目上の人やビジネスシーンでは、相手を尊重する意味でも丁寧な表現を使いたいものです。「そんな折」もその一つ。現代の若い世代の間ではあまり使われませんが、フォーマルな場面では好んで使われる表現です。
ここでは「そんな折」の意味と読み方、敬語表現とビジネスでの使い方、そして英語フレーズについて紹介させていただきます。

目次
「そんな折」の意味とは?

「そんな折」の意味は「そんな時」「その際」「その時期」
「そんな折」の意味は「そんなとき」「その時」「その場合」です。もともと「折」にはものごとのけじめや区切りをつけるという意味があり、転じて時点、時節を表す時に使われるようになりました。つまり「そんな折」は、前に述べた内容に対する「時期」を指し、その機会を指す時に使われる表現となります。
「そんな折」の読み方は「そんなおり」
「そんな折」の正しい読み方は「そんなおり」です。「そんな折」は社会人になると、目上の人や上司、取引先の担当者とのやりとりが出てくるため、頻繁に聞く表現ともいえるでしょう。「折」は「せつ」とも読むので、誤って「そんなせつ」とうっかり読んでしまわないように気を付けて下さい。
「そんな折に」は相手に丁寧でやわらかい印象を与える
「そんな折に」というように、「そんな折」に「に」をつけて使うこともあります。「そんな折に」は、相手に敬意を表しながら、「そんな折」より、丁寧でさらに軟らかい印象を与えることができる表現です。
「そんな折に」は手紙やメールなどの書面や、会話の中でも使われる表現ですので、適切な場面で使っていきましょう。もちろん、意味はどちらも同じ「そんな時に」「そのような際に」「そのような時期に」のように時節を示す表現となります。
「そんな折」の敬語表現と使い方は?

「そんな折」の敬語は「そのような折」「その折に」
「そんな折」は、もともと丁寧な言い回しである言葉ですが、ビジネスシーンや目上の人とやりとりをする時は、さらに敬語に置き換えると印象がアップします。改まったフォーマルな席や、仕事関係でメールを送る時は「そのような折」や「その折に」という敬語表現を使うようにしましょう。
「そんな折」は初めての相手や面識のない相手に使う
「そんな折」は、友達や同僚、家族など、自分に近い距離にいる人に使うことはあまりありませんが、相手に丁寧な印象を与える表現となるため、初めて会う人や面識のない人に使うと、ある意味で失敗がありません。
「そんな折」は、相手に失礼な印象を与えることなく、安心して使える表現の一つです。誤解を避けるためにも、「その時」「その際」を使うのではなく、あえて「そんな折」「そんな折に」を使うようにしましょう。
「そんな折」を使ったビジネス例文
- 御無沙汰しておりますが、お元気でいらっしゃいますか?今月から、我が社の営業担当になるとお聞きしました。そのような折には、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
- 大雨で第一便が送れる可能性があるとのこと。そんな折には、できるだけ早めに連絡をいただけますと助かります。
- 御社様とお取引をさせていただき、早一年目となります。そんな折、海外転勤の話が飛び込み、自分のことながら驚いております。
- 新人が何かとご迷惑をお掛け致しますが、そんな折、私にご一報いただければ幸いでございます。
- そんな折ですと、こちらとしてはどのような対応を取るべきなのでしょうか?
状況や相手の立場によっては、「その折」の敬語表現「そのような折」「その折に」を使うようにすると相手への敬意と丁寧な気持ちが伝わります。状況によって上手に使い分けをしていきましょう。
「そんな折」の英語表現は?

「そんな折」は「when」「if so」「at that time」
「そんな折」は英語で直訳するのが難しい表現です。しかし、時節や時期などの「時間」を表す言葉なので、基本的には「when」を使うのがベストでしょう。加えて、文脈によって「そのような場合」「その時」と意訳したほうが良い時は、「if so(もし、そのような場合)」や「at that time(その時)」などを選ぶようにして下さい。
「そんな折」を使った英語例文
- 3年ぶりに帰省した、そんな折、昔の彼女から連絡があった。
I got a call from ex-girl friend when I was back in hometown for the first time in 3 years.
- そんな折には、いち早くご連絡をいただけますか?
If so, would you please ring me ASAP? - 私が海外にいた、そんな折、私の母は60歳の退場日を迎えた。
I was in oversears at that time when my mother had her 60th birthday.
まとめ
「そんな折」「そんな折に」「そんな折には」は、「そんな時」「その際」「その時期」という意味で使われる丁寧な表現です。知人や親しい人に使うことはごく稀ですが、職場の上司や取引先の相手など、丁寧な対応で接したい相手には好印象を与える効果があります。ぜひ積極的に使っていきましょう。
ビジネスメールでは「そのような折」「その折に」など、敬語表現に置き換えることをおすすめしますが、付き合いの長い担当者や、目上でも親しい間柄にある場合は、かえって堅苦しく感じさせてしまうことがあります。相手との距離や立場を考えながら、「そんな折」を上手に使っていきましょう。