「ジュゴン」と「マナティ」の違いとは?大きさや生息地を解説

「ジュゴン」と「マナティ」の違いを知っていますか?「象が進化して『ジュゴン』『マナティ』になったって本当?」「人魚のモデルはどっち?」という方に向けて、「ジュゴン」「マナティ」の生息地や大きさの違い、祖先を紹介します。加えて、「ジュゴン」「マナティ」が見られる水族館も紹介していきましょう。

「ジュゴン」と「マナティ」の違いとは?

「ジュゴン」と「マナティ」の違い①”生息地”

「ジュゴン」と「マナティ」の違いは、“生息地”です。「ジュゴン」は“海水域”に生息するのに対し、「マナティ」は“海水と淡水がまざった「汽水(きすい)域」”に生息します。

「ジュゴン」「マナティ」ともに温暖な気候を好み、日本国内では沖縄でのみ「ジュゴン」が確認されました。また、生息地が違うため、「ジュゴン」と「マナティ」が食べるものも異なります。「ジュゴン」は海草を、「マナティ」は水草をエサとします。

  • ジュゴン:海水に生息・エサは海草
  • マナティ:汽水に生息・エサは水草

「ジュゴン」と「マナティ」の違い②”大きさ”

「ジュゴン」と「マナティ」は、“大きさ”も違います。どちらも丸い体型ですが、体長・体重ともに「マナティ」の方が大きいのです。「ジュゴン」は体長2.4m~3.0m、体重250kg~400kgなのに対し、「マナティ」は体長3.0m~4.5m、体重300kg~1,000kgにもなります。

  • ジュゴン:体長2.4m~3.0m、体重250kg~400kg
  • マナティ:体長3.0m~4.5m、体重300kg~1,000kg

「ジュゴン」と「マナティ」の違い③”ヒレの形”

「ジュゴン」と「マナティ」は、“ヒレの形”も違います。

「ジュゴン」の尾ヒレは、イルカのように“三角の形”をしています。対して、「マナティ」は“楕円形(だえんけい)”のようになっており、丸みを帯びているという違いがあるのです。

「ジュゴン」「マナティ」の共通点とは?

「ジュゴン」と「マナティ」の共通点①”カイギュウ目”

「ジュゴン」と「マナティ」はどちらも“カイギュウ目(海牛目)”に分類されます。「カイギュウ目」は別名「ジュゴン目」とも言われており、「カイギュウ目」から更に「ジュゴン科」「マナティ科」と分けられます。

「マナティ」は「アフリカマナティ」「アメリカマナティ」そして「アマゾンマナティ」の3種類が存在するのに対し、「ジュゴン」は1種類しか存在しません。

「ジュゴン」と「マナティ」の共通点②”象の祖先”が進化したもの

「ジュゴン」と「マナティ」は、どちらも“象の祖先”が進化したものだと言われています。象の祖先は「メリテリウム」という絶滅した哺乳類で、カバのような見た目をしています。

メリテリウムが進化の過程で海へ入ったものが、「ジュゴン」や「マナティ」などのカイギュウ類へ、かわらず陸で生活していたものが象へと進化したと言われているのです。

「ジュゴン」と「マナティ」の共通点③人魚伝説のモデル

「ジュゴン」や「マナティ」はどちらも、“人魚伝説のモデル”となった生き物です。国や地域によってどちらがモデルなのかは異なり、日本を含めた東洋ではジュゴンがモデルとされています。

また、西ヨーロッパ諸国などを含む西洋では、「マナティ」が人魚のモデルになったと言われています。

「ジュゴン」「マナティ」と似た「スナメリ」とは?

「スナメリ」とはイルカの1種

「ジュゴン」「マナティ」と似た「スナメリ」という生き物。「スナメリ」はイルカの1種で、分類上ではクジラの仲間に属しています。「スナメリ」は英語で「Finless porpoise(ヒレのないネズミイルカ)」と呼ばれているように、背びれがなく、小柄なことが特徴です。

「ジュゴン」「マナティ」とは大きさや生息地が違う

「ジュゴン」「マナティ」の違いは、大きさや生息地など様々です。まずは大きさですが、スナメリの平均的な体長は1.5mほど、体重は45kgで「ジュゴン」「マナティ」よりも小柄です。

次に生息地ですが「ジュゴン」と同じ海水域で生息し、日本や東シナ海、インド洋の沿岸部で見られます。

日本で「ジュゴン」「マナティ」がいる水族館とは?

「ジュゴン」は鳥羽水族館でのみ飼育

世界で「ジュゴン」を飼育している水族館は3ヵ所しかなく、そのうちの1つが三重県鳥羽市にある「鳥羽水族館」です。日本国内で唯一「ジュゴン」が見られる水族館で、1987年にフィリピン政府から、友好の証として「ジュゴン」がプレゼントされました。

「マナティ」は国内5ヵ所で飼育

「マナティ」は国内5ヵ所で飼育されています。国内で唯一ジュゴンを飼育している「鳥羽水族館」でもマナティを飼育しており、他にも沖縄県の「美ら海水族館」や静岡県の「熱川バナナワニ園」でマナティを見ることができます。

まとめ

「ジュゴン」と「マナティ」はどちらも「カイギュウ目」に分類される哺乳類で、象の祖先が進化したものだと言われています。大きさや生息地に違いがあり、日本国内では沖縄で野生の「ジュゴン」が確認されています。

「ジュゴン」は世界で3カ所の水族館でのみ飼育されており、うち1つが三重県にある「鳥羽水族館」です。「マナティ」は国内5ヵ所で飼育されているため、気になる方は足を運んでみてください。

(※この記事の情報は2019年11月時点での情報です。)

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。