「日進月歩」の意味を知っていますか?座右の銘やスローガンとして使用される「日進月歩」ですが、実は「コツコツ努力する」という意味で使用するのは誤用なのです。「日進月歩」の意味や使い方、類語と対義語を解説していきます。くわえて、「日進月歩」を使った例文や英語表現も解説していきましょう。
「日進月歩」とは?
「日進月歩」の意味は”絶え間なく進歩すること”
「日進月歩」の意味は、“絶え間なく、急速に進歩すること”です。読み方は「にっしんげっぽ」で、”日がたつごとに、どんどんと進歩している”状況で使用できます。
「日進月歩」は”日”と”月”が「日ごとに、または月ごとに」を意味し、”進”と”歩”が「進歩」を意味しています。
漢字で「日新月歩」と書かないように要注意
「日進月歩」の書き方の注意点として、「日進」の漢字を間違えないことが挙げられます。「にっしん」と読む漢字は他にも「日新」や「日親」「日清」があります。とくに「日新」を使った「日新月歩」と間違われることがあるため、書き言葉として使用するときは注意しましょう。
「日進月歩」の使い方と例文とは?
「日進月歩」は医療や科学の発展を表す状況で使う
「絶え間なく成長すること」を意味する「日進月歩」は、医療や科学などの技術が発展する状況で使われます。たとえば、「日本の医療技術は日進月歩だ」という例文。上記の例文だと、「日本の医療技術は、絶え間なく急速に進歩している」という意味になります。
医療や科学、工業などの技術分野がいい方向へと、絶え間なく急速に進歩している状況で使用しましょう。
座右の銘やスローガンとして使われることもある
「日進月歩」は座右の銘やスローガンとしても使用されます。座右の銘やスローガンとして「日進月歩」を使用する場合、技術ではなく「自分自身が絶え間なく進歩する」という意味で使われます。
ただ、「わたしの座右の銘は、日進月歩で進歩することです」という使い方は控えましょう。「日進月歩」には「進歩する」という意味が含まれているため、意味の重複になります。
「努力して少しずつ成長」という意味では使わない
「日進月歩」のよくある間違いとして、「コツコツと努力をして、少しずつ成長する」を意味するというものがあります。「日進月歩」は「絶え間なく、急速に進歩する」を意味する四字熟語であって、「コツコツと努力」や「少しずつ成長」という意味は含まれていません。
とくに、座右の銘や会社のスローガンとして「日進月歩」を使用する場合は、意味を間違えないよう注意しましょう。
「日進月歩」を使った例文
「日進月歩」を使った例文をご紹介しましょう。
- デジタル技術が日進月歩している時代だからこそ、アナログ技術の必要性を訴えたい
- 科学の世界は日進月歩だと痛感した
- 医療が日進月歩している恩恵を、わたしたちは受けている
- 日進月歩する技術に、ついていくのがやっとの状態だ
「日進月歩」の類語と対義語とは?
「日進月歩」の類語”日進月異”
「日進月歩」の類語に当てはまるのが“日進月異”です。読み方は「にっしんげつい」で、”止まることがなく急速に進歩していること”を意味します。「日進月歩」とは最後の漢字が「歩」であるか「異」であるかの違いがあるのみで、同じ状況で使用できます。
- 日進月異の医療の世界。取り残されないように勉強をしなければ
- 座右の銘は日進月異だが、そのために日々の努力を怠ってはいけない
「日進月歩」の対義語”旧態依然”
「日進月歩」の対義語に当てはまるのが“旧態依然”です。読み方は「きゅうたいいぜん」で、”昔のままで、全く進歩していない様子”を意味します。「日進月歩」の”絶え間なく進歩している様子”と「旧態依然」の”全く進歩していない様子”が反対であるため、対義語に当てはまります。
- 旧態依然とした社風ではなく、時代にあわせた社風が必要だ
- 旧態依然とした国家だと、見切りを付けられるだろう
「日進月歩」の英語表現とは?
「日進月歩」は英語で”Rapid progress”
「日進月歩」の英語表現に当てはまるのが“Rapid progress”です。四字熟語である「日進月歩」そのものを表す英語表現はありませんが、意味を考えると”急速な進歩”を意味する「Rapid progress」が適しています。
たとえば、「Medical technology is rapid progress.」という例文。上記の例文だと、「医療技術は急速に進歩している」という意味になり、「日進月歩」である様子が伝わります。
まとめ
「日進月歩」とは「絶え間なく、急速に進歩すること」を意味する四字熟語です。医療や科学が発展している状況で使われ、座右の銘やスローガンとしても使用されます。「日新月歩」と表記することや、「コツコツと努力すること」という意味で「日進月歩」を使うのは誤用であるため、注意しましょう。
類語には「日進月歩」と同じ意味の「日進月異」が当てはまり、対義語には「全く進歩していない様子」の「旧態依然」が当てはまります。「日進月歩」と違う表現を使いたいときは、類語を使用してみましょう。