「火に油を注ぐ」の意味や使い方とは?例文と類語・英語表現も

「火に油を注ぐ」とは、燃えている火に油を注ぐと、いっそう激しく燃え上がることをたとえに用いた慣用句です。何気なく使っている言葉ですが、改めて意味や使い方を確認したいという人のために、例文を交えてわかりやすく解説します。

あわせて「火に油を注ぐ」の類語や英語表現も紹介しています。

「火に油を注ぐ」のことわざの意味とは?

「火に油を注ぐ」の意味は「勢いをいっそう激しくさせること」

「火に油を注ぐ」とは、すでに勢いが激しいものや状況に対して、よりいっそう激しくさせる、あるいは勢いを加えるという意味のことわざ・慣用句です。

勢いよく燃えている火に油を注ぐと、ますます火の勢いが強くなることをたとえた表現です。実際に、燃えている火に油を注ぐことは、大きな事故に繋がりかねない危険な行為であり、望ましいことではありません。

同じ意味で「燃える火に油を注ぐ」「油を注ぐ」とも言います。

「火に油を注ぐ」の使い方と例文

「火に油を注ぐ」は望ましくない状況で使う

騒動などの勢いをいっそう大きくしてしまい、その結果がさらに悪くなるという望ましくない状況に対して「火に油を注ぐ」が比喩的に使われます。

物事が盛り上がって良い方向に向かうなどの、望ましい状況に対しては使われません。

「火に油を注ぐ」は炎上している状況で使われやすい

SNSなどで発信された個人の意見などに対して、失言などが認められた時に非難や批判のコメントが短時間に殺到することを炎上と言いますが、「火に油を注ぐ」はそのような、批判が盛り上がっている状況で起こりやすいと言えます。

事態を収拾しようと、あせって要領を得ない回答をしてしまい、かえって炎上が盛り上がる結果となったSNSを見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか。「混乱を収拾しようとした発言がますます火に油を注いだ」などと表現されます。

「怒りの火」に「油を注ぐ」ことが多い

「火に油を注ぐ」は、すでに勢いが激しくなっている状況に対して、勢いをいっそう激しくさせることを言いますが、特に「怒りの火」の勢いを激しくさせる状況で使われることが多いです。

例文
「クレーム対応で相手の気持ちを受け止められず、火に油を注いでしまった」

また、何らかの状況で怒っている人に対して、不適切な言動を行い、その結果怒りをますます強くさせてしまった時に「怒りに火に油を注ぐ結果となった」と表現します。

例文
「謝罪会見の傲慢な態度は、火に油を注ぐ結果となった」

「火に油を注ぐ」の類語とは?

「怒りの感情を誘発させる」という意味の「怒りに火をつける」

「火に油を注ぐ」と同じく、怒りの感情を「火」を用いてたとえた表現に「怒りに火をつける」があります。「怒りに火をつける」とは、感情を刺激して怒りを高ぶらせるという意味です。

「火に油を注ぐ」は、すでに怒りやなんらかの勢いとして火がついているのに対して、「怒りに火をつける」は、まだ怒りがない状態に対して怒りの感情を刺激することが異なっています。

「行動をけしかける」という意味の「焚きつける」

火を用いた比喩的な表現には、ほかにも「焚きつける(たきつける)」があります。「焚きつける」は火をつけて燃やし始めるという意味ですが、相手の感情を刺激して意図した行動に向かわせるという比喩としての意味も持ちます。

「焚きつける」は「そそのかす」「けしかける」「扇動する」などと同じ意味で用いられます。悪い意味では「下級生を焚きつけて暴動を起こさせた」などと用い、けしかけるという意味では「支援者に焚きつけられて立候補を決意した」などと用います。

「火に油を注ぐ」は意図せず結果として事を荒立ててしまった場合に用いますが、「焚きつける」は意図的に扇動する場合に用います。

「事態を混乱させる」という意味の「事を荒立てる」

「事を荒立てる(ことをあらだてる)」とは、事態を混乱させるという意味です。物事をことさら面倒にさせたり、もつれさせることを表現します。

「火に油を注ぐ」は、すでに混乱していたり、怒っていたりする状況に対して不適切な言動を行うことを言いますが、「事を荒立てる」は波風の立っていない状況に対して不適切な言動を行うことを表します。

行動の結果が、事態をさらに面倒にさせる、望ましい結果とならないという意味では共通しています。

「火に油を注ぐ」の英語表現とは?

「火に油を注ぐ」の英語は「add fuel to the fire.」

「火に油を注ぐ」は英語で「add fuel to the fire.」「pour oil on the flames.」などと表現します。

「fire」は火、「flame」は炎という意味です。「fuel」は薪や石油などの燃料を意味します。

上記の英語表現は「火(炎)に油(燃料)を注ぐ」の直訳的な英文ですが、日本語の慣用句と同じく、「騒ぎを大きくする」という意味を持ち、比喩として使われています。

まとめ

「火に油を注ぐ」とは、もともと勢いが激しくなっていたところへ、いっそう勢いを加える行為を行い、騒ぎを大きくしてしまうことを言います。実際に勢いよく燃えている火に油を注ぐと、ますます勢いが強まることを例えた表現です。

燃えている火に油を注ぐことは危険な行為であるため、推奨されるものではありません。そのため、好ましい状況をさらに盛り上げる行為については「火に油を注ぐ」は用いません。

SNSが炎上しているときに、火に油を注ぐ発言をしてしまい、ますます激しく炎上することが昨今は多いようです。「のど元過ぎれば熱さを忘れる」の気持ちで、時間が解決してくれることを待つのがよいかもしれません。