「恰好」の意味と読み方とは?類語と「格好」との違いも解説!

「恰好」とは「外見」や「体裁」を意味する言葉で、使い方によって5つの意味をもちます。服装を表すときは「恰好」を、態度を表すときは「格好」をと使い分けている方もいるのではないでしょうか?「恰好」を使った例文や「格好」との違い、類語も解説します。くわえて、「恰好」の読み方や英語表現も解説しましょう。

「恰好」の意味や読み方とは?

「恰好」の意味は”外見・体裁”

「恰好」の意味は、“外見・体裁”です。他にもさまざまな意味があるので詳しくみてみましょう。

恰好(かっこう)

  1. 外見。身なり。例)派手な恰好
  2. 体裁。恥ずかしくない姿。例)恰好が悪い
  3. 程度がちょうどいいこと。例)恰好の場所
  4. その年齢あたりであること。例)20代後半の年恰好
  5. 物事の状態。ありさま。例)1人だけ置いて行かれる恰好となった

意味の中でも、主に「外見・体裁・程度がちょうどいいこと」という意味で多く使われます。3つ目の「程度がちょうどいいこと」という意味は、モノや状態が適切である他に「値段が手ごろであること」という意味も含まれています。

「恰好」の読み方は”かっこう”

「恰好」の読み方は“かっこう”です。「恰」という漢字は音読みで「コウ・キョウ」とも読むことから、「こうこう・きょうこう」と読み間違えないようにしましょう。

「恰好」の使い方と例文とは?

「恰好」は使い方によって意味が異なる

「恰好」には5つの意味があることを説明しました。意味が複数あることから、前後の文章によって「恰好」がもつ意味は異なります。

例文

物資が届けられるのをまつ格好で、その場にとどまった

この例文では「物事の状態」「ありさま」という意味で「恰好」が使われています。また、「その年齢あたりであること」という意味で「恰好」を使う場合、単体では使用せず「年恰好(としかっこう)」や「六十恰好(ろくじゅうかっこう)の男性」のように使用しましょう。

「年恰好」とは「見た目から推測した年齢」を意味し、「六十恰好の男性」は「60歳くらいの男性」を意味します。

「恰好いい」「恰好がつく」は”外見・体裁”を表している

「恰好いい」「恰好がつく」という使い方の場合、「恰好」は「外見」や「体裁」を意味します。

・「恰好いい」…外見がいい。体裁がいい。

・「恰好がつく」…人に見られても恥ずかしくない程度に、体裁が整う。

「恰好いい」という言葉は、外見や身なりがいい状況で使いますが、他に「世間から見られた姿がいい」状況でも使用できます。単に「見た目がいい」ことだけでなく、「世間からの評判がいい」ことも表すのです。

「恰好のネタ」「恰好な値段」は”ちょうどいい状況”で使う

「恰好のネタ」「恰好な値段」という使い方をする場合、「恰好」は「ちょうどいいこと」を表します。モノや状態が適しているという使い方だけでなく、「恰好な値段」のように「値がちょうどいいこと」も表します。

「恰好」を使った例文

「恰好」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 貧困層を狙った犯罪で、彼は格好の的となったのだ
  • わたしと同じくらいの年恰好で、黒い帽子をかぶった人を探している
  • 座り込んだ恰好のまま動かない

「恰好」の類語と英語表現とは?

「恰好」の類語は”姿”

「恰好」の類語に当てはまるのが“姿”です。「姿」とは”ものの全体の形”を意味し、使い方によって「身なり」や「外見」を表します。「恰好」の”外見・身なり”という意味と類似しているため、類語に当てはまるのです。

また、「恰好」が「物事の状態」を表すのと同様に、「姿」も「消えゆく街の姿」のように「物事の状態」を表します。

「恰好」は英語で”Appearance”

「恰好」の英語表現が“Appearance”です。「Appearance」とは”外見・容姿”を意味する単語です。

例文

He was in a disorganized appearance.

意味:彼は乱れた恰好をしていた

ただ、「Appearance」は「登場」や「出現」のように「現れること」も意味するため、使い分けが必要です。

「恰好」と「格好」の違いとは?

「恰好」は常用外、「格好」は常用漢字である

「恰好」は「格好」とも表記されますが、意味や読み方に違いはありません。「恰」と「格」の漢字が異なる理由は、常用漢字にあります。「恰」は常用漢字ではないのに対し、「格」は常用漢字であるため公用文では「格好」が使用されます。

「恰好」は”服装”を、「格好」は”態度”を表すというのは誤り

「恰好」と「格好」では使われている漢字が違います。漢字が違うことから「恰好」は「服装」や「外見」を意味し、「格好」は「態度」を意味すると捉える方がいますが、そのような使い分けはありません。

常用外か、常用漢字かの違いのみで、同じ意味の言葉として使用されます。

まとめ

「恰好」とは「外見」や「体裁」「ちょうどいいこと」を意味する言葉で、使い方によって「その年齢であること」「物事の状態」を表します。「恰好」と「格好」の違いは、漢字が常用漢字か常用外かという点のみです。

「恰好」がなにを表しているのかによって「恰好」と「格好」を使い分けるという捉え方もありますが、使い方による区別をつけないため注意しましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。