「天下り」の意味とは?「天下り」の問題点と禁止の理由を解説

「天下り」の意味を知っていますか?「『天下り』の問題点とは?」「禁止されている理由を知りたい」という方に向けて、「『天下り』はなぜ悪いのか?」違法とされている理由や退職金との関係を、事例とあわせて解説していきましょう。くわえて、「天下り」の英語表現も紹介します。



「天下り」の意味と仕組みとは?

「天下り」の意味は「官僚が企業へ再就職すること」

「天下り」とは「高級官僚」とよばれる地位にいた人達が、「退官後に民間企業の役員として再就職すること」を意味します。「高級官僚」とは一般的に、官僚の中でも局長以上の役職をさしますが、明確な定義はありません。

本来「天下り」は神道で使われていた言葉で、「天界から地上へと神が舞いおりること」を意味します。「身分の高い力のあるものが、おりてくる」という意味が転じ、「官僚が企業へ再就職する」という意味で使われるようになりました。

「天下り」の仕組みは「職員による再就職の斡旋」

退官した官僚が、民間企業へ再就職することを意味する「天下り」。現職職員や官僚OBによる、再就職の斡旋(あっせん)の結果が「天下り」です。「OBの再就職」は離職して2年がたてば認められており、2年以内であっても決められた届けを提出すれば可能です。

しかし、OBが自発的に就職活動をおこなうのではなく、OBと企業のあいだに現役の職員が絡み「再就職者の履歴書の送付」や「企業側からの再就職の誘いに応える」などをすることで、天下りとなってしまいます。

「天下り」の実例

「天下り」は1990年頃からメディアを中心に大きくとりあげられ、各省庁で「天下り」の規制がなされました。しかし、規制後の2017年、文部科学省による大規模な天下りが発覚します。2017年の文部科学省の天下り事件を例に、説明していきましょう。

2017年3月30日、文部科学省による再就職の斡旋があったとして37人の職員が処分されました。2010年から2016年にわたり62件もの違法な斡旋があり、半数が現役職員によるものでした。

また、文部科学省は違法性があると知っていたため、斡旋がばれないような仕組みを構築しており、再就職先への口裏合わせも依頼していたのです。結果として、官僚の最高位とされている事務次官5人(歴代事務次官も含む)が停職処分となりました。

「天下り」はなぜ悪いのか?問題点と禁止な理由

「天下り」の問題点は「官民の癒着」

「天下り」が「悪」とされている理由はいくつかありますが、その1つが「官民の癒着(ゆちゃく)」です。「官民」とは「官庁と民間企業」を意味し、官庁と民間企業が双方の利益のために結びついてしまうことが問題とされています。

国や地方自治体が、事業を発注する状況で例えてみましょう。官民が癒着していると、公務員側が取引に関与し、特定の業者へ高額で発注を依頼することもできます。本来は公平に業者同士で競争がおこなわれるはずが、官僚と特定の企業による「デキレース」になってしまうのです。

「税金の無駄遣い」に繋がることも理由の1つ

「天下り」が問題視されている理由に「税金の無駄遣い」もあげられます。「官民の癒着」で解説したように、官庁職員が取引に関与し競争がおこなわれると、特定の企業へ高額で発注が依頼されることがあります。

本来は使わなくていいお金を余分に払うことになり、そのお金は国民の税金でまかなわれます。

違法な「天下り」をする理由とは?

省庁の組織構造に問題がある

条件をみたせば再就職が許されているにもかかわらず、なぜ違法な天下りが行われているのでしょうか?理由の1つに一般企業ではみられない、省庁の特別な組織構造があげられます。

官僚組織において出世できなかった人に居場所はなく、辞めることで若い官僚に役目がまわってくる構造となっています。最終的に事務次官の座をとれるのは、同期の中でも1人だけであり、出世争いに負けた人は40代半ばで退官しなければならないのです。

年金の受給はまだ先ですし、働かなければ生活できません。結果として、「天下り」がおこなわれるのです。

「天下り」をおこなう理由には「退職金」も関係している

「天下り」がおこなわれる理由には「退職金」も関係しています。退官した官僚が再就職し、再就職先を退職すると退職金が払われます。「退職」と「再就職」をくり返すことで、多くの退職金を手にいれることができるのです。

「退職」と「再就職」をくりかえす行為を「わたり」と言い、「天下り」とともに問題視されています。

「天下り」の英語表現

「天下り」は英語で「Revolving door」

「天下り」は英語で「Revolving door」と表します。直訳すると「回転ドア」という意味になりますが、「回転ドアで人が行き来する様子」が転じて「天下り」という意味でも使われます。

たとえば、「Policy to regulate revolving door」では、「天下りを規制する政策」という意味になります。

まとめ

「天下り」とは「官僚が民間企業へ再就職すること」を意味します。「官民の癒着」や「税金の無駄遣い」などの問題点がある「天下り」は、国家公務員法にて規制がかけられています。ただ、官庁の特別な組織構造などの理由から、度々「天下り事件」が問題となっているのです。

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大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。