「ノンバンク」とは、お金の貸し借りに関係する言葉です。専門用語のように聞こえるかもしれませんが、意味を知ると、意外と身近な言葉だということに気づくと思います。
今回はそんな「ノンバンク」の意味や使い方の例文、また「ノンバンク」の種類などを詳しく解説していきます。「銀行」との違いや関連語、英語表現もあわせて紹介します。
「ノンバンク」とは?
「ノンバンク」の意味は”融資を専門に行う金融機関”
「ノンバンク」の意味は、預金の受け入れはしない“融資のみを行う金融機関の総称”です。身近な機関で言えば、消費者金融会社やクレジットカード会社などがそれに当たります。
「ノンバンク」と「銀行」の違いは預金の受け入れ業務があるかどうか
「ノンバンク」と、同じように融資を行う「銀行」との違いは、預金の受け入れ業務があるかどうかにあります。
一般的な銀行は預金の受け入れをし、この資金を企業に貸すことで銀行を運営します。しかし、ノンバンクはこの預金業務がなく、貸す一方で資金調達はしません。これが「ノンバンク」と「銀行」の決定的な違いです。
ちなみに「信用金庫」「信用組合」「JA」なども預金業務も行うため、ノンバンクには含まれません。
「ノンバンク」の使い方と例文とは?
「ノンバンク」は主に融資が絡む場面で使う
「ノンバンク」は、基本的にお金の貸し借りが関係するような場面に登場します。日常的にも使われますが、どちらかというと企業や組織が絡むビジネスシーンで使用されることが多いです。
個人が使う場合は、ほとんど『消費者金融会社』など“具体的なノンバンクの種類”の名前で使われます。こちらについては、後ほど詳しく説明します。
「ノンバンク」を使った例文
「ノンバンク」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- 「ノンバンクの頼りすぎは、大きな借金へと繋がりやすい」
- 「ノンバンクの特徴の1つは、融資までのスピードの速さだ」
- 「ついにA社がノンバンク業務に手を出したようだ」
- 「今月売り上げが立たず、苦しくてノンバンクを利用した」
- 「ノンバンクからお金を借りる前に、きちんとデメリットも確認しておくこと」
「ノンバンク」の種類とは?
「ノンバンク」と一口に言っても、さまざまな種類があります。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
個人向け融資の「消費者金融会社」
「消費者金融会社」とは、企業や組織単位ではなく、個人に対し融資する会社のことを言います。有名な会社で言えば、「プロミス」「アコム」「アイフル」などがそれに当たります。融資額は、融資を受ける人の返済能力によって決まります。
会員が利用できる「クレジットカード会社」
「クレジットカード会社(またはカード会社)」とは、そのカード会社の会員が商品やサービスを購入する際に、購入者に変わっていったん支払いを肩代わりしてくれる会社のことを言います。商品やサービスは、カード会社の加盟店である必要があります。肩代わり分は、後ほどカード会員に請求されます。
住宅ローンに関わる「不動産金融専門会社」
「不動産金融専門会社」とは、個人向けの住宅ローンを専門とする金融会社のことを言います。「住宅金融専門会社」と呼ばれることもあります。土地や自宅を担保にお金を借りる「不動産担保ローン」とは別物なので、混同しないようにしましょう。
事業専門の融資を行う「ビジネスローン会社」
「ビジネスローン会社」とは、個人事業や中小企業など、何かしらビジネスを行っている人や組織に対して融資を行う会社のことを言います。個人向けに比べ、融資額が高額であることが特徴です。運転資金や設備投資など、事業に関係する資金調達が目的であれば利用できます。
信用供与する「信販会社」
「信販会社」とは、“消費者に対しての融資”、“商品の購入やサービス利用料の立て替え”、そして“他社からの借り入れ保証”などを行う会社のことを言います。ノンバンクの一種なため、もちろん預金受け入れの業務は行いません。「信販会社」は、クレジットカードも発行しています。
お金以外で融資する「リース会社」
「リース会社」は他のノンバンクと違い、お金ではなく、利用者が必要としている設備、またその設備が作られる場所などを融資する会社のことを言います。例でいうと、コピー機やレジ、車や工場・倉庫などです。
「ノンバンク」の関連語とは?
「ファイナンスカンパニー」はノンバンクの同義語
「ファイナンスカンパニー」とは、融資を専門とする金融会社の総称を指します。基本的に個人・中小企業に対しての融資を行っています。「ノンバンク」とほぼ同じ意味で使われます。
「ベンチャーキャピタル」は未上場企業を対象とした投資会社
「ベンチャーキャピタル」とは、今後急成長しそうな未上場の企業(ベンチャー企業)に対し投資を行うノンバンクの1つを指します。「ベンチャーキャピタル」の目的は、投資したベンチャー企業が上場した後に、株式か事業を売却することで得るキャピタルゲインです。
「ノンバンク」の英語表現とは?
「ノンバンク」の英語表現は”non-bank financial institution”
「ノンバンク」を英語にする場合、“non-bank financial institution”と表現します。「non-bank」だけでも間違いではありませんが、“金融機関”を意味する「financial institution」とあわせて使う方が、イングリッシュスピーカーにはより正確に伝えられます。
- non-bank financial institution・・・ノンバンク、銀行以外の金融機関
英語「non-bank financial institution」の例文
英語「non-bank financial institution」を使った例文をご紹介しましょう。
- 「There are many kinds of non-bank financial institution in Japan.」
日本には、たくさんの種類のノンバンクがあります - 「I’m not going to use non-bank financial institution in the future.」
私は、今後もノンバンクを利用するつもりはない - 「You should study a demerit of non-bank financial institution before you use.」
使用前に、ノンバンクのデメリットも調べるべきだよ
まとめ
「ノンバンク」とは、預金受け取り業務も行う銀行と違い、融資業務のみを行う金融会社のことを言います。その種類は一つではなく、「消費者金融会社」「クレジットカード会社」「ビジネスローン会社」などさまざまあります。
「ノンバンク」は企業だけではなく、個人も使えます。日常会話に頻繁に出てくるわけではありませんが、使う機会は十分にある言葉なので覚えておきましょう。
お金を必要とする企業や個人に対し、お金を融通すること。
資金を融通し、貸し出すこと。