「中抜き」の意味とは?ビジネス上での使い方や英語訳なども解説

「中抜き」は、企業と卸業者などの中間業者が関わるビジネス用語です。インターネットやSNSが普及している現在では、この「中抜き」は頻繁に聞こえてくるようになりました。

今回はそんな「中抜き」の意味や使い方の例文、そして英語表現などを解説していきます。「中抜き」のメリットやデメリット、また対策方法もあわせて説明します。

「中抜き」の意味とは?

「中抜き」の意味①中身を抜き取る

「中抜き」の意味は、“中身を抜き取る・中のものを抜き取る”ことです。この意味は、これから説明するビジネス的な意味すべてに関係する基本の意味と捉えてもらうといいでしょう。

「中抜き」の意味②中間を省略

「中抜き」の2つ目の意味は、“中間部分を省略すること”です。「中抜き」は、“箱の中から何かを抜き取る”といった物理的な意味の他にも、“ある工程を省略する”といった形のないプロセス・サービスの抜き取りも意味します。

「中抜き」の意味③中間業者を省く

「中抜き」の3つ目の意味は、“企業・製造業と消費者の間にある卸業者や流通業者を省くこと”です。一般的に、消費者のもとに製品が届くまでには工場、問屋などの卸業者、小売店まで製品を届ける物流業者などを経由します。

しかし、企業や製造者が直接的に消費者と取引できる環境さえあれば、この中間工程は省くことができます。これが「中抜き」です。

インターネットが普及している現代では、誰でも電子取引ができるようになってきました。この電子取引は現在拡大しており、これにともなって「中抜き」する企業も増加傾向にあります。

「中抜き」の意味④紹介料をもらう

「中抜き」の4つ目の意味は、“人材派遣などの会社が紹介先から紹介料をもらうこと”です。派遣会社は、働きたい人と働き手が欲しい会社とを繋げ、その派遣した人の分の給料を派遣先から受け取ります。

これが「中抜き」になります。派遣された労働者には、この「中抜き」から中間マージンを差し引いた分を給料として支払っています。

「中抜き現象」の意味は”企業が流通業者を省く現象”

「中抜き」の関連語である「中抜き現象」の意味も、ビジネスシーンや新聞、ニュースなどで登場するので紹介します。

「中抜き現象」とは、インターネットなどの普及による電子取引によって、問屋や代理店、また流通業者などが不必要になる現象のことを指します。言い方を変えれば、企業や製造者が直接的に消費者に製品を販売する傾向が強まっている現象とも言えます。

「中抜き」の使い方と例文とは?

「中抜き」は主にビジネスシーンで使う

「中抜き」には“中身を取る”といった物理的な意味もありますが、主にそれ以外のビジネス的な意味として使われることがほとんどです。具体的なシーンで言えば、中間業者を省き、企業から消費者への直接販売を検討する会議などでこの言葉は出るでしょう。

「中抜き」は企業側だけでなく、中抜きされるかもしれない中通業者なども使う機会があります。「中抜き」にはメリットとデメリットどちらもあるため、使う人や場面によって良い言葉としても悪い言葉としても使えます。

「中抜き」を使った例文

「中抜き」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「我が社は中間業者の中抜きによって売上げが倍増した」
  • 「中抜きすることで販売額は大幅に値下げできる」
  • 「産直という名の中抜きに卸業は悲鳴をあげている」
  • 「派遣会社は、働き手を企業側に紹介することで中抜きを得ている」
  • 「インターネットの普及により、中抜き現象はますます広がっている」

ビジネスにおける「中抜き」のメリットとデメリットとは?

「中抜き」のメリットは“顧客ニーズの把握”

「中抜き」のメリットは、リアルな顧客のニーズを把握できることです。従来では中間業者を経由することが当たり前のようになっていたため、どうしても消費者と直接接点を持つことは難しくなっていました。しかし、オンラインショッピングなどのおかげでその問題が解消されています。

顧客のニーズを知ることは、売れる製品を開発には必要不可欠です。ビジネスにおいての「中抜き」は、企業や製造者と、販売元の利益に直接影響する最大のメリットと言えるのではないでしょうか。

「中抜き」のデメリットは“失業率の増加”

続いては、「中抜き」のデメリットです。ビジネスにおける「中抜き」は、“中間業者を省くこと”と説明しました。省かれるということは、その会社・業者は仕事がなくなるということです。つまり、「中抜き」することで失業率、または倒産する会社が増えることにつながります。

先ほども説明したように、電子取引が簡単にできるようになった近年は「中抜き現象」が拡大し続けています。

中抜き防止の効果的な対策はない

「中抜き」は違法行為ではないため、法律で裁くことなどはできません。そのため、「中抜き」されないような効果的な対策方法は正直ありません。あえて言うなら、企業との信頼関係を良好に保ち、お互いメリットのある仕事の仕方ができるように、常に話し合える体勢を整えておくことです。

「中抜き」の英語表現とは?

「中抜き」の英語表現は”getting rid of”

「中抜き」を英語にする場合は、“取り除く”を意味する「rid」を使い、“getting rid of 〇〇”と表現します。〇〇の部分には、中抜きするものを入れて使いましょう。このフレーズは物理的にも、工程やサービスを省略することにも使えます。

  • getting rid of 〇〇・・・中抜き(直訳:〇〇を省略する)

まとめ

「中抜き」は、インターネットが普及し、電子取引が活発になってきた近年ではよく使われるようになった言葉です。ビジネス、とくに製品を販売するような企業に勤めている方は使う機会が多いので覚えておくべきでしょう。