「欠席裁判」の意味とは?職場やママ友における使い方・例文も

「欠席裁判」は法律用語ですが、その意味を比喩として用いて一般的な会話でも使われることがあります。欠席のまま裁判の判決が下されることに例えられる状況とは、どのようなものなのでしょうか?

この記事では、一般的な会話で使われる「欠席裁判」の意味や使い方を解説します。あわせて類語・英語表現と実際の欠席裁判とはどのような裁判なのかについても紹介しています。

「欠席裁判」の意味とは?

「欠席裁判」の意味は「その場にいない人に関して不利な決定をすること」

「欠席裁判(けっせきさいばん)」とは、その場にいない人に関して、不利なことを一方的に決定するという意味です。例えば、企業などの職場において、自分が出席していない会議で、一方的に自分が不利になる判断を下されたり、自分が知らないところで飲み会などの幹事に決められてしまうような状況を指して使われます。

他にも、その場にいない人を一方的な決めつけによって批判したり、陰口を言うことも「欠席裁判」と表現することがあります。

「被告人が欠席のまま行われる裁判」を比喩として用いた表現

「欠席裁判」とは、本来は法律用語であり、被告人が法廷を欠席した状態で行われる裁判のことを指します。一般的な会話などで使われる時は、当事者がいないところでその人に不利な事柄が決定されるという比喩として使われています。

「欠席裁判」の使い方と例文

役員などを了承を得ずに押し付ける「欠席裁判」

会議などでその場にいない人が、一方的に何かの担当者に選任されたり、了承しないまま団体の役員に任命されたりすることを、一方的な押し付けだという意味で「欠席裁判」と表現します。

特に、引き受ける人が少ないため、やりたくない人が押し付けられることがあるPTAの役員や、会合の幹事などが、欠席裁判によって決められる事例があるようです。

「欠席裁判で役員を押し付けられたのは受け入れがたい」「欠席裁判でみんなが避けていた幹事にされてしまった」などの使い方をします。

ママ友に多い「陰口」のトラブルを欠席裁判と表現する

似たような環境の人達が集まる閉鎖的で密接な人間関係の中では、その場にいない人の悪口を言って溜飲を晴らしたり、自分の優位性を示そうとすることがよくあります。

その場にいない人に対して悪口を言ったり、一方的に糾弾したりすることを「欠席裁判」と表現します。悪口を言われている当事者に弁明の機会が与えられないまま、一方的に悪者にしたり、悪いことを行っていると決めつけることを欠席裁判に例えたものです。

特に職場やママ友など、狭い人間関係の中で生じることが多いようです。「その場にいないと悪口を言われる欠席裁判を恐れるママ友が多い」「ママ友に欠席裁判をされて傷ついた」「同僚に欠席裁判で悪者にされた」などの使い方があります。

「欠席裁判」の類語とは?

裁判で判決を下すという意味を比喩として使う「断罪」

「断罪(だんざい)」とは、裁判で罪に対して判決を下すという意味です。「欠席裁判」と同じく、一般的な会話で比喩的に用いられることがあります。一方的な批判や相手に問題があると決めつけることを「断罪」と表現します。

「有名人の不祥事を断罪するメディア」「彼は彼女の過去を断罪した」などと用います。一方的な悪口を言う時の「欠席裁判」と同じ意味でも使われますが、当事者がいないところで断罪するのが欠席裁判の特徴です。

私的な感情で断罪するという意味の「人民裁判」

「人民裁判(じんみんさいばん)」とは、社会主義国家などにおいて、職業的な裁判官ではなく、人民の中から選出された代表者が行う裁判のことです。

日本では、比喩としての俗語として一般的に用いられ、結束した人々が私的な感情や論理で人を断罪することを表します。特に集団による少数者への「吊るし上げ」と同義に使われることが多い表現です。

「メディアの個人攻撃は人民裁判以外の何物でもなかった」「住民が集まって、疑わしき人を調べ上げ判決を下す人民裁判を行った」などと用います。

「欠席裁判」の英語表現とは?

「欠席裁判」は英語で「judgment by default」

法廷出廷義務の不履行という意味での「欠席裁判」は、英語で「judgment by default」です。ここでの「default」は不履行、怠慢という意味で使われています。

日本語のように「欠席裁判」を比喩として用いて、「その場にいない人に関して不利な決定をすること」という意味で使う習慣はありません。

意訳の例を挙げるとすれば、「 I was elected chairman in my absence.」(私がいないところで議長にされてしまった)という文章を「欠席裁判で議長にされてしまった」と意訳することができます。「in one’s absence」は「不在」(ここでは欠席)という意味です。

実際の「欠席裁判」とは?

答弁書を提出せず口頭弁論を無断欠席すると欠席裁判となる

民事訴訟において、被告人が答弁書を提出せず、かつ裁判所での口頭弁論を無断欠席した場合は、告訴した側の主張がそのまま認められる欠席裁判となります。例えば、裁判所から訴状や口頭弁論の呼び出し状が郵送されて来た場合に、身に覚えがないからと放置したまま裁判を無断欠席すると、原告の主張を認めたものと判断されるということです。

答弁書とは、裁判所からの呼び出し状に同封されているもので、「身に覚えがありませんので、口頭弁論は欠席します」などの意思表示ができる書類です。何も反応せずに無断欠席した場合は欠席裁判となりますが、答弁書で意思を表示していた場合は、通常は第1回目の口頭弁論で裁判が終結することはありません。

なお、判決言い渡し後からは控訴できる控訴期間がありますが、控訴せず、控訴期間が満了すると判決が確定されます。

まとめ

「欠席裁判」とは、「被告人が欠席のまま行われる裁判」の比喩として使われる、いわば俗語です。その場にいない人に関して不利な決定をすることや、一方的に陰口を言ってその場にいない人を貶める行為を「欠席裁判」と表現します。

自分がいないところで一方的に不利な決定をされた場合などの、理不尽な思いを表現するのに「欠席裁判」は最適な表現として使われています。自分がいないところで、弁明の機会が与えられないまま裁かれるという事に、潜在的な恐怖心を持つ人が多いからかもしれません。一方的な決めつけであっても、良い意味であれば欠席裁判とはなりません。