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「謙虚」の意味とは?類語「謙遜」や対義語を解説!ことわざも

「謙虚」という言葉には「素直」という意味が含まれ、好ましい態度だとして共感を感じる人も多いのではないでしょうか?また、謙虚の意味を含むことわざも日本にはたくさんあり、理想的な生き方として推奨されることもあります。

この記事では、「謙虚」の言葉を掘り下げて確認したい人のために、「謙虚」の意味や使い方、類語・対義語、さらに「ことわざ」も紹介します。「謙遜」との違いも解説しています。

「謙虚」の意味とは?

「謙虚」の意味は”つつましく素直で、自分を偉いと思わないこと”

「謙虚」の意味は、“つつましく素直で、自分を偉いと思わないこと”です。素直に相手の意見を聞き入れることや、素直な態度で人と接することを「謙虚」と表現します。このように、「素直」な心持ちであることが「謙虚」の意味合いに含まれています。

また、”謙虚な態度・謙虚な人柄”などと、その人の態度や人柄を表したり、謙虚な人生を送った人などと、人生の過ごし方について用いられることもあります。

「謙」には、”控え目にして人にゆずる、へりくだる”という意味があります。

「謙虚」の使い方とは?

「謙虚」は素直な心の持ち方を表す時に使われる

「謙虚」は、人の性質や人生の生き方を表す言葉として使われるほか、素直な心の持ち方を表す時にも用いられます。

「この事実を謙虚に受け止めます」「謙虚な態度が高い評価を得た」「批判には、謙虚に耳を傾けるべきだ」などと用います。

「謙虚な人」とは”素直な心を持つ人”

「謙虚な人」とは、自分を客観的に見ることができ、他人の意見に学ぶ素直な心を持つ人のことです。

「和を以て尊しとなす」の考え方が伝統的に尊重される日本では、でしゃばらず、相手を立てて和を乱すことのない「謙虚な人」と称されることは、最大の称賛だとも言えます。

素直な心を持つ人は、他人の意見に慎重に耳を傾けることができるため、学ぶ機会を多くもつことができます。また、相手をリスペクトできるため、円滑なコミュニケーションを図ることができます。つまり、謙虚な人は仕事ができる人でもあるのです。

「謙虚な人生」とは良い人生のお手本

「謙虚な人」のみならず、「謙虚な人生」「謙虚な生き方」を日本人は好む傾向があります。常に謙虚な姿勢で物事を考え、行動する人は、おのずと謙虚な人生を歩んでいると言えます。

謙虚に他者の力を借りることができる人は、周りからの援助を受けやすく、また他人の意見を取り入れて成長し続けることができるため、良い人生を送ることができると言えます。

「謙虚」の類語と対義語とは?

自分を低く評価する意味が含まれる類語「謙遜」

「謙虚」と似ている言葉が「謙遜(けんそん)」です。「謙虚」と「謙遜」の意味には、共通する部分と異なる部分があります。

控え目に振る舞うのは「謙虚」「謙遜」とも共通ですが、「謙遜」はあえて自分の能力を低く評価し、時には自分を卑下するというニュアンスが含まれることがあります。「謙虚」には自分を低く卑しめるという意味はありません。

「謙虚」の意味を持つ類語の四字熟語「自己韜晦」

「謙虚」の意味を表す四字熟語に「自己韜晦(じことうかい)」があります。「韜晦」とは、自身の才能や地位、学識などを隠して表にひけらかさないという意味です。日本漢字能力検定では1級に出題される難しい四字熟語ですが、教養として知っておきたい熟語です。

「自己韜晦の態度を貫き、自らの主張を自然に受容させた」「処世術として自己韜晦を行い、出世の道を歩んだ」「自己韜晦して聖人君子のふりをする」などと用いられます。

極端に思い上がり、人を見下す意味の対義語「傲慢」

「傲慢(ごうまん)」とは、極端に思い上がり、むやにに人を見下す様子です。威張り返る態度を意味する四字熟語には「傲慢無礼(ごうまんぶれい)」があります。

自分自身を客観的に見つめることができる態度が謙虚ですが、自分だけが正しいと根拠なく思い上がり、客観的な視点を失っているのが傲慢です。

思い上がった態度という意味の対義語「不遜」

「不遜(ふそん)」とは、へりくだる気持ちがなく、思い上がった態度という意味です。「傲慢」とほぼ同じ意味を持ちます。「不遜なふるまい」は「謙虚なふるまい」の対極にあります。

「謙虚」を表す「ことわざ」を紹介

「謙虚」は、古来より、でしゃばることを良しとせず、和を大切に生きてきた日本人の精神にぴったりとフィットする言葉です。そのため、謙虚の精神をテーマとしたことわざがたくさんあります。その一部を紹介します。

人格者ほど謙虚であるという意味の「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

「実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)」とは、稲穂が成長すると、実の重さで垂れ下がってゆくことを人の成長にたとえたことわざです。

立派に成長した人間や、学問を深くおさめた人間ほど謙虚になり、頭の低い姿勢で人に接するということを意味しています。企業や学校などが座右の銘として掲げることが多い人気のあることわざです。

実力のある人は普段は謙虚であるという意味の「能ある鷹は爪を隠す」

「能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)」とは、高い狩りの能力を持つ鷹は、ここぞという時以外は鋭い爪を隠していることをたとえたことわざです。

才能や実力のある人間は、軽々しくそれを見せつけるようなことはせず、いざという時に真価を発揮するという意味です。本物の実力者は普段は謙虚であるということを表わしています。

人知れず他者のために努力するという意味の「縁の下の力持ち」

「縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)」とは、見えないところで縁側を支える柱のように、人知れず支える存在をたとえたことわざです。

自分は表舞台に立たず、他者のために影で苦労や努力をしながら、表に立つ人などを支えること、あるいはそのような人を指します。陰で人知れず人を支える行為は、謙虚さの現れだと言えます。

まとめ

「謙虚」とは、「つつましく素直で、自分を偉いと思わないこと」という意味を持ちます。「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助は、著書や講演などで、繰り返し「素直な心」の大切さを説いています。

物事がうまくいかないときは、何かに心が捕らわれている事が多く、とりわけ自分が正しいと思う考えに捕らわれると、心が狭くなり、判断を誤ると言います。つまり素直で「謙虚」な姿勢は、公正で客観的な認識能力であり、ビジネスにおいても大切だということです。

そして知識を持ち、かつ、その知識に捕らわれることがなければ、真に大きな力になるとも述べています。ただ素直で謙虚であるだけでなく、正しい知識を持った上でへりくだることができる人が、成功者となるのだということでしょう。