「担保する」の意味と使い方とは?類語や「保証する」との違いも

近年、「担保する」という表現をビジネス記事などでよく見かけるようになりました。本来「担保」とは、債務を弁済する手段である「抵当」という意味ですが、「担保する」は抵当とは違う意味で使われています。

この記事では「担保する」の意味や使い方を解説します。あわせて類語の「保障する」「保証する」との意味の違いや、英語表現も解説しています。

「担保する」の意味とは?

「担保する」の意味は「将来に備えて補い準備すること」

一般的な会話やビジネス系の記事などで、近年たびたび使われるようになってきた「担保する(たんぽする)」という表現は、「確保する」「保証する」「保障する」などのさまざまな意味で使われています。

要約的にまとめると、「将来に備えて補い準備すること」といった意味合いで使われることが多いようです。

たとえば「公平性を担保する」「妥当性を担保する」などの使い方です。これらは、「保証する」「保障する」などの意味を含みながら、加えて「問題が起きないよう、将来に備えて補い準備する」という意味で用いられています。

「担保」とは本来、債務弁済の手段として債権者に預ける「抵当」のこと

「担保」という言葉は、本来は売買や貸借などの取引における抵当のことであり、債務の弁済を保障するものを指す法律用語です。担保や抵当を質とも言うことから、担保は「もの」であるわけですが、法令などの文書において「担保する」というように動詞活用する慣例が以前からありました。

例えば、「他人の債務を担保するため質権を設定する」などの使い方です。このように「担保とする(抵当とする)」という意味の「担保する」という表現が、意味を変えて一般的な使い方として広がってきてきたものと思われます。

「担保する」の使い方

ビジネスシーンでの使い方の例

  • 利便性を損なわずにセキュリティを担保することが喫緊の課題である
    (利便性を損なわずにセキュリティを保障・維持することが喫緊の課題である)
  • 成功したプロセスの再現性を担保することが重要だ
    (成功したプロセスの再現性を確保・保障することが重要だ)
  • 経営の独立性を担保するための合意文書を作成した
    (経営の独立性を保証するための合意文書を作成した)

一般的な会話などでの使い方の例

  • 社会保障には、公平性を担保することが欠かせない
    (社会保障には、公平性を確保・保障することが欠かせない)
  • 持続可能な社会を担保するためにはルールが必要だ
    (持続可能な社会を保持するためにはルールが必要だ)
  • 善悪の判断を下す基準が担保されなくなっている
    (善悪の判断を下す基準が保証されなくなっている)

「担保する」の類語とは?

障害が無いよう責任を持つという意味の「保障する」

「保障する」とは、「障害が無いよう責任を持って保全する」という意味です。「安全を保障する」「性能を保障する」「人権を保障する」などとある事柄について、現在から将来にわたって障害が起こらないように保つ、あるいは侵害されないよう守ることを表します。

「安全を保障する」と「安全を担保する」は、同じ意味であるといえますが、「担保する」の方が、あらかじめ安全を脅かすような障害が生じないように備えて準備しておく、という意味合いが含まれているといえます。

大丈夫だと責任を持つという意味の「保証する」

「保証する」とは、責任を持って間違いはない、大丈夫だと表明することです。「雇用を保証する」「品質を保証する」などと用います。あるいは、万が一のときには責任を取れないときは「…という保証はない」などと表現します。

障害が起こらないように手段を講じることが「保障」ですが、確かだと請け合うことが「保証」です。「担保する」はこのどちらの意味も含んで用いられる便利な表現だといえます。

「担保する」の英語表現は?

「保障する」の英語表現は「secure」

「保障する」という意味の英語表現はいくつかありますが、一般的なものに「secure」があります。保障するという意味を含む「担保する」の使い方として次のような例文があります。

  • 平和を担保する(保障する)
    「secure peace」
  • 公正な分配を担保する(保障する)
    「secure a fair share」
  • 優秀な人材を担保する(確保する)
    「secure excellence human resources」

なお、債務の弁済を保障する「抵当」の意味での「担保」は英語で「security」です。

「保証する」の英語表現は「guarantee」

確かだと請け合う意味の「保証する」の英語表現に「guarantee」があります。「保証する」の意味を含んで「担保する」を用いる使い方には次のような例文が挙げられます。

  • 医療の質と安全を担保する
    guarantee the quality and the safety of medical treatment.

まとめ

「担保する」は、将来なんらかの不利益が生じるかもしれない状況において、「保証する」「保障する」「保持する」などの意味を含みながら、将来に備えて手段を補い準備すること、という幅広い意味で便利に使われています。

法令などの文書に使われていた表現が、意味を転じて一般的に使われるようになった比較的新しい表現です。債務弁済の手段として債権者に預ける「抵当」の意味での「担保」とは、違う意味で「担保する」という表現が使われています。