「割と」はどれくらい?正しい意味と使い方を解説!類語や英語も

ものごとを説明するときに「割とおいしかった」「割とよかった」など「割と」(わりと)を使うことがありますが、「割と」の意味や使い方に気を留めることは少ないのではないでしょうか?

言葉の意味を知れば充実したコミュニケーションを取ることができます。さっそく「割と」の意味と使い方、類語や英語を例文を用いて紹介しましょう。

「割と」の意味とは?どれくらい?

まずはじめに「割と」の本来の意味と「割と」が一体どれくらいなのか解説しましょう。

「割と」の意味は「思ったよりも」

「割と」は副詞で「割に」と同じ意味を持つ言葉です。「割と」は「思ったよりも」「わりあい」「比較的」という意味があり「予想した程度よりもやや超えている」「他と比較してややその傾向が見られる」などの状態を表現しています。

「割と」の程度は「そこそこ」

「割に」は確率を示す「割合」と意味の上で深い関係があります。「割に」は「割合に」という意味があり、あらゆるものごとや状態に対して「世間一般での割合に対してどうなのか」という時によく使われます。

また「割に」はその「割合」の程度がやや上の時、やや下の時、少し超えている時、少し下回っている時、また数、量、大きさなどはっきりした数字や断定できないものごとを説明する時に使うのがよいでしょう。文章のニュアンスを和らげてくれる要素も期待できます。

「割と」の使い方と例文

次に「割と」の使い方を例文と併せて紹介します。「わりと」は「割りと」と表記されている場合もありますが、語源を考えると「割と」という表記が正しいとされています。

「思ったよりも」という意味で使う時

「思ったよりも」「見聞きしたより」という状態の時、「割と」は以下のように使います。

  • 地図で見ると遠いけど、割と近いところにあった。
  • 正解に辿り着くまで割と近いかもしれない。

「ある程度」という意味で使う時

「嫌いだと思っていたけど、それほどでもない」「ある程度好きである」という時、「割と」は以下のように使います。

  • 甘いものが苦手だが、このデザートは割と美味しいと思う。
  • 割と好きな音楽はオペラはである

注意が必要な「割と」の使い方

「年の割に」という風に使うときの「割と」は、「年齢から見てその程度をやや超えている」「年相応よりやや良好な状態」などの意味があります。「年の割に」はという言葉は会話の中で誉め言葉として意味を発揮重することもありますが、逆に内容や言い方によっては失礼にあたることがあります。相手の立場や状況を十分把握した上で慎重に使うようにしましょう。

  • 私の母は年の割に若く見える(褒めている)
  • あの人は年の割に態度が子供っぽい(失礼にあたる)

「わりあい」を示す意味で使う時

確定されたある状態や立場、ものごとに対して「程度」や「わりあい」を示す時、「割と」は以下のように使います。

  • あの人は部長であるが、その割には腰が低い。
  • 果汁100%のジュースなのに、その割には酸っぱくない

「その割には」は「其の割には」とも書きます。

「割と」の類語と丁寧語

それでは「割と」と言い換えができる類語と目上の人などに使うべき丁寧語について解説します。

類語は「ある程度」「思ったより」

「割と」の意義が「多い少ないの程度を表すとき」の類語として「ある程度」「少々」「いくぶん」「ちょっと」「割り方」「思ったより」「想像したより」「比較的」などがあります。

  • 割と高いところでも平気だったのでビックリした
  • 思ったより高いところでも平気だったのでビックリした

また、「ある程度」といってもものごとや状況には幅があるため、類語の中でも「程度」に合わせて適切な言い換えが必要になります。たとえば「少々」「中々」「随分」の3つの類語では言葉のニュアンスや印象が異なることが理解できるでしょう。

  • 割と面白い映画だったね
  • 中々面白い映画だったね
  • 随分面白い映画だったね

「割と」丁寧語は「比較的」「割合と」

職場での急な問いかけに「割と」という言葉が真っ先に口から出てしまうことはありませんか?「割と」は曖昧な状況を示すことが多いため濫用しがちですが、子供っぽい印象を与えてしまったり、目上の人に失礼に当たることがあるため注意が必要です。

「割と」の言葉そのものに丁寧語や敬語はありませんが、丁寧語としては「比較的」「割合と」などが適切です。文章全体に敬語表現を用いてまとめるようにしましょう。

  • 新しい職場はどうかね?
  • はい、比較的リラックスできております。お気遣いいただきありがとうございます。

「割と」は外国語で何と表現する?

最後に「割と」を使った外国語での表現を見てみましょう。英語、韓国語、中国を紹介します。

comparativelyが一般的

英語で「割に」は「comparatively」「relatively」が最も一般的です。英語表現においても程度がはっきりしない時や状況が曖昧な時にこれらの言葉を使いましょう。目上の人に対しても失礼な言葉ではなく、さらにどのようなものごとに対しても広く使われるためとても便利な言葉だと言えるでしょう。

  • Is it relatively overpriced for that material?
    この値段は品質に対して割と高めの設定なのではないでしょうか?
  • We got comparatively good response at the presentation this time..
    今回のプレゼンテーションは割と反応が良かった。

英語ではgrammarに注意

英語でセンテンスを作るときはcomparativelyなどの副詞入れる場所に気を付けましょう。副詞は文章の最初に置かず、対象となる動詞、形容詞の前に置くように心がけて下さい。

韓国語では「비교(ビギョ)」

韓国語で「割と」を意味する言葉は「비교적(bigyo=ビギョ)です。韓国でのビジネスで会話の一コマに取り入れてみましょう。

中国語(中文)では「比较(ビジャオ)」

中国語で「割と」を意味する言葉は「比较(bijiao=ビジャオ(」です。中国語での「割と」は「非常に」「はなはだしく」という意味になり意味に多少のズレがあるため使い方に気を付けて下さい。

まとめ

「割と」はものごとや状況がはっきりせず「曖昧」な時に使われることが多いですが、ビジネスでは時と場合によって内容や数字を明確にし過ぎないほうが良い時もあります。

「言葉の逃げ道」ではありませんが、会話や文章に言葉のクッションを挟むことでコミュニケーションが円滑に進むこともあります。たとえ嫌いな部分が多いものでも「嫌いだった」と完全否定するよりは、「割と好きかもしれない」とポジティブに返事をした方が好意的に相手に伝わるでしょう。

また、目上の人には「割に」が失礼にあたることがあります。類語である「比較的」「割合い」に言い換えをして文章全体を丁寧にまとめるようにして下さい。