「誘い受け」の意味とは?使い方の注意点や類語・英語表現も解説

「誘い受け」または「誘い受ける」という言葉を聞いたことがありますか?現代のフレキシブルな恋愛事情の中で見聞きしますが、適切に使わないと周囲に誤解を与えてしまうこともあるため、気を付ける必要がある表現です。

また「誘い受け」を「うざい」と感じる人もいるようですが、今回は「誘い受け」の意味と英語、使い方、類語と対義語について解説します。

「誘い受け」とは?

「誘い受け」の意味は”BLで女性役を演じる人”

「誘い受け」の意味は、“BL(ボーイズラブ)の世界で、女性役を演じる人”のことです。

現代の恋愛スタイルは非常に自由です。「BL」への認識も浸透する中で、精神的には相手を引っ張る側、また主導権を握る性質を持ちながら、性行為では「女性キャラ」である人・またそのような属性の人のことを指します。つまり、相手を誘い、受身になる側「誘い受ける方」を表す言葉となります。

「誘い受け」はコミカルな漫画や人気のストーリーから定着

「誘い受け」という言葉が定着した背景には、BLや「やおい系」を主人公とした「漫画」があります。「誘い受け」という設定を用いることで、キャラクターの性格やどんでんががえしなど、コミカルで笑いを誘う内容が人気を博しています。

実際「誘い受け」は「裏ワード」のような存在であるかもしれません。しかし、ネットやSNS、漫画や小説を通して、ごく普通の言葉として現代に浸透してきています。

「誘い受け」は男女のカップル・女性同士のカップルにも使われる

「誘い受け」は男性同士の関係の中で使われるだけではなく、男女のカップル、女性同士のカップルにも使われる言葉です。

総じて「誘い受け」とは、男女の関係なく、恋愛中の2人やカップルに対し使われます。性行為において受け身に回る役割の人、そういった属性の人を指すことを理解しておきましょう。

「誘い受け」の使い方の注意点とは?

「誘いを受ける」と「誘い受け」を混同しない

ごく日常的に「食事のお誘いを受ける」「お茶の誘いを受けた」というように、「誘いを受ける」というフレーズを使うことがあります。

この場合「食事」「お茶」という具体的な行動を表す言葉が入っているため、「どんな誘い」であるかは一目瞭然でしょう。もっとも、相手との関係や会話が生まれるシチュエーションを見ても、明らかに「誘い受け」の意味で使われているのではないことが理解できます。

「誘い受け」の使い方の注意点は、純粋な意味での「誘いを受ける」と、性行為に直接関連する「誘い受け」を混同しないことです。相手や周囲に間違った印象や理解を与えないためにも、使い分けには十分気を付けるようにしましょう。

「誘い受け」はメールやSNSでも使われる

「誘い受け」をメールやSNSで使う場合は、同性や異性のカップルの中での「受け身」とはやや異なるニュアンスで使われます。

たとえば、相手や周囲から意識を向けてほしい場合、またかまってほしい場合、良い返事が戻ってくることが期待されるようなメッセージをあえて送ったり、またその返事を待つことを「誘い受け」といいます。

たとえば、メールで「私は気も利かないし、仕事も遅い」とメッセージを送ったとします。メールを受信した相手(投稿の場合、それを見た人)は、何とか励まそうと思い「そんなことはない」「君は気が利くし、仕事も早い」と言ってくるでしょう。この全体的な流れ、つまり期待通りのポジティブな返事を待つこと、またこれら一連のプロセスがメールやSNS上での「誘い受け」です。

「誘い受け」の類語とは?

「誘い受け」の類語は”翻弄する側”や”誘惑する側”など

「誘い受け」は独特で新しい表現であるため、正式な類語表現は見当たりませんでした。しかし、相手を巧みに誘う行為を別の言葉で比喩するなら、ニュアンスがやや異なるものの「翻弄する」「誘惑する」などが、言い換えの語句としては適切といえるでしょう。

  • 私を翻弄する彼は、精神的にも指導権を持っている。
  • 彼女はメールで魅惑的なメッセージを送り、誘惑してきた。

「誘い受け」の対義語とは?

「誘い受け」の対義語は”襲い受け”

意味の上から考えて「誘い受け」の対となって使われる言葉が「襲い受け(おそいうけ)」です。積極的に主導権を握りながらも実際は「受け身」となる反対の方、つまり、普段は消極的でおとなしいのに、何かがきっかけで別人のように肉食系に変身する「攻める役回り」を「襲い受け」と呼んでいます。

例文
  • 草食系の彼は、スイッチが入ると「襲い受け」になる。

「誘い受け」の英語表現とは?

「誘い受け」は英語で”passive in love”

「誘い受け」は日本の独特なカルチャーを舞台として生まれた言葉であるため、直接的な英語フレーズは存在しません。あえて受け身であることを一般的に表現するなら、「passive」が適切です。また、恋愛における「受け身」なら「passive in love」となります。

まとめ

「誘い受け」とはBLをはじめ、同性や異性のカップルにおいて「受け身の立ち回り」を演じる方を指します。メールやSNSでは、あえて期待通りの返事がくるようなメッセージを送ること、またその返事を待つことを包括して「誘い受け」と言います。

現代の日本語では、新しい言葉が生まれる中、やや俗語的なイメージが強い言葉も見受けられます。そうは言っても、「誘い受け」や「襲い受け」など、ウィットに飛んだ言葉の組み合わせで一つのフレーズを作り上げるのは、新しいものを好む日本文化の一つかもしれません。