「足元を見る」の意味と語源とは?使い方・例文と類語も解説

「足元を見る」とは、人の弱点につけこむという意味の慣用句です。足元を見ることと弱みにつけこむことはどのように関係するのでしょうか?また、履いている靴を見ることを足元を見るとも言いますが、両者は関係があるのでしょうか?

この記事では、「足元を見る」の意味や語源を解説します。あわせて使い方と例文、類義語と英語表現も紹介します。



「足元を見る」の意味と語源とは?

「足元を見る」の意味は「弱点につけこむこと」

「足元を見る(あしもとをみる)」とは、相手の弱点につけこみ、たくらみを増長させる行為をいいます。ビジネスなどでは、交渉先に弱い点をつかれないように、事前に理論武装をして足元を見られないようにする、などの文脈で用いられます。

「足元を見る」の語源は逸話

「足元を見る」の語源は、昔の駕籠かき(かごがき:江戸時代まで存在した駕籠をかつぐ職業の人の呼称)が、旅人の足元の様子から疲れ具合を見てそれにつけこみ、法外な駕籠賃を要求したことにあります。

足元がおぼつかないほど、あるいは汚れ切るほど疲れ切り、ともかく駕籠に乗りたいという心理を利用して利益を得ようとする駕籠かきの行為は、相手の弱みにつけこむ戦略です。このことから「足元を見る」という言葉が、相手の弱みにつけこむという意味で使われるようになったのです。

「足元を見る」の使い方と例文

「足元を見る」の使い方と例文

「足元を見る」は、商売やビジネスの交渉などの際に、相手が弱みに付け込んでくることを表現する際によく用いられます。次のような例です。

  • 人の弱みにつけこんで足元を見るような相手とは距離を置いた方がよい
  • こちらが一方的に不利になる足元を見るかのような提案だ
  • 予算が少ないことを提示したことで足元を見られたようだ
  • 経営状況が悪化すると取引先に足元を見られ、交渉が不利になる

「社会的地位を判断する」の意味ではない

履いている靴を見ればその人物の社会的地位(ステータス)や教養の深さなどがわかるといった文脈で語られる「足元を見れば人がわかる」や、身だしなみにおける靴の大切さを語るファッション指南としての「おしゃれは足元から」というような言説があります。

「足元を見る」ということわざは、このような身だしなみのチェックとしての「靴を見る」という意味とは関係がありません。

「足元を見る」の類義語とは?

より悪を強調した「足元を見てつけ上がる/足元へつけ込む」

「足元を見る」と同じような意味の表現に、「足元へつけ込む」「足元を見てつけ上がる」があります。

「足元へつけ込む」とは、日本語としては不自然ですが、「足もとを見てつけ込む」を短縮した表現だといえます。相手の弱みを把握してつけこみ、自分に有利な結論を導くことを意味し、「足元を見る」よりも、より悪意を強調した露骨な表現です。

「足元を見てつけ上がる」という表現もまれに使われることがあります。つけ上がるとは、弱みにつけ込む行為が増長してより無理難題を言う様子を表します。

相手の弱点を見抜く「内兜を見透かす」

「内兜を見透かす(うちかぶとをみすかす)」とは、相手の弱点を見抜くという意味です。「内兜」とは、兜の内側に接する額の部分のことで、転じて弱点を意味します。

「内兜を見透かされないように注意する」は、「足元を見られないように注意する」と同じ意味です。

人を出し抜いて利益を得る「生き馬の目を抜く」

「生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく)」とは、人を出し抜いて利益を得るという意味です。生きている馬の目を抜き取ってしまうほど素早くて油断がならないということからできた表現です。

弱みにつけこむというより、抜け目がない、あるいはせちがらいという意味合いで使われます。

老獪でしたたかな人やさまを言う「海千山千」

世の中を渡り歩く中で経験を積み、ものの裏面まで知りぬいたしたたかな人や、そのように老獪なさまを「海千山千(うみせんやません)」といいます。

海に千年、山に千年棲みついた蛇は竜になるという言い伝えからできた言葉です。それだけずる賢いという意味を持ち、「海千山千の強者」などとしたたかで抜け目がないという面を揶揄するような使い方がされます。

足元を見るような人は、海千山千と揶揄されるような人物像と重なる部分があるといえるでしょう。

「足元を見る」の英語表現は?

英語では「弱点につけこむ」と表現

「足元を見る=弱点につけこむ」の英語表現に「take advantage of (someone’s) weakness」があります。「take advantage of」は「機会などを利用する」という意味で、「weakness」は弱みという意味です。

例文
  • 「彼は人の足元を見るような人間だ」
    He is a man who takes advantage of others’ weaknesses.
  • 「足元を見られないように慎重に交渉する」
    Negotiate carefully so as not to be taken advantage of.

まとめ

「足元を見る」とは、人の弱点につけこむという意味の慣用句です。江戸時代の駕籠かきが、旅人の足元の疲れ具合を見て、法外な駕籠賃を請求したことが語源となりました。

現代に駕籠かきの商売はなくなりましたが、ビジネスの交渉の場などで、相手の弱みにつけこんで自分に有利になるよう誘導することは珍しくないといえます。また、個人の交友においても、相手の足元を見て自分が有利に立とうとする人もいるでしょう。いずれにしても、そのような相手とは付き合いたくないものです。

そのような意味での「足元を見る」は、「おしゃれかどうかは足元を見ればわかる」というような靴の大切さを説くファッション指南とは別の意味の慣用句です。

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趣味は読書とヨーロッパ旅行です。ドイツには5年余り滞在経験があります。某大学の人間科学部とデザイン学部を卒業。心が豊かになる知識の探索を人生の糧にしています。