「フラストレーション」の意味とは?「ストレス」との違いや類語も

イライラ・もやもやしたときに「フラストレーションがたまる」という表現をよく使います。「ストレス」とも似た言葉ですが、意味の違いを正しく理解していますか?

今回は「フラストレーション」の意味を中心に、「ストレス」との違いや原因、類語を紹介。心理学におけるフラストレーションの要因も解説します。

「フラストレーション」とは?

「フラストレーション」の意味は”欲求不満”

「フラストレーション」の意味は、“欲求不満”のことです。

人は何かを叶えるために考えたり、目的を達成するために行動をする生き物です。しかし、これらの欲求が必ずしも実現するとは限りません。「フラストレーション」は欲望や希望に対して妨げとなるものごとや、臨みが実現できなかったことによる失望感、落胆する気持ちを意味しています。つまり、人が持つ欲求が周囲の環境や何かの事情によって阻止されることで、気持ちが満足できないことを指す言葉なのです。

また、この時に感じる「イライラ・もやもやとする感情」や「意気消沈した気持ち」など、全ての不快なは欲求不満からくる不快な状態、不安な気持ちを総称して「フラストレーション」と呼んでいます。

「フラストレーション」は英語の”frustration”のこと

「フラストレーション」とは英語の”frustration”がカタカナ語として確立した言葉です。ま「frustration」は動詞「frustrate」の名詞形となります。

「フラストレーション」を使った例文

「フラストレーション」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 仕事がうまくいかずにフラストレーションがたまっている。
  • やりたいことが沢山あるのに時間がなくてできない。フラストレーションが爆発しそうだ。

「フラストレーション」と「ストレス」の違いとは?

「フラストレーション」と「ストレス」の違いは”原因”

「フラストレーション」と「ストレス」の違いは、”原因が異なる”という点です。「フラストレーション」は”自己欲求が満たされないこと”が要因となりますが、「ストレス」は”日頃の生活を通して受ける重圧や強制、圧迫”が原因です。これにより精神的・肉体的緊張が生まれ、負担になっている状態が「ストレス」となって表れます。

「ストレス」とは精神的・肉体的緊張感のこと

「ストレス(stress)」とは、人が経験する心労や苦痛を通して感じる”精神的な緊張感”を意味します。社会生活で受け止めなければならないプレッシャーや、日常生活でいつでも起こりうるショックな出来事を通し、精神的・肉体的に負担になることを指します。

共通点は「どちらも発散することが大切」

多かれ少なかれ「フラストレーション」や「ストレス」は、通常の日常生活でどうしても溜まりがちです。これらの精神的な不満や負担は、容赦なく社会生活で重みとなってのしかかってきます。

「ストレス発散」という言葉が浸透するように、「フラストレーション」や「ストレス」と対立せず、上手に対処していくことが大切です。スポーツや瞑想など、自分に合った方法を見つけ、できるだけ快適に生活を送るように心がけていきましょう。

「フラストレーション」の類語とは?

「フラストレーション」の類語は”物足りなさ”や”不足感”

「フラストレーション」の言い換えが可能な類語表現は“物足りなさ”“不足感”です。自分が求める何かが欠けているようなことを表し、どちらも満たされない状態を表す時に広く使われています。

例文
  • 家族と離れた生活で、どこか物足りなさを感じる今日この頃だ。
  • 気持ちの中で不足感があるのは、自分の性格に満足していないからだろうか?

「歯がゆさ」「苛立ち」も言い換えに使える

「フラストレーション」は満たされないことが要因で生まれる気持ちを表します。そのため「歯がゆさ」、また文脈によっては「苛立ち」「モヤモヤ」「カリカリ」などの表現も言い換えとして使うことができるでしょう。

例文
  • 仕事が忙しくて子供の時間がとれず、歯がゆさが残る。
  • 苛立ちは、自分に対する欲求不満からきている。

「フラストレーション」を生む心理学で見る2つの障害とは?

心理学では2つの障害「外的障害」「内的障害」が定義されています。2つの障害によって欲求不満(=フラストレーション)になってしまうことを理解しておきましょう。

「外的障害」は文化要因や法律が障害となること

「外的障害」とは文化的、社会的な要因で欲求が満たされないことを指します。法律や規制があることが要因で、自己の欲求が満たされないことを意味します。

たとえば、就職活動で実力や経験はあるのに「大学卒業以上」と企業が謳っている場合、また日常的な場面では、道に迷っている人がいるのに、出社時間がせまっているため助けることができない、などです。

「内的障害」は個人の概念や配慮が障害となること

一方「内的障害」は、あくまで個人の概念で決められた自己ルールが障害になることを意味します。国が定めた規律、法定ルールではなくても、自分の配慮で不満が溜まってしまうのが特徴です。

たとえば、告白したい相手がいるのに、シャイな性格だと思い込んでいるため、思いを打ち明けることができない、などです。

まとめ

「フラストレーション」は英語の「frustration」のことで、意味は「欲求不満」や「何かが障害となり、欲求が阻止されてしまう状態」となります。

よく使う言い回しは「フラストレーションが溜まる」「フラストレーションを発散する」などですが、似たようなカタカナ語「ストレス」との意味の違いを把握しながら、使い分けには気を付けるようにして下さい。