「アベック」の意味とは?「カップル」との違いやフランス語も解説

「アベック」という言葉をご存知でしょうか?バブル期に生まれた言葉のひとつで、今の言い方風に直すならば「カップル」のこと。ただし、語源となったフランス語は少し意味合いが異なります。

ここでは「アベック」の意味と使い方、「カップル」との違い、類語や例文を紹介します。

「アベック」の意味とは?

「アベック」の意味は「一組の男女」「組になって行動を共にすること」

「アベック」とは、日本では「一組の男女」「組みになって行動を共にすること」を意味します。今の言い方に直すならば「カップル(恋愛関係の場合)」「ペア(恋人に限らない場合)」が当てはまるでしょう。

もともと「アベック」はフランス語の「avec」のことで、基本的には「〇〇と一緒に」「〇〇と一緒の」という意味を持つ言葉となります。

フランス語「avec」は男女のペア以外にも使う

前述しましたように「アベック」とはフランス語の「avec」がカタカナ語として日本に浸透しました。「avec」はフランス語の前置詞の一つですが、基本的に男女の別はありません。つまり、日本で知られる「アベック」の意味「2人連れの男女」とは、若干異なるいうことになります。

フランス語の「avec」は、男女や年齢、姿格好の関係なく、親や兄弟、親戚などの家族や友人や職場仲間など、恋愛関係のない人に対しても「一緒に」という意味で使われる言葉です。ここで注目したいのは、フランス語を紐解くと、もともと差別を示す要素がないということでしょう。

現代では必ずしも「男女の組み合わせ」とは限らない

「アベック」は日本では一人の男性と一人の女性、つまり「男女の二人連れ」を表すニュアンスが強い言葉です。しかし、現代では多様な人間関係が慣用に受け止められる時代となりました。そのため、必ずしも「男性と女性の組み合わせ」とは限らないという点も抑えておきましょう。

「アベック」と「カップル」の違いは?

「アベック(avec)」の語源はフランス語、「カップル(couple)」は英語

「アベック」のカタカナ語での類語には「カップル(couple)」があります。「アベック」はフランス語ですが、「カップル」は英語が語源となります。

「カップル」は恋愛関係にある二人を指すことが多い

日本で「カップル」といえば、「恋愛関係」にある場合が多いでしょう。ただし、男女の二人連れや恋人同士を表すこともあれば、純粋に二人で行動を共にすることを表すこともあります。言葉から伝わるニュアンスがやや異なるため、文脈によって適切な言い換えを選びましょう。

例文
  • 相性抜群のカップルが誕生した。
  • カップルにおすすめの宿を紹介します。

「アベック」の使い方と例文

「アベック」は複数ではなく「2人」であることが大切

「アベック」とは、恋人関係を表す「一組の男女」や、男女関係なく「組となって同じ行動をとること」です。そのため、二人以上のグループや団体について「アベック」を使うのは適切ではありません。兄弟であっても、職場の上司であっても、ペアになって「2人」で何か行動を共にするときに「アベック」を使うようにしましょう。

「アベックホームラン」は一試合で2選手がホームランを打つこと

「アベック」を使った表現で現在も使われることがあるのが「アベックホームラン」です。「アベックホームラン」とは野球の一試合の中で、異なる2選手がホームランを放つことを意味します。そのため、1人の選手が2回ホームランを打つことは「アベックホームラン」とは呼びません。

「アベック」を使った例文

  • 今回の山登りをアベックで挑戦することになった。
  • クイズでは、アベックで一回きりの回答権がある。
  • 妻とお揃いのTシャツを着て、久しぶりにアベック気分を味わった。
  • 街中で噂の二人がアベックで歩いていることろを目撃した。
  • 母は娘に「これから別行動だけど、パパとアベックで行動してね」と言った。

「アベック」の類語は?

「ペア」「デュオ」も2人組を指す類語

「ペア(pair)」「デュオ(duo)」は、先ほど紹介した「カップル」同様に英語が語源です。どちらも「2人組」で何かを一緒にするという意味合いが濃くなります。

例文
  • ペアになって運動会の徒競走に参加する。
  • 注目デュオシンガーは新星のごとく現れた。

「恋人同士」「好一対」も言い換えに使える

「アベック」でその他に言い換えができる類語には、「恋人同士」や「好一対」など(こういっつい)があります。文字通り「恋人同士」は恋愛関係にある2人連れのことです。

一方「好一対」はお似合いの一対、調和の良い一対を表し、組み合わせとして好ましい一組を表す言葉として使われます。「好一対」の場合、人に対して使う場合の他「モノ」に対して使われることもあるので、覚えておきましょう。

例文
  • 職場の同僚は恋人同士の関係だったが、ついに来月結婚することになった。
  • お隣さんは、好一対の夫婦として知られている。
  • この茶碗と箸は、まさに好一対と言っていいほど調和がとれている。

まとめ

「アベック」を使う時に気を付けたいのは、男女の間柄である「恋人同士」というニュアンスを持つ場合と、男女の関係なく「一組のペア」を意味する場合があるという点です。そのため「アベック」は差別的な要素を含まないのが特徴であるともいえるでしょう。

「アベック」という言葉を知らない、もしくは聞いたことすらないという人は、いわゆる「若い世代」の方々です。言葉も時代と共に変化しますが、アンティークと同じように、古き良きものには、今だからこそ趣のあるものとなって再生させる必要もあるのではないでしょうか?もちろん「アベック」を死語と呼ぶのはまだまだ早いのかもしれません。