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インテグレーションとは?意味やインクルージョンとの違いも解説

「インテグレーション」は、ビジネスや教育など幅広い分野に使われている言葉です。とくにI Tが発達している近年では、「耳にしたことはある」という方は結構いるのではないでしょうか?

今回はそんな「インテグレーション」を解説していきます。意味や使い方だけではなく、例文や混同しやすい言葉、関連語、英語表現などもあわせて紹介します。

「インテグレーション」とは?

「インテグレーション」の意味は”異なる複数のものを組み合わせること”

「インテグレーション」の意味は、“異なる複数のものを組み合わせること”です。簡単に説明すると「まとめる」です。「インテグレーション」はさまざまな分野で使われ、その分野によって何をまとめるか、どのようにまとめるかなど内容が変わってきます。分野事の意味をそれぞれ紹介していきましょう。

教育現場での意味:教科などを統合すること

教育の現場で使われる「インテグレーション」は、分かれているいくつかの教科や教材を統合し、それを指導するという意味を表します。具体的な例で言えば、1992年に日本に設置された「生活科」です。

この教科は、身の回りで起きた出来事が自然現象か社会現象を判別する能力が乏しい小学1、2年生を対象に、「理科」と「社会」の教科を統合し作られました。

福祉の現場での意味:障害のある子供の統合教育

福祉の現場で「インテグレーション」は、「統合教育」を意味します。「統合教育」とは、障害のある生徒を、通常の学級で一般生徒と一緒に教育することです。

昔の日本では、障害のある生徒と一般生徒を分け教育することが当たり前になっていました。しかし近年では、このインテグレーションされた「統合教育」を積極的に取り入れる風潮が高まっています。

人種や宗教の世界での意味:差別撤廃と統合

人種や宗教などの世界で「インテグレーション」は、差別を撤廃し統合することを意味します。日本よりも、多種多様な民族が混在しているアメリカなど、他の国の話題で耳にすることが多いかもしれません。

数学の世界での意味:積分法

数学の世界で「インテグレーション」は「積分法」を意味します。「積分法」をわかりやすく説明すると、関数f(x)から得られる領域の面積部分を求めることを意味します。

「積分法」は、関数から得られるいくつかの面積を足し合わせていく方法です。つまり他の分野と同じく、“まとめる”が関係した意味を持っています。

「インテグレーション」の使い方と例文とは?

「インテグレーション」は名詞として使う

「インテグレーション」の意味は分野によって多少表現が異なりますが、基本的に“まとめること”といった意味を持つ名詞として使います。

ビジネスシーンでは「提携」や「合併」の意味で使う

「インテグレーション」は、ビジネスシーンでも「提携」や「合併」など、“まとめる”という意味でよく使われます。とくに顧客の要望をまとめ情報システムの構築を表す時や、請負をするサービス『システム・インテグレーション』という言葉で用いられることが多いです。

「インテグレーション」を使った例文

「インテグレーション」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「1992年に設置された“生活科”は、体験学習を積極的に取り入れている」
  • 「インテグレーションのおかげで、我が子も一般生徒と一緒に授業を受けられる」
  • 「ついに我が国でもインテグレーション化が進み、国全体にまとまりが出てきた」
  • 「他社とのインテグレーションを実現し、我が社の作業効率が上がった」
  • 「システム・インテグレーションに力を入れた結果、売り上げ倍増につながった」

「インテグレーション」の関連語とは?

「インテグレーションテスト」とは“統合テスト”

「インテグレーションテスト」とは、複数の部品を組み合わせ行う、開発途中のソフトウェアをテストするための手法を指します。日本語では「結合テスト」です。主にIT業界で使われます。

「インテグレーション業務」とは“作業者の業務“

「インテグレーション業務」は、インテグレーションする人がする業務、つまり複数の物事をまとめる作業者がする業務自体のことを意味します。

「slackのインテグレーション機能」とは“外部アプリ連結機能”

「インテグレーション機能」とは、メッセージや通話ができるビジネスコミュニケーションアプリ『slack』にある機能のことです。外部アプリ、例えばタスク管理ができる「Trell」やオンライン会議を実現する「Zoom」などを、『slack』に簡単に連携できる便利機能として使われています。

「インテグレーション」と混同しやすい言葉とは?

「インクルージョン」の意味は“一人ひとりの強みを活かせる環境”

「インクルージョン」は「包括」や「包含」、「一体性」という元々の意味から、“さまざまなスキルや能力、経験を持った従業員一人ひとりの強みを活かせる環境”を指す言葉として使われています。“まとめること”を意味する「インテグレーション」と類語関係ではありますが、同義語ではありません。

「インクルーシブ」の意味は“包括的”

「インクルーシブ」は「包括的」を意味する言葉です。一般的には、“一部の人を排除せず、その人たちをサポートしながら社会を構成する一人として支え合う”という社会政策の理念として使われます。「インテグレーション」、また「インクルージョン」と類語関係と言える言葉ですが、同義語ではありません。

「インテグレーション」の英語表現とは?

「インテグレーション」の英語表現は”integration”

「インテグレーション」を英語にする場合は、語源でもある“integration”で表現します。英語「integration」には、カタカナ語「インテグレーション」にはない“完成”や“調整”という意味も含まれています。

  • integration・・・【名】統合、人種的差別の撤廃、積分、完成、調整

まとめ

「インテグレーション」は、“まとめること”を意味する言葉として教育や福祉の現場、人種差別や宗教、数学の世界と幅広い分野で使われています。ビジネスシーンでも「提携」や「合併」の意味でよく使われるので、皆さんがビジネスパーソンであれば覚えておくべきでしょう。