「無為」の意味とは?四字熟語の「無為自然」と類語・対義語も解説

「無為」の意味を知っていますか?仏教用語や四字熟語として使われている「無為」ですが、使い方によって「無為」のもつ意味は異なります。「無為」の意味や使い方、類語と対義語も解説していきます。くわえて、「無為」の英語表現も解説していきましょう。

「無為」の意味とは?

「無為」の意味は”何もしないこと”

「無為」の意味は、“何もせずにぶらぶらすること・自然のままで手を加えないこと”です。読み方は「むい」で、「ぶい」とも読まれます。

無為(むい・ぶい)の意味

  1. 何もせずにぶらぶらすること
  2. 自然のままで手を加えないこと

たとえば、「無為」を使った「無為無策(むいむさく)」という四字熟語。「無為無策」とは「なんの策も立てずに、ただ傍観している様子」を意味しており、「無為」「何もしないこと」という意味で使われています。

仏教では「不生不滅の存在」を意味する

仏教における「無為」とは「不生不滅の存在」を意味します。つくられたものではない、生じることも滅することもない存在を表すのです。反対に、色々な因果関係や因縁によって存在する現象を「有為(うい)」と呼びます。

「無為」の使い方と例文とは?

「無為に時間を過ごす」は何もしない状況で使う

「無為」の使い方の1つが「無為に時間を過ごす」です。「無為に時間を過ごす」とは、「何もしないで、ぶらぶらと時間を過ごすこと」を意味します。たとえば、「今日も無為に時間を過ごしてしまい、後悔している」という例文。

上記の例文だと、「今日も何もせずに時間を過ごしてしまい、後悔している」という意味になります。他にも「無為な毎日」「無為に過ごす」などの使い方があり、どちらも「何もせずにぶらぶらすること」という意味で「無為」が使われています。

例文

・無為に過ごしたあの時間が、どれほど貴重だったか分かる

・無為な1日であったことを反省してしまう

「無為にして化す」は老子の教えの1つ

「無為」を使った言葉に「無為にして化(か)す」があります。「無為にして化す」とは、「上に立つものに人徳があれば、何もせずとも自然に世は治まること」を意味する「老子(ろうし)」の教えです。「無為にして化す」の「無為」は、「何もしないで、ぶらぶらすること」を意味するのではなく、「自然のままで手を加えないこと」を意味します。

「無為にして治まる」または「無為の治(ち)」とも表します。

「無為」を使った例文

「無為」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 旅先で無為に時間を浪費したが、とても有意義であった
  • 問題を目の当たりにしながら今まで無為無策であった罪は重い
  • 彼が為政者になり、乱れていた国が治まった。まさに無為の治だ

「無為」を使った四字熟語とは?

「無為自然」の意味は”自然のままであること”

「無為」を使った四字熟語の1つが「無為自然」です。読み方は「むいしぜん」で、「手を加えることなく、自然のままであること」を意味します。老子の「無為自然」は、作為的であることを否定し、儒教の形式主義に異を唱えていました。

例文

・ストレス社会を生き抜くために、無為自然な生き方をする

・無為自然であることが、成功へとつながる

「無為徒食」は”無駄に毎日を過ごす”を表す

「無為徒食」も「無為」を使った四字熟語です。読み方は「むいとしょく」で、「するべきことに手をつけず、無駄に毎日を過ごすこと」を意味します。「無為」が「何もせずにぶらぶらすること」を意味し、「徒食」が「仕事をせずに暮らすこと」を意味します。

例文

・無為徒食とは、良いご身分だな

・無為徒食の日々はもううんざりだ

「無為」の類語と対義語とは?

「無為」の類語は「拱手」

「無為」の類語に当てはまるのが「拱手」です。読み方は「きょうしゅ」で、「腕を組んで何もしないこと」を意味します。「無為」「拱手」ともに「何もしないこと」を意味しますが、「拱手」は問題になっていることに対し何もしない様子を表します。

「無為」のように「何もせずにぶらぶらする」という意味ではないため、注意しましょう。

たとえば、「目の前に困っている人がいるのに、拱手傍観しているとは」という例文。上記の例文だと、「目の前に困っている人がいるのに、何もせずに見ているだけとは」という意味になります。

「無為」の対義語は「有為」

「無為」の対義語に当てはまるのが「有為」です。読み方は「うい」で、「あらゆる因縁によってつくられた、永久的でないもの」を意味します。「無為」とは違い、「消滅」「変化」するものを指します。

また、「有為」は「ゆうい」とも読めますが、「有為(ゆうい)」の場合「才能があること」という意味になり、「有為(うい)」とは異なるため注意しましょう。

「無為」の英語表現とは?

「無為」は英語で”Idle”

「無為」の英語表現には“Idle”が当てはまります。「Idle」とは”怠惰な・働いていない”を意味するため、「無為」の”何もせずにぶらぶらすること”を表せます。たとえば、「Live an idle life」という例文。

上記の例文だと、「ぶらぶらして暮らす」という意味になり、「無為に暮らす」ことを表します。また、「無為」が「自然のままで手を加えないこと」を意味する場合、「Inaction(不作為)」が適しています。

まとめ

「無為」とは「何もせずにぶらぶらすること」また、「自然のままで手を加えないこと」を意味します。「無為と化す」や「無為に過ごす」などの使い方があり、四字熟語には「無為自然」や「無為無策」があります。

「無為」には2つの意味があるため、前後の文章によって「無為」が何を指しているのか見極めましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。