「褒める」と「誉める」の違いとは?意味と同義語「賞める」を解説

「褒める」と「誉める」の違いを知っていますか?「『褒める』『誉める』の違いを知りたい」「例文を知りたい」という方に向けて、「褒める」「誉める」の違いや使い方、同義語の「賞める」「讃める」を解説します。くわえて、例文や英語表現も一緒に解説していきましょう。

「褒める」「誉める」の違いと意味とは?

「褒める」「誉める」の違いは”個人的な評価か否か”

「褒める」「誉める」は相手を評価する状況でつかわれる言葉ですが、“個人的な評価か、周囲からの評価か”という点で違いがあります。「褒める」は”個人が評価する”ことを表すのに対し、「誉める」は”周囲が評価する”ことを表します。

  • 褒める:個人からの評価(例:友人に褒められた)
  • 誉める:周囲からの評価(例:たくさんの人に賞の受賞を誉められた)

「褒める」「誉める」の意味は同じ

「褒める」と「誉める」の意味に違いはなく、どちらも“人の行動を良いと評価すること”を表します。たとえば「今日はほめられた」という例文。「今日、行動を良いと評価された」ことを意味しており、「今日は褒められた」「今日は誉められた」どちらでも間違いではありません。

ただ、「今日は褒められた」だと、友人や親から「えらい」「素敵」などの「個人的な評価をうけた」という意味になります。一方で「今日は誉められた」だと、「名誉ある賞の受賞」や「周囲からの高い評価」など、周りの人たちから称えられたことを表します。

「褒める」「誉める」の使い方の違いや例文とは?

「褒める」は公用文で使えるが、「誉める」は使えない

「ほめる」を表す漢字は「褒める」「誉める」がありますが、公用文や新聞で使われるのは「褒める」のみです。公用文や新聞では、常用漢字を使用することを目安に定められています。「褒める」は常用漢字に当てはまりますが、「誉める」は常用外漢字であるため使用されません。

日常会話や私的な文章では「誉める」を使用できますが、公的な文章では「間違いだ」と指摘される可能性があるため、注意しましょう。

目上の相手へは「誉める」が適している

目上の相手に対して「ほめる」を使う場合、「誉める」を使用しましょう。「褒める」は「褒美」という熟語があるように、行いに対する報いとして評価している様子を表しています。対して「誉める」は、「名誉」「栄誉」などの熟語あるように、「周囲からの高い評価」を表します。

目上の人に向かって「行いの報いとして評価しよう」というのは失礼であるため、「誉める」が適しているのです。ただ、「目上の人を評価すること自体失礼」という捉え方もあるため、相手や状況をみて判断しましょう。

「褒める」「誉める」を使った例文

「褒める」や「誉める」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 厳しい父に褒められて、嬉しい気持ちでいっぱいだ
  • いつも遅刻するわたしが、時間ピッタリに着いたからと褒められた
  • 息子が誉められるところは、何度見ても嬉しい
  • 友人が多くの人に誉められて、わたしまで感動した

「褒める」「誉める」の同義語と対義語とは?

「褒める」「誉める」の同義語”賞める・讃める”

「褒める」「誉める」の同義語に当てはまるのが「賞(ほ)める」「讃(ほ)める」です。「賞める」「讃める」はどちらも「いい評価をすること」を意味していますが、使えるシーンに違いがあります。「賞める」は「ほめて褒美を与える状況」で使用され、「讃める」は「大勢が声をあわせて褒めたたえる状況」で使用されます。

例文
  • 賞める:褒美を与える状況(例:親戚に賞められた)
  • 讃める:大勢が声をあわせて褒めたたえる状況(例:こんなに讃められたのは初めてだ)

「褒める」「誉める」の対義語”貶す”

「褒める」「誉める」の対義語に当てはまるのが「貶す」です。読み方は「貶(けな)す」で、「悪く言うこと」を意味します。「褒める」「誉める」の「良い評価をする」という点と、「貶す」の「悪く言う」という点が反対なことから、対義語に当てはまります。

例文
  • Aさんは人のことを貶してばかりだ。
  • たまには良いところを褒めたらいいのに友人に貶されて落ち込んだ。

「褒める」「誉める」の英語表現とは?

「褒める」「誉める」は英語で”Praise”

「褒める」「誉める」の英語表現に当てはまるのが”Praise”です。「Praise」とは”ほめる・たたえる”を意味する単語で、「My parents always praised me(わたしの両親はいつもほめてくれた)」などの使い方をします。

日本語の「褒める」「誉める」のような使い分けはなく、「褒める」「誉める」両方に「Praise」が使えます。ビジネスシーンなどのかしこまった状況では、かたい表現の「Compliment(賛辞)」が適しているため、使い分けましょう。

まとめ

「褒める」「誉める」はどちらも「人の行動を良いと評価すること」を意味します。同じ意味をもつ「褒める」「誉める」ですが、「褒める」は「個人的に評価する状況」で使われ、「誉める」は「周囲が評価する状況」で使われます。

ただ、公用文や新聞に使用する場合は、常用漢字である「褒める」を使用しましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。