「垂涎」の意味と読み方・使い方とは?例文や類語表現も解説

突然ですが「これは垂涎ものだ」「垂涎ものの逸品だ」というような会話に遭遇したことはありますか?「垂涎」は「非常に欲しい」という気持ちを表す時に使われますが、正しい意味を把握していないと、間違った使い方をして恥をかいてしまうことがあるかもしれません。

ここでは「垂涎」の読み方や意味をはじめ、使い方と例文、類語と対義語・英語でのフレーズについて紹介させていただきます。

「垂涎」の読み方と意味とは?

「垂涎」の読み方は「すいぜん」または「すいえん」

「垂涎」の正しい読み方は「すいぜん」です。しかし、慣用読みでは「すいえん」とも読むため、一般的な読み方においてはどちらも基本的には間違っていません。ラジオやテレビなど、耳から入る場合は、「すいえん」「すいぜん」のどちらの言い方もあるので、注意して聞くようにしましょう。

「垂涎」の意味1「食べたくてよだれを垂らすこと」

「垂涎」の一つ目の意味は、読んで字のごとく「よだれを垂らすこと」です。美味しそうな食べ物がある時や、大好物の食べ物が目の前に並んでいる時、食べたいという欲求から自然と涎(よだれ)が出てしまう様子を表しています。

「垂涎」の意味2「手に入れたいと芯に熱望すること」

「垂涎」の2つ目の意味は「手に入れたいと芯に熱望すること」です。食べ物に限らず、ものごと全般に対し、のどから手が出るほど欲しがること、魅力に満ち溢れて何が何でも手に入れたいという様子を表す言葉となります。「垂涎」はただ単に「ものを欲しがる」という意味ではなく、心の底から熱望し強く欲求することを意味しています。

「垂涎」の使い方と例文

「垂涎もの」は「魅力に満ちたものごと」という意味でよく使われる

「垂涎」を使った言葉の中で、最も見聞きするのは「垂涎もの」という表現です。「垂涎もの」とは「非常に興味的で、心から惹かれるようなものごと」を指します。この時「垂涎もの」は食べ物だけではなく、ものや状況、また仕事においては環境やオファーなど対しても使われる言葉となります。

「垂涎もの」は自分にとって琴線に触れるようなものごとで、どうしても手に入れたくて仕方がないという時に使うのが適切です。

「垂涎もの」を人に対して使うのは基本的にNG

世の中には男女の別を問わず、魅力的で人を引き寄せるような人は数え切れないほどいます。しかし、人に対して「垂涎もの」という表現を使うのは、相手に対し失礼な印象を与えるだけではなく、良からぬ誤解を招くことが考えられます。とくに女性に対して「垂涎もの」を使うのは避けた方が無難です。

「垂涎」を使った例文

  • 垂涎とまではいかないが、朝から何も食べていないのは辛い。
  • 甘党の姉は、美味しそうなケーキの数々を前に、まさに垂涎のまなざしである。
  • 私は根っからの野球ファンであるため、選手の限定サイン入り色紙は垂涎ものといえる。
  • 垂涎ものの逸品を手に入手したので、特性のガラスケースに保存した。
  • 多くのスポンサーと契約できるなんで、待ちに待った垂涎もののオファーである。
  • 最先端のIT機器が揃う再就職先は、これこそ垂涎ものの職場なのかもしれない。

「垂涎」の類語と対義語は?

「垂涎」の類語は「舌なめずり」「喉が鳴る」「渇望する」など

「垂涎」の類語は「舌なめずり」「喉が鳴る」「渇望する」などが挙げられます。

「舌なめずり」は「欲しいものを心から待ち受けるさま」、「喉が鳴る」は「美味しい料理を目の前に食べたいという欲求が止まないさま」、また「渇望する」は「喉の渇きに対し水を欲しがるように、心底求めるさま」をそれぞれ表します。

例文
  • 大好きなブランド店が半額セールをはじめ、早速舌なめずりをした。
  • 高級中華料理がズラリと並び、私は喉を鳴らせた。
  • 娘の里帰りを渇望する理由は、もう10年も顔を会わせていないからである。

もちろん、「垂涎」の意味そのものである「喉から手が出る」「よだれを垂らす」などの表現も、言い換え出来る類語として使うことができます。

「垂涎」の対義語は「堪能」「満足」

「垂涎」の直接的な対義語は存在しませんが、意味の上からは「気が済んでしまい、欲しいと思わない状態」を指す言葉として「堪能」や「満足」などが挙げられるでしょう。気持ち的に納得してしまい、熱望しないことを表す表現ですが、「垂涎」とはある程度反対の意味を持つという程度の解釈で覚えておくとよいと思います。

「垂涎」の英語表現は?

「垂涎」は英語で「desparately」

「垂涎」は日本独特の言い回しですが、英語では「手に入れようと強く熱望する」ことを「desparately」という単語を使って表現します。たとえば「あのアンティークは垂涎ものだ」という文脈なら、つまり「I want that antique item desparately(あのアンティークが心底ほしい」と英訳することができます。

「垂涎」を堅めに訳すなら「aspire」を使うのも

「垂涎」をビジネスシーンやフォーマルな席で使う時は、「熱望する」「強く求める」「志す」という意味の「aspire」を使っても良いでしょう。たとえば「I aspire to a promotion(昇給を熱望する」「We aspire to freedom(自由を心から強く求める)」などのように使います。

まとめ

「垂涎」は「すいぜん」、または慣用読みで「すいえん」と読み、「食べたくてよだれをたらすこと」「ものごとが魅力的で欲しいと熱望すること」という意味を持つ言葉となります。

食べ物だけではなく、ものや状況を含め、ビジネスでは魅力的なオファーや契約など、「のどから手が出るようなことがらに対して使われますが、とくに「垂涎もの」という表現を使って「魅力に満ち溢れたものごと」を表すことが多いのが特徴ですが、人に対して「垂涎」を使うのは不適切な場合があるため、注意をするようにしましょう。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。