「ゼローベース」の意味とは?使い方の例文や関連語も解説

「ゼロベース」は、新しいものを生み出す時や何かを見直す時などに用いられる言葉です。ビジネスシーンでは、「ゼロベース思考」といった表現でよく使われています。今回はこの「ゼロベース」の意味や語源、使い方の例文や関連語などを解説していきます。類語や英語表現もあわせて紹介します。

「ゼロベース」の意味や語源とは?

「ゼロベース」の意味は”やり直すこと”

「ゼロベース」の意味は、“最初からやり直すこと”です。過去の実績や前例、また今までの計画などを考慮することをやめ、新たに始めるといった内容を表しています。使う場面によって、以下のような意味合いで用いられます。

  • 白紙の状態に戻し、改めて検討すること
  • 先入観にとらわれることなく、物事の問題点を考えること
  • 前例にとらわれず発想を巡らせること 

「ゼロベース」の語源は”zero-base”

「ゼロベース」の語源は、ゼロを意味する名詞「zero」と、出発点を意味する名詞「base」を組み合わせた言葉「zero-base」と言われています。

「zero-base」は英語表記ですが、正式な英語表現ではありません。日本人の私たちが、英語からヒントを得てつくった言葉とされているため、「zero-base」とイングリッシュスピーカーに使っても通じません。カタカナ語「ゼロベース」の正しい英語表現は、後ほど詳しく説明します。

「ゼロベース」の使い方と例文とは?

「ゼロベース」は主にビジネスシーンで使う

「ゼロベース」は、「ゼロベースで考えよう」など、新商品を開発するときや新しいプランを立てる時などによく使われます。「ゼロベース」自体はかしこまった言葉ではないため、立場が上の人に対しても使えます。使う時は、「ゼロベースで開発しました」など丁寧語と組み合わせた文章にしましょう。

「ゼロベース」を使った例文

「ゼロベース」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 今回の新商品は、今までのイメージを一新させるためにゼロベースで開発しました
  • 新しい製品をつくるコツは、常に物事をゼロベースで考える習慣をつけること
  • こちらは、新規顧客開拓のためにゼロベースで企画したプロジェクトです
  • 来年度の予算は、前例にとらわれずゼロベースで検討すべきだ
  • 自社ビル建設については、ゼロベースで見直すこととなった

「ゼロベース」の関連語とは?

「ゼロベース思考」とはビジネス用語

「ゼロベース思考」は、ゼロベースの考え方をする姿勢を指す言葉です。つまり、既存の枠組みにとらわれることなく、物事を白紙の状態からやり直す・考え直す思考方法を意味します。

ある物事(商品開発や新企画発案など)に行き詰まった時に効果的と言われています。ビジネスシーンでよく使われています。

「ゼロベース予算」は過去実績に基づかない予算

「ゼロベース予算」は、前年度の実績から出される予算ではなく、過去実績を考慮しない、まったくのゼロから策定する予算のことを指します。「ゼロベース思考」と同じく、ビジネスシーンでよく使われています。

ゼロベースで予算を見直すことで、予算額の膨張を防いだり、優先順位を検討した必要額を算出できると言われています。

「ゼロベースランニング」は人間本来の走り方

「ゼロベースランニング」とは、体の機能・重力を最大限に利用した、人間本来の自然な走り方を指します。“従来の間違った走り方を改める”といった意味が含まれています。「ゼロベースランニング」は、あるトレーナー兼マッサージ指圧師が提案したランニングメソッドです。

「ゼロベース」の類語とは?

類語「白紙に戻す」の意味は“なかったことにする”

「白紙に戻す(はくしにもどす)」とは、それまでの経緯をなかったことにし、以前の状態に戻すことを意味します。「ゼロベース」の“やり直す”といったニュアンスはありませんが、“過去を考慮しない”という点で似た意味を持っています。「白紙に返す(はくしにかえす)」と表現されることもあります。

類語「原点に立ち返る」の意味は“初心に返る”

「原点に立ち返る(げんてんにたちかえる)」とは、“初心を取り戻すこと”、または“物事を開始した地点に戻ること”を意味します。「ゼロベース」と同じように、物事をやり直すといった意味を持っています。

「新規まき直し」は同じ意味をもつ同義語

「新規まき直し(しんきまきなおし)」とは、「ゼロベース」同様、“物事を最初からやり直す”という意味を持ちます。同義語なため、言い換え表現として使えます。「蒔き直し(まきなおし)」と表現されることもあります。

「ゼロベース」の英語表現とは?

英語表記「zero-base」では通じない

語源で紹介したように、英語表記「zero-base」ではイングリッシュスピーカーには伝わりません。カタカナ語の「ゼロベース」を伝えるには、「from the start(スタート地点から)」や、「from zero(ゼロから)」、または「from scratch(最初から)」を使いましょう。

英語「ゼロベース」を使った例文

英語「ゼロベース」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 「ゼロベースで考えてみよう」
    →Let’s think of it from the start!
    →We should start from zero.
    →Why don’t we think about that from scratch?
  • 「私はゼロベースで新プロジェクトを計画する」
    →I’m going to plan of a new project from the start.
    →I should plan of a new project from scratch.
  • 「私たちはゼロベースで新製品をつくった」
    →We made a new product from zero.
    →We created a new product from scratch.

まとめ

「ゼロベース」とは、何にもとらわれることなく、物事を最初から考え直すことを意味します。ビジネスシーンでの使用頻度が高く、新製品開発や新プロジェクト発案の時などに使われることが多いです。イングリッシュスピーカーに「ゼロベース」を使いたいときは、「zero-base」ではなく、例文のようなフレーズを使いましょう。