追求し、企業価値向上をめざしたい
  • グローバルシナジーを追求して投資領域を広げる新しい試みを掲げた
  • 弱点を補い、強いところは伸ばし合える、シナジーの効いた提携になることを期待している

「シナジー」の類語・対義語とは?

日本語の類語に「相乗効果」「相乗作用」「共同作用」

「シナジー」と同じ意味で使われる言葉には、訳語にもあてられる「相乗効果」や「共同作用」の他にも「相乗作用」「協力作用」などがあります。

ビジネスの場面においては、経営学用語としても知られる「シナジー」が浸透しているため、日本語表現よりもシナジーが優先して使われますが、一般的な話題においては、シナジーの意味が広く浸透していないことから、日本語の相乗作用などの語が使われる傾向があるといえます。

対義語は「負のシナジー」「アナジー」

シナジーやシナジー効果は良い意味で使われますが、悪い意味での相乗作用が出てしまう場合には「負のシナジー」や「アナジー」が使われます。

「アナジー」とは英語「anergy」を語源とするカタカナ語で、ビジネスにおける事業間や企業間の相乗のマイナス効果のことを指します。

まとめ

「シナジー」とは、英語「synergy」を語源とする外来語で、「相乗効果」という意味で主にビジネスにおいて使われています。企業内の関係や企業統合の効果が総和以上となることを「シナジー効果」と表現します。

良い意味での効果にシナジーは使われ、マイナスの効果が出てしまった場合は「負のシナジー(効果)」と表現されます。