「努めてまいります」の意味とは?使い方と類語表現・英語も解説

「努力していきます」「頑張ります」という意味合いで頻繁に使われるビジネス表現に「努めてまいります」があります。主に社外や目上の人に向けて使われますが、言い換えの表現にはどのような表現があるのでしょうか?

ここでは「努めてまいります」の意味、シーン別の使い方と例文、類語表現、英語フレーズを紹介させていただきます。使い方で間違っていないか、改めて確認してみて下さい。

「努めてまいります」とは?

「努めてまいります」の意味は”可能な限り力を尽くしていく”

「努めてまいります」の意味は、“可能な限り力を尽くしていく・何かを達成するために、また目標を到達させるために努力する”ことです。

「努めてまいります」は謙譲表現で、”努める”という動詞と、”まいります”という補助動詞を組み合わせた言葉です。

漢字で”努めて参ります”と書くのは適切ではない

漢字の使い方について、「努めてまいります」を「努めて参ります」と書くのは適切ではありません。「努めてまいります」の「まいります」はあくまで補助動詞となるため、「行く」「来る」の謙譲語「参る」を表記として使うのは適切ではありません。

社会人ともなると、社外にメールを送ることが出てきます。ビジネスメールや謝罪の文章で、できるだけ漢字を使おうとして「努めて参ります」と書き間違えないように気を付けて下さい。

「努めてまいります」のシーン別の使い方と例文とは?

謝罪をする際に反省の気持ちを込めて使う

「努めてまいります」は、取引先や顧客などの社外関係者に対し、謝罪をする場面で使うことができます。不具合があったり迷惑をかけた時に、お詫びの気持ちを示すとともに「これからこのようなことがないように、最大限努力をする」という意味で使われます。心から反省する意向を示し、問題点や改善していく前向きな気持ちを表す時に使うのがベストです。

<例文>
先日は生産が大幅に遅れてしまい、御社様に多大なるご迷惑をおかけしました。敏速に問題点と原因を解明し改善をしていく所存でございます。今後このようなことが起こらないように努めてまいりますので、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

仕事を任された時の意気込みを示す

社内で新しい仕事やプロジェクトを任されることがありますが、その際「会社のために全力を尽くして頑張ります」「期待に応えることができるように力を尽くします」という意味で「努めてまいります」を使うことがあります。

この場合、上司や同僚、部下に向けて仕事への意気込みやゴール達成へのモチベーションを熱く語るとともに「努めてまいります」という表現を使い、「精一杯の努力をします」「仕事ぶりを見ていてください」という意向をアピールしましょう。

<例文>
来月から始まるイベントの総合企画を担当することになりました。来場者の方に自社が誇るオリジナル商品を少しでも多く購入してもらい、販売促進と利益向上に努めてまいります。顧客情報や個人単価などの分析をはじめ、各企画の構成まで最大限の力を注いでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

就任・異動での挨拶で誠意を表す

社会人になりキャリアを積み始めると、就任や異動という状況も出てきます。新しい環境で新しい仲間や上司に挨拶をする時に、誠心誠意を表し、真意を込めて仕事に打ち込むという姿勢を表す時に「努めてまいります」を使うこともできます。

就任や昇進、異動では、今までのナレッジや経験を踏まえながらも、初心を忘れず仕事に励みたいものです。一人操業にならぬよう、一緒にゴールに向かって進んでいきたい、という気持ちを示すときに使いましょう。

<例文>
東京支店から異動となりました田中です。新しい環境になれるまで時間がかかるかもしれませんが、皆様の協力を得ながら与えられた任務に努めてまいります。一から学ぶつもりで努力を重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

「努めてまいります」の類語とは?

類語①「精進してまいります」

「精進してまいります」とは、”一生懸命に努力をしていくこと・集中して励むこと”を意味します。決意を新たにゴールに向けて努力をしていく時に使われる表現の一つで、ビジネスシーンでよく使われます。

  • 新人ではございますが、皆様のお役に立てるように精進してまいります。

類語②「精霊してまいります」

「精霊(せいれい)してまいります」は学業や仕事に精を出して取り組むことを表す時に使われます。「精を出して頑張る」「魂を込めて一新となって働く」という意味を持ちます。

  • 新しい部署にて学ぶことは計りしれませんが、精霊してまいりますのでよろしくお願いいたします。

類語③「尽力いたします」

「尽力(じんりょく)いたします」は言葉が語るように”力を尽くす”という意味を持ちます。「自分が持つ最大限の力を発揮し、努力をしていく」という意味で使われることが多いです。ビジネスでは目的を達成するために、また顧客の皆様に満足してもらえるように、といった文脈につなげて使うことができます。

  • 1%でも顧客の満足度が高まるように、日々商品開発に尽力いたします。

類語④「身を入れてまいります」

「身を入れてまいります」は何かを取り組むときに、全身全霊を傾けて、集中してものごとを進めていきたい時に使いたい表現です。そもそも「身を入れる」は、親身になって、心を込めて専心するという意味があり、わき目を触れず一所懸命になる姿勢を表します。

  • これからも、技術と経験を活かした新人指導に身を入れてまいります。

「努めてまいります」の英語表記とは?

「努めてまいります」は英語で”strive”を使おう

英語で「努めてまいります」を表現する時は、“strive”を使うのが最も適切です。「I will do my best(一生懸命頑張ります)」も意味としては正しいですが、ビジネスやフォーマルな場面で意気込みやモチベーションを伝えるには弱いフレーズです。

「strive」は純粋に”ベストを尽くす”という意味ではなく、「目的を達成しようと必死に努力する」という意味があります。企業や学校などのニュースレターや就職してからの自己紹介や挨拶文などに使いたい便利な単語ですので、覚えておきましょう。

「努めてまいります」を使った英語例文

「努めてまいります」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • ゴール達成に努めてまいります。
    I will strive to achieve the goal.
  • 状況を改善するために努めてまいります。
    We will strive to improve the situation to fix the issue.

まとめ

「努めてまいります」はビジネスシーンでは欠かせない表現です。「力を尽くして努力していく」「一生懸命仕事に励む」という意気込みを誠意と共に表す時に使っていきましょう。

社会人になると、挨拶や人間関係の構築は非常に大きな鍵を握ります。心から努力を怠らない姿勢を誓う時、ゴール達成に向けて専心する決意を示す時「努めてまいります」という表現を用いて、周囲に前向きな気持ちを理解してもらいましょう。