「悍ましい」の意味とは?「痛ましい」との違いや例文・類語も解説

「悍ましい(おぞましい)」とは「嫌な感じがすること」を意味します。「悍ましい獣」や「悍ましい事件」など、身震いのするような恐ろしいものに使う表現です。

この記事では「悍ましい」の意味や使い方の例文、類語も解説します。対義語や英語表現、似た表現の「痛ましい」との違いも紹介しましょう。

「悍ましい」の意味と読み方とは?

「悍ましい」の意味は”嫌な感じがすること”

「悍ましい」の意味は、“嫌な感じがすること”です。古語としては「我がつよい・勇ましく恐ろしい」という意味で使われていました。

悍ましい(おぞましい)の意味

  1. 嫌な感じがすること。
  2. 我がつよい。強情。
  3. 勇ましく恐ろしい。

現代では「嫌な感じがすること」という意味で使われ、「悍ましい様子」や「悍ましげな雰囲気」などの使い方をします。

「悍ましい(悍しい)」の読み方は”おぞましい”

「悍ましい」の読み方は“おぞましい”です。「悍ましい」または「悍しい」とも表記されます。「悍」は訓読みで”あらい・あらあらしい”などと読み、音読みでは「カン」と読みます。

「悍」は常用漢字ではないため、ニュースや新聞では平仮名の「おぞましい」が主に使われているのです。

「悍ましい」と「痛ましい」は意味が異なる

「悍ましい」に似た言葉に「痛ましい」があります。「痛ましい」とは”痛々しい・目を背けたくなるほど悲惨である”という意味で、「悍ましい」と同じく「痛ましい事件」という言い回しで使うことがあります。

ただし、「痛ましい」とは”心が痛む・かわいそうだ”という意味ですので、嫌な感じがすることを表現する「悍ましい」とは異なります。「痛ましい事件」は”痛々しい事件・見ていられないほどかわいそうだ”の意味になりますので、違いを押さえておきましょう。

「悍ましい」の使い方と例文とは?

「悍ましい」は”ぞっとするほど嫌なこと”を表す

「悍ましい」は”ぞっとするほど嫌なこと”を表します。単に「怖い・おそろしい」という負の感情ではなく、「ぞっとする・身震いがするほど嫌」な様子を表します。

例文

悍ましい気配がただよう

意味:ぞっとするような嫌な気配がただよう

「悍ましい気配」のように「悍ましい○○」という形でも使われますが、文脈によっては「悍ましげ」や「悍ましさ」の形で使用しましょう。

「悍ましい事件」「悍ましい獣」のように使う

「悍ましい」の使い方には「悍ましい事件」や「悍ましい獣」があります。「悍ましい事件」とは”ぞっとするほど嫌な事件”を、「悍ましい獣」は”いかにも嫌な感じがする獣”を意味します。

例文
  • この悍ましい事件を忘れることはないだろう
  • 予想だにしなかった悍ましい事件に、国中から悲鳴が聞こえた
  • この世のものとは思えない、悍ましい獣が立ちふさがっていた

「悍ましい」を使った例文

「悍ましい」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 調査が進むにつれ、悍ましい事件の全容が明らかになってきた
  • 心の底から悍ましさを感じたのは、あれが最初で最後だった
  • 我が子とは思えぬ悍ましい発想に、顔が引きつった
  • 彼の声を耳にするだけで、2年前の悍ましい出来事がよみがえる
  • おぞましげな雰囲気を感じとったのか、愛犬はすぐに引き返してきた

「悍ましい」の類語(類義語)と対義語とは?

類語(類義語)「忌まわしい」の意味は”嫌な感じ”

「悍ましい」の類語には“忌まわしい(いまわしい)”が当てはまります。「忌まわしい」とは”不吉”や”嫌な感じであること”を意味する言葉です。

忌まわしい(いまわしい)

  1. 不吉。縁起が悪い。
  2. 嫌な感じであること。不愉快。

「嫌な感じ」という点で共通しているため、類語に当てはまります。「忌まわしい出来事」や「忌まわしい過去」のように使いましょう。

類語(類義語)「いとわしい」の意味は”不愉快”

「いとわしい」も”悍ましい”の類語表現です。「いとわしい」とは”不愉快で嫌・わずらわしい”を意味する言葉で、漢字では「厭わしい」と表します。「嫌なようす」を表している点が共通しているため、類語に当てはまるのです。

例文
  • 湿気が多くジトジトした日はいとわしい
  • 人の陰口ばかり話す人をいとわしく思う

また、「忌まわしい・いとわしい」以外に、「気味が悪い・嫌であること」を意味する「疎ましい(うとましい)」も類語に当てはまります。「嫌な感じがする」状況で言い換えてみましょう。

「悍ましい」の対義語は”愉快”

「悍ましい」と反対の意味をもつ言葉(対義語)には、“愉快(ゆかい)”が当てはまります。「愉快」とは、”楽しくて気分のいいこと”を意味する単語で、「悍ましい」の”嫌な感じ”と対になっています。

例文
  • これほど愉快な話はあっただろうか
  • 明日の夜、会社の愉快な仲間とお酒を飲みにいく
  • 1人でのんびりと酒を飲むのが1番だと、彼は愉快げに笑った

「悍ましい」の英語表現とは?

「悍ましい」は英語で”Horrible”

「悍ましい」の英語表現には“Horrible”が適しています。「Horrible」とは”ぞっとするような・身の毛もよだつ”を意味する単語で、「悍ましい」の”とても嫌な感じ”を表せます。

例文

I saw a horrible appearance.

意味:悍ましい姿をみた

まとめ

「悍ましい」とは「嫌な感じがすること」を意味する言葉で、「ぞっとする」「身震いがするほど嫌」な状況で使われます。「悍ましい事件」や「悍ましい姿」などの使い方があり、類義語には「忌まわしい」や「いとわしい」が当てはまります。

「嫌な感じ」を表したい状況で、「忌まわしい事件」や「いとわしく思う」へ言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。