「自然体」の意味と語源とは?使い方の例文や類語・対義語も解説

ありのままで気負いをしないことを「自然体」と呼ぶことがあります。普段は何気なく使っていても、言葉の語源や類語に注目したことがある人は少ないでしょう。

今回は「自然体」の語源と意味、類語と対義語、英語とフランス語表現についてまとめています。使い方の注意点・例文とあわせて解説していきましょう。

「自然体」とは?

「自然体」の意味は”ありのままで身構えないこと”

「自然体」の意味は、“ありのままで身構えないこと”です。肩を張ったり、気負いすることなく、あるがままの姿でいることを表したり、力むことなくものごとに励む態度を表します。また、無理のない自然な姿勢でいること、という意味も持ち合わせています。

「自然体」の語源は柔道・剣道の基本姿勢

「自然体」の語源は柔道や剣道の基本姿勢である「立ち方」にありました。柔道や剣道では、両足を少しだけ前後や左右に開き、無理のない自然な立ち方を「自然体」と呼んでいます。相手を前に、気負いなく無理のない姿勢をとることで精神を安定させる効果があります。

柔道や剣道などは集中力や相手の動きを焦らず読み取る力が必要です。「自然体」をとることで、自分をリラックスさせ、普段の自分に近い状態で勝負に挑むという意図があるそうです。

「自然体」は現代の日本にマッチするスタイル

多様化するライフスタイルや複雑化する人間関係において、生活とストレスは切っても切り離せない状況でもあるでしょう。周囲に気を使ったり、自分の意思とは反対の言動を強いられたりと、まさに「自然体」でいることが難しい環境ともいえます。そのような中でも「自然体でいたい」と願う人は多いものです。

働き方改革が進み、個人を尊重しようとする社会の流れは、自分が「自然体」でいられる環境を自然な形で作り上げているように見受けられます。「自然体」は、まさに現代の日本社会にマッチするスタイルへと変化を遂げているのかもしれません。

「自然体」な人は人間的な魅力を感じさせる

「自然体」でいる人は、気取らず穏やかで、裏表がありません。そんな「自然体」な人に惹かれる人は多く、仕事はもちろん、プライベートでも人望を集めているでしょう。

恋愛でも「自然体」は重要なポイントで、男性・女性ともに「自然体でいられる関係」であることは、長続きの秘訣とも言われています。

「自然体」の使い方と例文とは?

「自然体」と「ダラダラする・気怠い」の違いを理解する

「自然体」という言葉のニュアンスから、スローテンポで倦怠感さえも感じるようなイメージで言葉を捉えることはありませんか?たしかに「自然体」とは力まない、無理のない姿勢や態度を表す言葉ですが、仕事やものごとに取り組む時などに、ダラダラしたり、気怠く行動するというニュアンスで使うのは適切ではありません。

「自然体」とはありのままの自分の姿で、気負わない、力まない姿勢を意味します。間違えやすい「ダラダラする」「気怠い」などの言葉と意味をはき違えないように気を付けるようにしましょう。

「自然体」を使った例文

「自然体」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 自然体でいたいが、サービス業に従事しているため職場ではなかなか難しい。
  • ピアノの演奏会では、自然体で最後まで曲を引き続けたい。
  • 私の弟はどのような状況でもリラックスできる、まさに自然体そのものである。

「自然体」の類語と例文とは?

「自然体」の類語は「そのままの・気取らない・ナチュラルな」

「自然体」と言い換えができる言葉は「そのままの・気取らない」、また「飾り気のない・ナチュラルな・らしさを持って」などがあります。どの言葉も、本来の性質や状態でいる様子を表す時に使われ、「自分を変えていない、本来の素の姿を表す時に、言い換えとして適切な言葉です。

「自然体」の類語を使った例文

「自然体」の類語を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 私はそのままの自分でいたい。
  • 私は気取らない自分でいたい。
  • 私は飾り気のない自分でいたい。
  • 私はナチュラルな自分でいたい。
  • 私らしさを保ちたい。

「自然体」の対義語と例文とは?

「自然体」の対義語は”ぎこちない”や”気取った”

「自然体」の対義語は意味の上から考ると”ぎこちない”や”気取った”などの表現が適切でしょう。「ぎこちない」は言動が不自然で滑らかではないさま、「気取った」は身のこなしや振舞を上品にしようと装うさまを意味します。どちらも自然ではなく、気負いや力みを感じる表現です。

「自然体」の対義語を使った例文

「自然体」の対義語を使った例文をご紹介しましょう。

  • 彼のぎこちない態度には、ほとほと汗をかいた。
  • 気取った態度が気に入らない。

「自然体」の英語とフランス語でのフレーズとは?

「自然体」は英語で”be myself”や”just the way you are”

「自然体」は個人主義が浸透する海外では、ごく当たり前の姿です。もちろん、職場や恋愛、家族関係においてストレスをためることもありますが、その時は「自然体でいようよ」とお互いを励ますカルチャーが存在します。

人がありのままでいるという意味の「自然体」をナチュラルな英語にすると、”be my self”や”just the way you are”などが適切です。ぜひ、力みすぎている同僚や仲間がいたら、このようなフレーズを使って声掛けをしてみましょう。もちろん、自然を意味する「natural」をを使ってもよいでしょう。

「自然体」の英語表現を使った例文

「自然体」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。

  • 自然体でいこうよ:Be yourself !
  • 自然体の君が一番だよ:I love you just the way you are !
  • いつも自然体だね:You are always natural.

「自然体」はフランス語で”nature”

あくまで自分らしさ、自分流の生き方を大切にする国がフランスです。フランス語で「自然体」を意味する”nature(ナテュール)”はフランス人の素朴な生き方であり、多くの人が真似をしたいライフスタイルなのかもしれません。

まとめ

「自然体」の語源は柔道や剣道で両足をわずか広げて構えるスタンス「自然体」が語源となっています。意味は「ありのままでいること」「気負わず、身構えないこと」で、肩を張らず、自然な姿勢でいることを表す言葉となります。

周囲や他人の目に映る「自然体」とは、各々の解釈の仕方によって違ってきます。いつもは化粧をばっちりして仕事をテキパキと裁いている人が、週末にノーメイクでのんびりしている姿も「だらしない」ではなく、むしろ「自然体」と解釈すべきなのでしょう。