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「前途多難」の意味とは?使い方の例文と類語・反対語を解説

「前途多難」とは、「先に多くの困難があること」を意味するネガティブな言葉です。「前途多難な恋」や「前途多難なスタート」、「前途多難である」などと使われます。今回は「前途多難」の意味と使い方の例文を紹介。類語と「前途洋々」などの反対語について解説します。また「前途多難」の英語表現もお伝えします。

「前途多難」の意味とは?

「前途多難」の意味は”先に多くの困難があること”

「前途多難」の意味は、“これから先に多くの困難や災害が待ちうけていること・待っていると予想されること”です。先の道のりが、決して楽ではないと予想されることを表わしています。

「前途」とは、”将来”や”行く先”のこと。「途」と言う言葉は、”道”や”道のり”の意味をもち、「みち」と読むこともできます。また「多難」と言う言葉の「難」は、「困難」や「災難」の意味を持つ言葉です。

「前途多難」の使い方と例文とは?

「前途多難」はこれから先のことに対して使う

「前途多難」と言う言葉は、将来や目標など、これから先のことに対して使う言葉です。今現在抱えている困難に対しては、「前途多難」の言葉は使いません。

また、「前途多難」は先の困難や災害が「待ち受けている」または「予想される」場合に使います。先に対する漠然とした不安や心配などの場合には、適していない言葉です。

「前途多難な恋」や「前途多難だ」などと使う

「前途多難」は、「前途多難な恋」など物事の前につけて使う言葉です。また、状況について「前途多難である」や「前途多難だ」などと使うことも一般的です。以下に「前途多難な○○」の例を紹介します。

前途多難な恋

恋愛が順調にいくことや達成することについて、数多くのハードルがあることを表す言葉。漫画や小説のタイトルとしても使われています。

前途多難なスタート

物事を始めたばかりのスタートの時点で、既に数多くの困難がある場合に使います。これから先にも多くの困難が待ち受けていると思われることを表す言葉です。

前途多難な人生

これから先の人生に数々の困難や苦労があると思われる場合に使われる表現です。

「前途多難」を使った例文

「前途多難」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 過去に数多くの困難を乗り越えてきた彼だからこそ、前途多難なこれからについても乗り越えていってくれると私は信じています。
  • 周囲の反対にも関わらず、無理に事を進めるのは良くない。前途多難である場合には、一旦諦めて引くことも必要だ。
  • よく言えば個性的悪く言えば変人ばかりでチームとしてやっていくなんて、前途多難だ。頭が痛い。

「前途多難」の類語とは?

「いばらの道」は”前途多難”とほぼ同じ意味

「いばらの道」とは、植物の「いばら」(茨)が生えている道をたとえて「数多くの困難や災難が待っている人生であること」を意味する言葉です。したがって「いばらの道」は「前途多難」とほぼ同じ意味を持つ言葉と言えます。たとえば、「前途多難な人生を歩む」を「いばらの道を歩む」と言い換えても、同じ意味合いとして使うことができます。

道のりが遠い場合は「前途遼遠」

「前途遼遠」(ぜんとりょうえん)とは、「目的を達成するまでの道のりが遠く、困難が待ち受けていること」を意味する「前途多難」の類語です。しかし「前途遼遠」は、先に向けた困難の数が多いと言うよりは、先に向けての「道のりが遠い」ことの意味合いで使います。

「前途遼遠」の「遼遠」とは「はるかに遠い」を意味する言葉です。また「遼」の言葉にも、「はるか」や「遠く離れている」の意味があります。

現在悪い状態にある場合は「暗雲低迷」

「暗雲低迷」(あんうんていめい)とは、「悪い状態が続いており先が見えないこと」を意味することです。空に黒い雲がかかっているとき、すぐには晴れそうにない状態であることからたとえた表現です。「暗雲低迷」は今現在の悪い状況を、「前途多難」は将来の悪いと思われる状況をそれぞれ表しているため、言い換えには適さない言葉と言えます。

「前途多難」の対義語・反対語とは?

前途多難の対義語①「前途洋々」

「前途洋々」(ぜんとようよう)とは、「前途多難」の対義語となる言葉。「洋々」と言う言葉の意味は、「希望に満ちあふれている様子」のことです。

「前途洋々」は、「これから進んで行く先に希望が満ちあふれていること」を意味し、ポジティブな言葉として使います。たとえば「前途多難な人生」とは「困難だらけの人生」、「前途洋々たる人生」は「希望にあふれた人生」との真逆の意味となります。

前途多難の対義語②「前途有望」

「前途有望」(ぜんとゆうぼう)も、「前途多難」の対義語です。意味は、「将来成功する可能性が大いにあること」となります。

「有望」と言う言葉の意味は、「見込みがあること」や「望みがあること」。困難や災害などこれから先に心配となる事柄が見当たる状態ではなく、成功する可能性を秘めていることを表したポジティブな言葉です。

「前途多難」の英語表現とは?

「前途多難」は英語で”be full of difficulties”

「前途多難」の英語表現にはいくつかがあります。ひとつは「be full of difficulties」「be full of ○○」は、「○○がみちる」「○○でいっぱい」を意味する表現です。

また、「rocky road ahead」と言う表現も、「前途多難」の意味合いとして使うことができます。日本語には「いばらの道」と言う「前途多難」の類語がありますが、「rocky road」は「岩でいっぱいの道」を使います。「ahead」は「前方」や「先」を意味し、「rocky road ahead」は直訳すれば「前にある岩だらけの道」の意味となります。

まとめ

「前途多難」とは、「先に多くの困難や災害が待ち受けていること」を意味する言葉。ネガティブな意味合として使います。類語には「いばらの道」や、同じ「前途」の言葉を使った「前途遼遠」などがあります。また「前途多難」の対義語は「前途洋々」や「前途有望」です。