「ゲシュタルト崩壊」の意味は?症状が出やすい漢字の例も紹介

「ゲシュタルト崩壊」は心理学用語の一つです。メディアや学問の分野をはじめ、一般的にもよく見聞きする言葉ですが、何がどのように崩壊するのか、理解をあいまいにしてしまっていませんか?

ここでは「ゲシュタルト崩壊」について、英語と意味、ゲシュタルト崩壊を起こしやすい漢字例などを紹介させていただきます。



「ゲシュタルト崩壊」の意味とは?

「ゲシュタルト崩壊」とは「全体性が失われる知覚現象の一つ」

「ゲシュタルト崩壊」とは「全体性が失われ、各部分に分かれた状態で脳が認識してしまう現象」を意味する言葉で、心理学用語の一つです。

「ゲシュタルト崩壊」は人間の知覚に関する現象であり、全体の形態が認識できなくなってしまうのが特徴です。全体を構成する各部分に切り離された状態で認識されてしまうため、ひとかたまりの文字や形として認識することが困難になることを意味します。

「ゲシュタルト崩壊」は英語ではなくドイツ語

「ゲシュタルト崩壊」は英語ではなく、ドイツ語の「Gestaltzerfall」のことです。「Gestaltzerfall」はドイツ語の形容詞で「形態」を表す「Gestalt」、そして「崩れる」「バラバラになる」という意味の「fall」を組み合わせた言葉となります。

「ゲシュタルト崩壊」の使い方と具体例

「ゲシュタルト崩壊」の使い方に注意

「ゲシュタルト崩壊」の意味を知っている人は多くありません。そのため「文字をずっと見ていたら、歪んで見えるようになった」や「普段はわかるのに、文字がおかしく見えてきた」というように、具体的に表現したほうが相手に伝わりやすいことがあります。

「ゲシュタルト崩壊」という表現を会話や文章の中に使う時は、意味を補足する意味で、これらの表現を使ってみましょう。

「ゲシュタルト崩壊」の具体例は「文字が分からなくなること」

たとえば、一つの漢字をしばらくの間注視していると、普段は問題なく認識できていても、「あれ、何だっけ?」と疑問を持ち始めることがあります。これが「ゲシュタルト崩壊」の現象で、漢字、ひらがな、カタカナ全ての文字、またよく目にする形態やマーク、デザインなどに起こりうる心理現象となります。

たとえば、ひらがなの「を」をしばらく注視していると、普段は当たり前のように認識できても、これが「を」なのか何なのか、わからなくなってしまうことがあります。これがまさに「ゲシュタルト崩壊」の現象です。

つまり、「ゲシュタルト崩壊」とは、一瞬なら即座に認識できても、意識を一つの文字に集中し見続けてしまうことで、脳が文字への認識を妨げ、混乱させてしまうということを意味します。

「ゲシュタルト崩壊」のプロセスと失認症との関係

「ゲシュタルト崩壊」は点や線などの部分しか認識できなくなる

「ゲシュタルト崩壊」が起こるプロセスは以下の通りです。「多」を例に挙げてみます。

  1. 「多」をしばらく注視していると、次第に全体における漢字そのものに疑問が出てきます。
  2. 次に「多」の部分的な個所である線(または点やはらいなど)しか認識できなくなります。
  3. 最終的に「多」という漢字が認識できなくなり、わからなかくなってしまいます。

「ゲシュタルト現象」は、漢字やひらがな、カタカナなどの文字が読めなくなってしまうということではなく、脳がこれらの文字などを「認識できなくなくなる」ということです。

「ゲシュタルト崩壊」は失認症の症状だけではない

「ゲシュタルト崩壊」は全体の文字や形を注視すると、それらの印象が薄れ、認知が著しく低下してしまう知覚現象のことを指します。そのため、このような症状を一般的に「失認症」と判断する場合が一般的です。

しかし、長年の研究を通して、健常者にも同じような現象が起こることがわかり、「ゲシュタルト崩壊」は「失認症」の症状だけではないということが確認されています。

「失認症」は、視覚だけではなく、聴覚、触覚、病態失認、半側空間無視などにも該当し、治療が必要となる「高次脳機能障害」の一つです。たとえば、次第に皮膚感覚が衰え、何かに触っても認識ができなくなるような症状が「失認症」となります。

「ゲシュタルト崩壊」が起こりやすい漢字・文字と対処法

「ゲシュタルト崩壊」が起こりやすい10の漢字と文字

「ゲシュタルト崩壊」が起こりやすいとされる10つの漢字は以下の通りです。

借/多/今/野/粉/若/丈/な/を/ル

その他、円、正方形、三角形などをベースとする幾何学模様も「ゲシュタルト現象」を起こしやすいと言われています。

「ゲシュタルト崩壊」が起こるのを防ぐためには?

「ゲシュタルト崩壊」の現象を防ぐために効果的な方法は、文字や形態を長い間注視しないようにすることです。その他、上記で挙げた「ゲシュタルト現象」が起こりやすい漢字や文字を、何度も書き続けないようにすることが挙げられます。

「ゲシュタルト現象」は健常者にも起こる一般的な現象です。もし、日常生活において「ゲシュタルト現象」が起きてしまったら、文字や形態から目を離し、外の景色を眺めたり、適度な休憩を取るようにしましょう。

まとめ

「ゲシュタルト現象」とはドイツ語の「Gestaltzerfall」のことで、文字や形態(漢字、ひらがな、模様)などが、注視することによって認識できなくなってしまう現象を意味します。「ゲシュタルト現象」が起こる原因として「意味飽和」などが挙げられていますが、正確な発生原因はいまだに解明されていません。

「ゲシュタルト現象」は全体性を持つものが、各々の部分に切り離されて認識されてしまうため、普段からよく知っている文字でも、わからなくなってしまうのが特徴です。「ゲシュタルト崩壊」を正しく理解して、たとえ自身にそのような現象があらわれてもパニックしないようにしましょう。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。